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十八話 違和感
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この世界に来て十六日目。俺の復讐によって世界で"最も歪んだ双子"が絶命した。
それによって今日も自室待機命令が出て、訓練は中止である。
──と自室待機命令が出ているにも関わらず俺は訓練場に来ていた。訓練場とはルエルの部隊の人達が集まる場所だ。
俺が行ったのは午前九時ほど。訓練開始は確か十時からで、まだ人もあまり集まっていない。
──が、俺がなぜ一時間前にここに来たかと言うと、"アリウムさんのスキルを奪うため"である。
あのスキルは俺の復讐にとって邪魔過ぎるのだ。アリウムさんには悪気はないが、謝りながらでも奪わせてもらう。
それはそうと、昨日でまたスキルレベルが上がった。
ーーーーー
齋藤 誠 (男)
十七歳 人間族
体力 11780
魔力 840
剣術 lv1
魔術 lv1
称号 家畜以下の存在 スキル復讐者を獲得
復讐者の逆襲 スキル復讐者のスキルレベルの上昇ペースアップ
スキル 復讐者 lv2
一日に一回。最初に触ったものの持ち物・能力・命などをレベルに応じて一つ奪うことが出来る。このスキルを人に言った場合、その人からは何も奪えなくなる。
・最初に触れた人の何が欲しいかを念じる。日付が変わる十分前には奪ったものを手に入れられる。
・レベルに応じないものは奪えない。
・モノを奪った場合はその持ち物をどのように手に入れたかなどの記憶も同時に転送される。
・奪われた本人・このスキルを知らない者には本人の風貌がどれだけ変わろうとも気づかれない。
lv5……一日に5個。モノは武器以外ならなんでも奪える。能力を多めに奪うことが可能。体力や魔力は使用者の上限値が上昇し、奪われた方は上限値が減少する。体力・魔力は0になるまでは奪えず、最低10は残るものとする。スキルレベルが3以下なら奪える。
無音の殺戮者 lv3
レベルに応じて一定範囲を無音空間にできる。自身、自身の味方には音が聞こえる。
lv3……自身から六メートル四方を無音空間とする。
体力に比例する強大な力 lv2
体力の数値に比例して武術レベルが高くなる。
lv2……体力の値の2%が武術レベルとなる。
ーーーーー
そこまで大きな違いはないが、レベル3までのスキルを奪えるようになったことは異世界の人達にも有効なのではないか、と思った。
また無音の殺戮者 のレベルも上がった。
アリウムさんの姿はと言うと、残念ながらまだ居ない。早めに触れてしまえば楽だと思ったのだが、まぁいいや。
あの双子が死んだことにより、城内は悲しみで蔓延している。それに隠れて勝ち組連中は焦りを見せ、負け組連中はどう勝ち組に這い上がるかを考えているようだ。
その中で俺が注目しなければいけないのは、"次にどうやれば早くクラスが壊れていってくれるか"ということだ。
俺たちが異世界に転移して十六日。昨日訓練中に聞いた話では、『魔族の進行がスピードを増していて、予定よりも早く最前線に行かなければ行けなくなるかもしれない』というものだった。
本来ならば二ヶ月(八十日)だったはずが、十日ほど早く行かなければいけないかもしれないという話があり、俺は復讐を急がなければいけない衝動に駆られていた。
とはいえ、復讐は楽しみたいし一人一人の苦しむ顔が見たいと思うほど、急ぐを得ない状況へと陥る。
とはいえ俺の復讐の基礎は全てこの"復讐者"なのだから、決められた制限に乗り、事を進めるしかないわけで。
直接手を降しても言いけれど、それだとアリウムさんのスキルは絶対に奪わないといけないわけで。
──俺は非常に焦っているのだ。
焦りのせいか、ここに来てアリウムさんが居ないことに少し腹を立てている自分がいた。顔も少し引き攣っていると思う。
