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第一部
丸薬の一夜 7 ※
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「奥まで入れるぞ、力を抜いていろ」
聞こえてきた言葉にレフラの顔が青褪める。今の刺激はこれだけだと、油断していた後孔が怯えにキュッと固さを増した。
薬を使うのだと聞いた時に、伝えられたのは強い薬効の事だけだった。だからレフラの覚悟だって、そんな薬の効果へだけで。挿入の苦しさなんて想像さえもしていなかった。焦りが募る。どうにかギガイを押し止めようと、レフラがギガイの方へ手を伸ばす。
「待って、待って下さい。お願いーーー」
「何を待つ?薬を奥に入れるだけだ。待つのは入れた後からだろう」
ろくに取り合う様子がないギガイへレフラが大きく首を振った。例え指一本だったとしても、ギガイの指はそれなりの太さを持っている。耐える覚悟なんて出来ていない。
「いやです、お願い、待ってください」
「良いから大人しくしていろ、すぐに済む。あぁ、それとも反抗して見せて、私を煽っているのか?」
レフラの押し止めようとする腕も焦りも、ギガイに軽くあしらわれる。
分かっているくせに。レフラが何に怯えているのか知っているくせに。まともに扱ってくれないギガイに腹立たしくも、悲しくなる。せめてもの抵抗で恨みがましい目を向けた。だが。
「務めを果たすのだろう。良い子にしていろ」
そんな言葉を言われたら、もう抵抗しようがなくなるのだ。どれだけこの状況から逃げ出したくても、レフラにはその選択は残されていない。抵抗を堪える為にキュッと目を瞑って、レフラはシーツを強く握った。
大人しくなったレフラの後孔をギガイの指が進み始めた。
「やっ、くるし…っは、っ…」
「ほらちゃんと息をして力を抜け。抜かなければ辛いのはお前だぞ」
レフラの隘路を一ミリの隙間も無く押し広げてしまうような太さなのだ。全く解されていなかった内壁を一気に圧し開くその状況は、ミシミシと軋む音さえ聞こえてきそうだった。
レフラはハッハッと必死に息を吐き出した。
二週間のブランクがすっかりレフラを未通の状態へ戻してしまったのかもしれない。力を抜かなければ苦しいのに。そんな事は分かっているのに。苦しさに力んでしまう身体では緩めるなんてろくに出来ずに恐怖だけが増していく。
それでも丸薬の滑りを纏った指には大した抵抗ではなかったのか。締め付けたままの内壁を抉りながら、ギガイの指は薬を奥へ奥へと押し込んでいった。
そしてギガイの届く最奥へ薬が押し込まれたのだろう。ようやく指の動きが止まった。
「はぁ、はぁ…」
荒い呼吸音が部屋の中に満ちていた。呼吸に合わせて内壁を締め付けては、苦しさが内からレフラを苛んだ。
それでも幸か不幸か、止まった刺激にレフラへ理性がわずかに戻る。ぼんやりと視線を空へ彷徨わせれば、焦点が結ばれたレフラの目とギガイの視線が絡まった。
目の前でギガイの口角が上がった気がした。その表情がレフラの不安を煽っていく。
「指を抜くから今度こそ、ちゃんと力を抜いていろ」
ほら、やっぱり。それは意地悪でも何でもなく。入れた以上は、仕方がない事だっただろうけど。だけどギガイは知って居たのだろう。それがレフラを追い詰めるには、十分な効果を持っている事を。
聞こえてきた言葉にレフラの顔が青褪める。今の刺激はこれだけだと、油断していた後孔が怯えにキュッと固さを増した。
薬を使うのだと聞いた時に、伝えられたのは強い薬効の事だけだった。だからレフラの覚悟だって、そんな薬の効果へだけで。挿入の苦しさなんて想像さえもしていなかった。焦りが募る。どうにかギガイを押し止めようと、レフラがギガイの方へ手を伸ばす。
「待って、待って下さい。お願いーーー」
「何を待つ?薬を奥に入れるだけだ。待つのは入れた後からだろう」
ろくに取り合う様子がないギガイへレフラが大きく首を振った。例え指一本だったとしても、ギガイの指はそれなりの太さを持っている。耐える覚悟なんて出来ていない。
「いやです、お願い、待ってください」
「良いから大人しくしていろ、すぐに済む。あぁ、それとも反抗して見せて、私を煽っているのか?」
レフラの押し止めようとする腕も焦りも、ギガイに軽くあしらわれる。
分かっているくせに。レフラが何に怯えているのか知っているくせに。まともに扱ってくれないギガイに腹立たしくも、悲しくなる。せめてもの抵抗で恨みがましい目を向けた。だが。
「務めを果たすのだろう。良い子にしていろ」
そんな言葉を言われたら、もう抵抗しようがなくなるのだ。どれだけこの状況から逃げ出したくても、レフラにはその選択は残されていない。抵抗を堪える為にキュッと目を瞑って、レフラはシーツを強く握った。
大人しくなったレフラの後孔をギガイの指が進み始めた。
「やっ、くるし…っは、っ…」
「ほらちゃんと息をして力を抜け。抜かなければ辛いのはお前だぞ」
レフラの隘路を一ミリの隙間も無く押し広げてしまうような太さなのだ。全く解されていなかった内壁を一気に圧し開くその状況は、ミシミシと軋む音さえ聞こえてきそうだった。
レフラはハッハッと必死に息を吐き出した。
二週間のブランクがすっかりレフラを未通の状態へ戻してしまったのかもしれない。力を抜かなければ苦しいのに。そんな事は分かっているのに。苦しさに力んでしまう身体では緩めるなんてろくに出来ずに恐怖だけが増していく。
それでも丸薬の滑りを纏った指には大した抵抗ではなかったのか。締め付けたままの内壁を抉りながら、ギガイの指は薬を奥へ奥へと押し込んでいった。
そしてギガイの届く最奥へ薬が押し込まれたのだろう。ようやく指の動きが止まった。
「はぁ、はぁ…」
荒い呼吸音が部屋の中に満ちていた。呼吸に合わせて内壁を締め付けては、苦しさが内からレフラを苛んだ。
それでも幸か不幸か、止まった刺激にレフラへ理性がわずかに戻る。ぼんやりと視線を空へ彷徨わせれば、焦点が結ばれたレフラの目とギガイの視線が絡まった。
目の前でギガイの口角が上がった気がした。その表情がレフラの不安を煽っていく。
「指を抜くから今度こそ、ちゃんと力を抜いていろ」
ほら、やっぱり。それは意地悪でも何でもなく。入れた以上は、仕方がない事だっただろうけど。だけどギガイは知って居たのだろう。それがレフラを追い詰めるには、十分な効果を持っている事を。
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