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やっぱり異世界転生ってやつ?しかもめちゃくちゃ美人じゃないですか
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物珍しい建物と町並みそして壮大な景色に、わたしはキョロキョロと世話しなく視線を動かした。
先ほどまでいた場所はやはり闘技場だったらしく、国の警備隊の人たちが力を磨き合う場所なのだそうだ。
闘技場は城の直ぐ横にあった。
隣接する城はレンガと石造り。まるで古城だ。背後には山を背負い、深緑のツタが這う。
闘技場と城の間には河があった。城はぐるりと河で囲まれ、その河は橋を渡りきるとそこが入口だ。丸太のようなカンヌキを外し、数人で滑車を使いゆっくりと扉を動かすと、木製の大きな扉がギギギと音を立て上へと浮いて開いた。映画でも観ているようだ。
「すご…」
町並みは全体的に中世ヨーロッパのようなイメージなのに、みんなの服装は和服みたいだった。祭りのはっぴと着物の中間のようなデザインだ。
着物の襟部分はみんな花や幾何学模様、市松模様など派手で様々だ。モモヒキにさらしを巻いていて、なんとなく見ていると、その上に、はんてんのような形状の特攻服を羽織っている人たちが、ノーティ・ワンの警備隊らしい。
そのいくつもある警備隊を統括しているのが一番強いとされる総長、つまりカウルである。カウルは警備隊長兼、ノーティ・ワンという国の国王みたいなものだそうだ。
そして、争いが起こったときに最前線に一番最初に駆けてゆくのが特攻隊長である、青髪のラジ。特攻隊という主に戦いに秀でた人たちをまとめている。
そして隣国の情報などを探ったり、国内の情勢を把握したりするのが諜報部隊であり、それを仕切っているのは赤髪のフェンであった。
これは城まで戻る途中に、カウルが教えてくれたことである。
***
カウルは破れたワンピースに泥と血だらけのわたしを頭からつま先まで眺めると、落ち着いたら取り調べのようなものがあるから、とりあえずこぎれいにしてこいと、お風呂へ放った。
「いったあー…」
軽く腕にお湯をかけると傷に染みて体をぶるっとさせた。
石造りの大きなお風呂だ。古代ローマのテルマエまで豪華ではないが、旅館の大浴場くらいの立派さがあった。お湯は赤土を混ぜたようなオレンジと茶色の狭間のような色をしていて、薬品のような独特な匂いがする。
「温泉なのかな」
傷の痛みに耐えながら体を縮こませ、ちゃぷんと浸かる。おそるおそるゆっくりと腕や足を伸ばした。
ヒリヒリとする全身の力を抜くと、ふうと深いため息をついた。
(ーーーなんて一日だ)
もしかしてわたしは元々リアという人間で、頭を打っておかしくなっている間に見ていた夢が、日本での生活だったのではないかと思うほどここはリアルだった。なんど確かめても夢ではない。
確かにわたしは死んだと思ったのに、どうにもここは死後の世界には見えない。
だから実際は、あのトラックに轢かれるという出来事から、一日ではなくてもっと何年も過ぎているのかもしれない。
前世の記憶をもったまま転生をしたというのが一番しっくりきた。もしくは転生はしていたが急に前世の記憶が蘇ったとか?
不思議な世界なのになんで言葉が通じるのかと思ったが、みんなが日本語を話しているのではなく、わたしがこの国の言葉を理解出来ているだけのようだ。
風呂場には大きな鏡があった。改めて自身を確認すると、リアと呼ばれる娘はたいそう美人であった。10代だよなぁ?と首を傾げる。美しい金髪。透き通るような肌。所々黄色に光るブルーの瞳は小宇宙のように輝いていた。
前代、ようするに少し前まで一番偉かった人の娘、そしてこの容姿となれば調子にのってしまったのも頷ける。
物珍しい建物と町並みそして壮大な景色に、わたしはキョロキョロと世話しなく視線を動かした。
先ほどまでいた場所はやはり闘技場だったらしく、国の警備隊の人たちが力を磨き合う場所なのだそうだ。
闘技場は城の直ぐ横にあった。
隣接する城はレンガと石造り。まるで古城だ。背後には山を背負い、深緑のツタが這う。
闘技場と城の間には河があった。城はぐるりと河で囲まれ、その河は橋を渡りきるとそこが入口だ。丸太のようなカンヌキを外し、数人で滑車を使いゆっくりと扉を動かすと、木製の大きな扉がギギギと音を立て上へと浮いて開いた。映画でも観ているようだ。
「すご…」
町並みは全体的に中世ヨーロッパのようなイメージなのに、みんなの服装は和服みたいだった。祭りのはっぴと着物の中間のようなデザインだ。
着物の襟部分はみんな花や幾何学模様、市松模様など派手で様々だ。モモヒキにさらしを巻いていて、なんとなく見ていると、その上に、はんてんのような形状の特攻服を羽織っている人たちが、ノーティ・ワンの警備隊らしい。
そのいくつもある警備隊を統括しているのが一番強いとされる総長、つまりカウルである。カウルは警備隊長兼、ノーティ・ワンという国の国王みたいなものだそうだ。
そして、争いが起こったときに最前線に一番最初に駆けてゆくのが特攻隊長である、青髪のラジ。特攻隊という主に戦いに秀でた人たちをまとめている。
そして隣国の情報などを探ったり、国内の情勢を把握したりするのが諜報部隊であり、それを仕切っているのは赤髪のフェンであった。
これは城まで戻る途中に、カウルが教えてくれたことである。
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カウルは破れたワンピースに泥と血だらけのわたしを頭からつま先まで眺めると、落ち着いたら取り調べのようなものがあるから、とりあえずこぎれいにしてこいと、お風呂へ放った。
「いったあー…」
軽く腕にお湯をかけると傷に染みて体をぶるっとさせた。
石造りの大きなお風呂だ。古代ローマのテルマエまで豪華ではないが、旅館の大浴場くらいの立派さがあった。お湯は赤土を混ぜたようなオレンジと茶色の狭間のような色をしていて、薬品のような独特な匂いがする。
「温泉なのかな」
傷の痛みに耐えながら体を縮こませ、ちゃぷんと浸かる。おそるおそるゆっくりと腕や足を伸ばした。
ヒリヒリとする全身の力を抜くと、ふうと深いため息をついた。
(ーーーなんて一日だ)
もしかしてわたしは元々リアという人間で、頭を打っておかしくなっている間に見ていた夢が、日本での生活だったのではないかと思うほどここはリアルだった。なんど確かめても夢ではない。
確かにわたしは死んだと思ったのに、どうにもここは死後の世界には見えない。
だから実際は、あのトラックに轢かれるという出来事から、一日ではなくてもっと何年も過ぎているのかもしれない。
前世の記憶をもったまま転生をしたというのが一番しっくりきた。もしくは転生はしていたが急に前世の記憶が蘇ったとか?
不思議な世界なのになんで言葉が通じるのかと思ったが、みんなが日本語を話しているのではなく、わたしがこの国の言葉を理解出来ているだけのようだ。
風呂場には大きな鏡があった。改めて自身を確認すると、リアと呼ばれる娘はたいそう美人であった。10代だよなぁ?と首を傾げる。美しい金髪。透き通るような肌。所々黄色に光るブルーの瞳は小宇宙のように輝いていた。
前代、ようするに少し前まで一番偉かった人の娘、そしてこの容姿となれば調子にのってしまったのも頷ける。
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