俺は訓練が始まるまで、ムカムカとした気持ちを落ち着かせようと訓練場の休憩スペースで寝転がっていた。
何人かの人がもう木刀の素振りや走り込みをしている中、なんとか気持ちを落ち着け訓練開始時間を迎えた。
休憩スペースを出ると、ルエルが俺見つけこちらに近寄ってきた。
「おいおい、なんでいるんだ?」
「……ルエル、おはよう。……じっとしてるのも嫌だったし、体動かしたくて……。それにあの二人が死んだのは……俺に責任があるよ。」
「それはタケダが誠のことしか覚えてないっていうことか?」
「……うん。武田くんが俺のことじゃなくて、未来さんのことを覚えていればっ……こんなことには……」
「………」
「こんなことには、ならなかったの──「お前は自分を責めすぎだよ。ミライが死んだのはお前のせいじゃない。」
「……でも……だって!!」
「どうせ、人間いつしか死ぬんだよ。これは偶然と偶然の巡り合わせによって起こった"事故"だったんだ。」
「……じこ?」
「あぁ。これは"事故"だ。不幸が連鎖したただの"事故"。──だからお前は悪くない。お前のせいじゃない。絶対に起こるものだったんだよ。それが今起こっただけ。"それだけ"だ。」
ルエルはまるで子供をあやすように、優しく言う。
まぁ全部俺が仕組んだことだけど──そんなことは置いといて、ルエルはそう言うと俺の頭を優しく撫でてくれる。
温かい手だ。優しく包んでくれる。
それから五分ぐらい俺は泣いた。その間ルエルは何度も『あれは事故だった』と繰り返し、ながら俺を抱きしめ続けた。
その時に俺からは触れないようにした。貴重なスキルを一度たりとも無駄には出来ないからな。
そして存分に泣く演技をしたあとは、午前中は観覧席で訓練を見学し、午後から参加した。
訓練中にアリウムさんにはなんとか触ることが出来たため、心の中で謝りながらスキルを奪った。
部屋に帰ったのは十七時だった。
午後からほとんど休むことは無く、四時間みっちりと訓練だった。部屋に着き、夕飯の時間まで休むことにした。
今日のスキル発動可能回数はあと四回。
今までに武田を陥れ、三神姉妹を死に追いやった。これにより、確実に今までの立場は一人一人違うものになるだろう。
無論上は変わらない。ただし野村はもう俺側に立っていると言っても過言ではないから、そうなると必然的に男子は富川に、女子は瀧澤に寄っていくだろう。
その中で誰が王と女王の側近になることが出来るか、その生存競争はもう始まっている。──家畜には関係ないけどね。
そんなことを考察しているうちに、夕飯の時間になってしまい俺は食堂に向かった。途中で碓氷に会ったが、無言のまま食堂に着いた。
俺の予想では今日の夕食は周りの様子を伺うような静かな食事になると思っていたのに、全く的外れ。昨日のことがなかったみたいに活気に溢れていた。
それも特別賑やかなのは、未来に媚び売って生き残っていた女子の負け組連中だった。やはり、三上の死は嬉しいと思うやつもいるということか。それとも内心は悲しんでいるが、次に媚び売る相手を探しているのか。分からない。
ただその夜はやけに気持ち悪いほど、賑やかで、笑みが見られる。それは配給のおばさん達も苦笑いだ。
しかし俺は異変に気づいた。飯を食べても誰一人帰ろうとしない。その場に留まり、誰かしらと話をする。
いつもなら二十一時に帰らない人は、配給係の人が追い出してくるはずなのに、この日、配給係の人は"次来る時にみんな帰っててね"と言っただけでどこかに行ってしまった。
その異変に俺は気づき、碓氷もこの帰ってはいけない雰囲気を感じたようで俺達は黙ってアクションがあるまで待った。
そして食堂に一切のクラス以外の人間がいなくなった時、富川が手を叩いた。
「全員、静まれ。これから会議を始める。」
