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天国でも地獄でもなくてノーティー・ワンらしいです 3
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(な、なんかやばいかも…)
ここは天国でも地獄でもなさそうだ。わたしは汗をだらだらと流した。観客席から早くやっちまえー!と声が聞こえる。
「わ、わたしは篠塚ゆづかです!日本でしがないOLをやってました!家で夕飯を食べてるときにトラックが突っ込んできて、それで、それでっ多分死んだんです!気がついたらここにいて、その、リアって人になってて、だから何も国の事とか状況なんてーー…んぐっ」
命の危機を感じわめきたてると、青髪君に顎をつかまれてしまう。
ガチンと口を閉じた為、舌を噛んでしまった。ヒリヒリと痛い。
「変なことばかり言いやがって…」
「おいラジ、まだ手を出すな」
ラジ、と呼ばれた青髪君はチッと舌打ちをした。
「カウルは手ぬるいんだよ!前代総長の娘だったからって遠慮してんだろ!もう前代もいない!これ以上好き勝手やられてたまるかってんだ!」
「フェンも落ち着け、まだ話の途中だ」
興奮している赤髪君も窘められる。
「落ち着いてるさ!これ以上議論などする必要がないほどこの女は悪だって言ってるんだよ。もう姫でもなんでもない。即刻制裁を加えるべきだ!」
じっとわたしを黙って見ていたカウルは、ふと碧眼の瞳を逸らすと「そうだな」と呟いた。
いや、待って。助けて。
慌てて周囲に助けを求めても、誰もが蔑んだ目でわたしを見て、見方になってくれそうな人はいなかった。
「よし、やれ」
カウルの号令で、男達が動き始めた。
「え、やだ、何?!なにするの?!痛ったあ!」
バイクにぐるぐる巻きにされていた縄が解かれ、わたしはどさっと石の上に落ちた。足首と手首は縛られたままで受け身が取れず、肩と腕を打ち頬を擦った。
「制裁ってなに?!待ってください、ほんとにわたしは何も…」
トラックが突っ込んできたときより恐怖を感じた。
体がブルブルと震え涙を滲じませると、周りがざわついた。
「お、おい、あのリア姫が泣いてるぜ…」
「騙されるな。こうやって媚びてくる姫に、何度も裏切られたんじゃないか」
「煩いぞこんなの演技だろ。往生際の悪い女だ。ったくこんな性悪が姫だなんてノーティ・ワンの恥だ」
青髪のラジは立てられていたバイクゆっくりと倒すとシートに跨がった。ブオンとエンジンがかけるとマフラーからの排気が金髪を揺らす。熱気に顔をしかめた。
足首の縄の先は、バイクにつながったままだ。
わたしは嫌な予感がしていた。
「引きずり回してやるよ」
振り返ったラジは冷たい瞳を向けた。ゾゾゾゾっと背筋が凍る。
いや、これはすでに制裁とかいう域じゃなくて死刑だ。石畳みたいなのじゃん。めちゃくちゃ痛いじゃん。え、絶対死ぬよね。せめて即死にしてください。この世界で死んだら今度はどこへ行くっていうの?
ラジがブォンブォンブォンと何度もエンジンをふかすと、闘技場だか処刑場だかわからないその場は熱狂に包まれた。
スポーツ観戦じゃないんだぞ。
女の子がバイクに引き摺られそうになってんのを、誰も止めずに喜んでるってどういう状況?!リアって人はどれだけ悪いことしたのよ。
っていうか、わたしはなんでこんなピンチな瞬間にこの子になってるの?!入れ替わり?転生?転生ならせめて赤ん坊からやり直させてくれればいいのに!
