泡沫のゆりかご 一部・番外編 ~獣王の溺愛~

丹砂 (あかさ)

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第一部

陽光の中 13 ※

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言えなかったその言葉の先をきっとギガイは分かっている。

「4つ目を入れる為に慣らす必要があるだろう。指を広げるように出し入れしてみろ」

分かっていて、そしてレフラがその言葉を言えない事も知っていて「やってみろ」と告げたのだろう。その証拠に怯えに目を見開いたレフラに。

「私の為にも頑張れるだろう?」

素直に応じると確信しているような問いかけを、ギガイは優しい口付けと共に落としてきた。

たったそれだけで、抗う事は許されないままに「気持ちいい」とレフラは再度繰り返す。自分で内壁を抉る様に開いた指でそのまま内部を出し入れをさせられれば、数回の抜き差しだけでもうダメだった。

強い痺れのような快感が腰からぐずぐずと這い上がり、目の前が一瞬で白くなる。

「あっ!あーーッ!…あぁ!!」

張り詰めていた茎からも透明な液が吐き出され、レフラの身体が何度か跳ねた。急激に襲う脱力感に身体がシーツの上で解けていく。

「ちゃんと広げながらイケたな」

はぁはぁ、と荒い呼吸を繰り返すレフラの頭をギガイが何度も撫でてくる。焼き切れるような感覚で痺れた頭はどこか霞がかっていて、ただただレフラはぼんやりとギガイの手の感触を追いかけていた。

「今日は上手に感じている、良い子だ」

「…ほんとうですか……」

向けた視線の先。口角をわずかに上げて褒めてくれるギガイの声に、喜びが含まれているようだった。

御饌として子を成す事が求められているはずなのに。良い御饌であるように求められているはずなのに。ろくに相手を務める事ができていないせいで、いつだってレフラの中で燻り続けていた劣等感。それに加えて交わる時以外基本的に優しいギガイから毎日与えられる慈しみは、降り積もって、いつも申し訳なさを感じさせた。

そんな御饌として至らない自分がギガイを少しでも喜ばせる事が出来たのだとしたら、それはレフラにとってはものすごく嬉しい事だった。

「これならあと2つの玉も上手に飲み込んでしまえるだろう」

ギガイの手になぞられた後孔が、ピクピクと細かく震るえて口を開く。快感にいつになく緩んだ状態のせいで、途端に腹の奥がキュッと疼いて、溶け出したオイルが窄みの中央から零れ出す。いつもよりも解けている証だろう。レフラ自身が分泌する淫液と相まって粗相をしたようにシーツが濡れれば、羞恥はレフラの神経を焦げ付かしてしまいそうだった。

慌ててレフラが後孔の口を閉めるように力を込める。その動きが意図せずに、状態を確認していたギガイの指を強く銜え込んでしまい、痺れるような刺激に今度は力が抜けた。

「あぁ、やだぁ」

さらにコポッとオイルが零れ、ギガイの前で清潔に張られていたシーツにシミを広げてしまう。それだけでも慄いたレフラの心に追い打ちをかけるように、自然とギガイの指を誘い込むような動きとなってしまった後孔にギガイの指が潜り込んだ。

まだイッた直後で敏感すぎる内壁にはたったそれだけの刺激が辛い。それでも今日のレフラの身体は、レフラ自身の意思など全くお構いなしの状態なのだ。辛いと訴える心に反して、指の刺激を歓喜するように、内壁がギガイの指を蠢きながら舐っていった。
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