そう言って立ち上がる富川。その瞬間、全員静まり返る。
その時、俺は確かに感じた。何か物凄い違和感だった。
それによって今日も自室待機命令が出て、訓練は中止である。
──と自室待機命令が出ているにも関わらず俺は訓練場に来ていた。訓練場とはルエルの部隊の人達が集まる場所だ。
俺が行ったのは午前九時ほど。訓練開始は確か十時からで、まだ人もあまり集まっていない。
──が、俺がなぜ一時間前にここに来たかと言うと、"アリウムさんのスキルを奪うため"である。
あのスキルは俺の復讐にとって邪魔過ぎるのだ。アリウムさんには悪気はないが、謝りながらでも奪わせてもらう。
それはそうと、昨日でまたスキルレベルが上がった。
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齋藤 誠 (男)
十七歳 人間族
体力 11780
魔力 840
剣術 lv1
魔術 lv1
称号 家畜以下の存在 スキル復讐者を獲得
復讐者の逆襲 スキル復讐者のスキルレベルの上昇ペースアップ
スキル 復讐者 lv2
一日に一回。最初に触ったものの持ち物・能力・命などをレベルに応じて一つ奪うことが出来る。このスキルを人に言った場合、その人からは何も奪えなくなる。
・最初に触れた人の何が欲しいかを念じる。日付が変わる十分前には奪ったものを手に入れられる。
・レベルに応じないものは奪えない。
・モノを奪った場合はその持ち物をどのように手に入れたかなどの記憶も同時に転送される。
・奪われた本人・このスキルを知らない者には本人の風貌がどれだけ変わろうとも気づかれない。
lv5……一日に5個。モノは武器以外ならなんでも奪える。能力を多めに奪うことが可能。体力や魔力は使用者の上限値が上昇し、奪われた方は上限値が減少する。体力・魔力は0になるまでは奪えず、最低10は残るものとする。スキルレベルが3以下なら奪える。
無音の殺戮者 lv3
レベルに応じて一定範囲を無音空間にできる。自身、自身の味方には音が聞こえる。
lv3……自身から六メートル四方を無音空間とする。
体力に比例する強大な力 lv2
体力の数値に比例して武術レベルが高くなる。
lv2……体力の値の2%が武術レベルとなる。
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そこまで大きな違いはないが、レベル3までのスキルを奪えるようになったことは異世界の人達にも有効なのではないか、と思った。
また無音の殺戮者 のレベルも上がった。
アリウムさんの姿はと言うと、残念ながらまだ居ない。早めに触れてしまえば楽だと思ったのだが、まぁいいや。
あの双子が死んだことにより、城内は悲しみで蔓延している。それに隠れて勝ち組連中は焦りを見せ、負け組連中はどう勝ち組に這い上がるかを考えているようだ。
その中で俺が注目しなければいけないのは、"次にどうやれば早くクラスが壊れていってくれるか"ということだ。
俺たちが異世界に転移して十六日。昨日訓練中に聞いた話では、『魔族の進行がスピードを増していて、予定よりも早く最前線に行かなければ行けなくなるかもしれない』というものだった。
本来ならば二ヶ月(八十日)だったはずが、十日ほど早く行かなければいけないかもしれないという話があり、俺は復讐を急がなければいけない衝動に駆られていた。
とはいえ、復讐は楽しみたいし一人一人の苦しむ顔が見たいと思うほど、急ぐを得ない状況へと陥る。
とはいえ俺の復讐の基礎は全てこの"復讐者"なのだから、決められた制限に乗り、事を進めるしかないわけで。
直接手を降しても言いけれど、それだとアリウムさんのスキルは絶対に奪わないといけないわけで。
──俺は非常に焦っているのだ。
焦りのせいか、ここに来てアリウムさんが居ないことに少し腹を立てている自分がいた。顔も少し引き攣っていると思う。