「やっやめて!!ほんとにわたしリアじゃないの!人違い!なんにもわかんないんだってば!」
必死に叫んでも誰も聞いてくれなかった。
カウルだけが、騒がずにじっとわたしを観察していた。
「そ、そうだ、わたしが別人だって証明してみせます!制裁は別の形で受け入れるから、痛いのはやめて!!」
「別人と証明するだと?どうやってだ。記憶が無いフリをすればいいだけじゃないのか」
フェンが鼻で笑った。
わたしが喚いてる間も、じりじりとバイクが進み縄のたわみがなくなってくる。やばい。マジで死ぬ。
えん罪は勘弁です。
「あっ、え、ええと、そうだ、奉仕をします!迷惑をかけていた国と皆さんに!城と国の為に一生懸命働きます!!」
喋っている時にすざっと足を引かれて顎を強打し、お腹を擦った。脳みそが揺れたきがしてすこし眩暈がした。
ぎゃはははと笑われる。
「~~~」
本気でやばい。すでにめちゃくちゃ痛い。
ここは天国でも地獄でもなさそうだ。わたしは汗をだらだらと流した。観客席から早くやっちまえー!と声が聞こえる。
「わ、わたしは篠塚ゆづかです!日本でしがないOLをやってました!家で夕飯を食べてるときにトラックが突っ込んできて、それで、それでっ多分死んだんです!気がついたらここにいて、その、リアって人になってて、だから何も国の事とか状況なんてーー…んぐっ」
命の危機を感じわめきたてると、青髪君に顎をつかまれてしまう。
ガチンと口を閉じた為、舌を噛んでしまった。ヒリヒリと痛い。
「変なことばかり言いやがって…」
「おいラジ、まだ手を出すな」
ラジ、と呼ばれた青髪君はチッと舌打ちをした。
「カウルは手ぬるいんだよ!前代総長の娘だったからって遠慮してんだろ!もう前代もいない!これ以上好き勝手やられてたまるかってんだ!」
「フェンも落ち着け、まだ話の途中だ」
興奮している赤髪君も窘められる。
「落ち着いてるさ!これ以上議論などする必要がないほどこの女は悪だって言ってるんだよ。もう姫でもなんでもない。即刻制裁を加えるべきだ!」
じっとわたしを黙って見ていたカウルは、ふと碧眼の瞳を逸らすと「そうだな」と呟いた。
いや、待って。助けて。
慌てて周囲に助けを求めても、誰もが蔑んだ目でわたしを見て、見方になってくれそうな人はいなかった。
「よし、やれ」
カウルの号令で、男達が動き始めた。
「え、やだ、何?!なにするの?!痛ったあ!」
バイクにぐるぐる巻きにされていた縄が解かれ、わたしはどさっと石の上に落ちた。足首と手首は縛られたままで受け身が取れず、肩と腕を打ち頬を擦った。
「制裁ってなに?!待ってください、ほんとにわたしは何も…」
トラックが突っ込んできたときより恐怖を感じた。
体がブルブルと震え涙を滲じませると、周りがざわついた。
「お、おい、あのリア姫が泣いてるぜ…」
「騙されるな。こうやって媚びてくる姫に、何度も裏切られたんじゃないか」
「煩いぞこんなの演技だろ。往生際の悪い女だ。ったくこんな性悪が姫だなんてノーティ・ワンの恥だ」
青髪のラジは立てられていたバイクゆっくりと倒すとシートに跨がった。ブオンとエンジンがかけるとマフラーからの排気が金髪を揺らす。熱気に顔をしかめた。
足首の縄の先は、バイクにつながったままだ。
わたしは嫌な予感がしていた。
「引きずり回してやるよ」
振り返ったラジは冷たい瞳を向けた。ゾゾゾゾっと背筋が凍る。
いや、これはすでに制裁とかいう域じゃなくて死刑だ。石畳みたいなのじゃん。めちゃくちゃ痛いじゃん。え、絶対死ぬよね。せめて即死にしてください。この世界で死んだら今度はどこへ行くっていうの?
ラジがブォンブォンブォンと何度もエンジンをふかすと、闘技場だか処刑場だかわからないその場は熱狂に包まれた。
スポーツ観戦じゃないんだぞ。
女の子がバイクに引き摺られそうになってんのを、誰も止めずに喜んでるってどういう状況?!リアって人はどれだけ悪いことしたのよ。
っていうか、わたしはなんでこんなピンチな瞬間にこの子になってるの?!入れ替わり?転生?転生ならせめて赤ん坊からやり直させてくれればいいのに!
「やっやめて!!ほんとにわたしリアじゃないの!人違い!なんにもわかんないんだってば!」
必死に叫んでも誰も聞いてくれなかった。
カウルだけが、騒がずにじっとわたしを観察していた。
「そ、そうだ、わたしが別人だって証明してみせます!制裁は別の形で受け入れるから、痛いのはやめて!!」
「別人と証明するだと?どうやってだ。記憶が無いフリをすればいいだけじゃないのか」
フェンが鼻で笑った。
わたしが喚いてる間も、じりじりとバイクが進み縄のたわみがなくなってくる。やばい。マジで死ぬ。
えん罪は勘弁です。
「あっ、え、ええと、そうだ、奉仕をします!迷惑をかけていた国と皆さんに!城と国の為に一生懸命働きます!!」
喋っている時にすざっと足を引かれて顎を強打し、お腹を擦った。脳みそが揺れたきがしてすこし眩暈がした。
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