将棋と僕。

新たなる敵

Ⅰさんに勝った勝負はすごかった。Ｍ病院の伝説になればいいなあ・・・・それにしても将棋は奥が深い。僕でもＩさんみたいな強い人に一度勝てた。それが嬉しい。なんだかんだでそのあと僕はＩさんにもう二回勝った。けれど、五回負けてしまった・・・残念だが仕方がない。



　思い出せば、将棋を始めたころは、ぜんぜんだめだったっけ。



　「Ｋさん　、打ちませんか？」
　「はい！」
　そう言ってきたのは、病院に入ってきたばかりのＳさんだ。

　なぜか僕の相手はおじいさんばかりだ。おじいさんはみな強い人が多い。

　
　よーし面白い。やってやろうじゃないか。



　僕が先手だ。珍しく居飛車にしよう。２六歩。３四歩。２五歩。３三角。いつも通りだ。今日は、棒銀にしようかな。えい、銀あげだ。おや・・・・相手は角を引いてきた。これはいつぞや僕がやった手だ。色々研究されているなあ・・・・



　角引いて銀出る。すると棒銀は上手くいかない。銀交換するが、飛車は龍になれない。えい２二歩で桂馬取っちゃおう。

　あれ・・・・いつのまにか攻め込まれている？
　三間飛車に僕はやられている。まずい、居飛車は防御がやや弱い。


　でも大丈夫だ。居飛車の防御があるので、王は守っている。



　あれと金がある。それに金も。これで攻める気か？
　銀打ち。うん。居飛車で取って・・・・あれと金で取られて金効いて負けかあ。居飛車は攻略されている・・・・恐るべし。やるなあ・・・・

　最終的に、５七と金とあって６七金とある。５八銀と打たれて同飛車。同と金で詰みかあ。




　くやしい。負けて寝れないということはないけれど、一杯飲みたい。けれど飲めない。今度こそは勝ってやる。