俺は訓練が始まるまで、ムカムカとした気持ちを落ち着かせようと訓練場の休憩スペースで寝転がっていた。
何人かの人がもう木刀の素振りや走り込みをしている中、なんとか気持ちを落ち着け訓練開始時間を迎えた。
休憩スペースを出ると、ルエルが俺見つけこちらに近寄ってきた。
「おいおい、なんでいるんだ?」
「……ルエル、おはよう。……じっとしてるのも嫌だったし、体動かしたくて……。それにあの二人が死んだのは……俺に責任があるよ。」
「それはタケダが誠のことしか覚えてないっていうことか?」
「……うん。武田くんが俺のことじゃなくて、未来さんのことを覚えていればっ……こんなことには……」
「………」
「こんなことには、ならなかったの──「お前は自分を責めすぎだよ。ミライが死んだのはお前のせいじゃない。」
「……でも……だって!!」
「どうせ、人間いつしか死ぬんだよ。これは偶然と偶然の巡り合わせによって起こった"事故"だったんだ。」
「……じこ?」
「あぁ。これは"事故"だ。不幸が連鎖したただの"事故"。──だからお前は悪くない。お前のせいじゃない。絶対に起こるものだったんだよ。それが今起こっただけ。"それだけ"だ。」
ルエルはまるで子供をあやすように、優しく言う。
まぁ全部俺が仕組んだことだけど──そんなことは置いといて、ルエルはそう言うと俺の頭を優しく撫でてくれる。
温かい手だ。優しく包んでくれる。
それから五分ぐらい俺は泣いた。その間ルエルは何度も『あれは事故だった』と繰り返し、ながら俺を抱きしめ続けた。
その時に俺からは触れないようにした。貴重なスキルを一度たりとも無駄には出来ないからな。
そして存分に泣く演技をしたあとは、午前中は観覧席で訓練を見学し、午後から参加した。
訓練中にアリウムさんにはなんとか触ることが出来たため、心の中で謝りながらスキルを奪った。
部屋に帰ったのは十七時だった。
午後からほとんど休むことは無く、四時間みっちりと訓練だった。部屋に着き、夕飯の時間まで休むことにした。
今日のスキル発動可能回数はあと四回。
今までに武田を陥れ、三神姉妹を死に追いやった。これにより、確実に今までの立場は一人一人違うものになるだろう。
無論上は変わらない。ただし野村はもう俺側に立っていると言っても過言ではないから、そうなると必然的に男子は富川に、女子は瀧澤に寄っていくだろう。
その中で誰が王と女王の側近になることが出来るか、その生存競争はもう始まっている。──家畜には関係ないけどね。
そんなことを考察しているうちに、夕飯の時間になってしまい俺は食堂に向かった。途中で碓氷に会ったが、無言のまま食堂に着いた。
俺の予想では今日の夕食は周りの様子を伺うような静かな食事になると思っていたのに、全く的外れ。昨日のことがなかったみたいに活気に溢れていた。
それも特別賑やかなのは、未来に媚び売って生き残っていた女子の負け組連中だった。やはり、三上の死は嬉しいと思うやつもいるということか。それとも内心は悲しんでいるが、次に媚び売る相手を探しているのか。分からない。
ただその夜はやけに気持ち悪いほど、賑やかで、笑みが見られる。それは配給のおばさん達も苦笑いだ。
しかし俺は異変に気づいた。飯を食べても誰一人帰ろうとしない。その場に留まり、誰かしらと話をする。
いつもなら二十一時に帰らない人は、配給係の人が追い出してくるはずなのに、この日、配給係の人は"次来る時にみんな帰っててね"と言っただけでどこかに行ってしまった。
その異変に俺は気づき、碓氷もこの帰ってはいけない雰囲気を感じたようで俺達は黙ってアクションがあるまで待った。
そして食堂に一切のクラス以外の人間がいなくなった時、富川が手を叩いた。
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