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畑でおやつ。ピクニックみたいで最高だわ。4
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数日後。
どばしゃーん!と頭に降ってきたのは小魚やアメンボ、ついでに泥が少々含まれた川の水であった。
全身びしょ濡れである。
おでこから垂れる水草と、ポタポタと落ちる水滴を、髪をかき上げながら払い、わたしは目を据わらせた。
「ちくしょう…」
「あ?なんか言った?」
「いいえ、師匠」
水を大量に運ぶのは、リアの力を使うのが便利なのではないかと言われ、わたしは畑で修行をすることになった。
どうやらリアは魔力で天気を操れたらしい。雨を降らせることが出来る唯一の人間であった。
だからこそ奇跡だ、女神だともてはやされたわけだ。
1年の半分が乾季というこの国では、雨季に雨が少ないと農作物のうける影響は大きい。
ちょうど1年ほど前、日照りが続き大ダメージだったところ、リアに雨を召喚できないかとみんなで頼んだら、鼻で笑った彼女に海水を撒かれたという経緯だったらしい。
聞けば聞くほど最低なお姫様だ。
リアはなぜ、それ程までに自国を陥れようとしたのだろう。
そんなこんなで、水を運ぶなら自分でなんとかしろと言われてしまい、力の使い方もわからないわたしは修行をすることになった。
カウル曰く、魔力とは生まれもったもので体に染みついている。少し試していたら思い出すのではないかということだ。
修行も努力もしよう。
しかし、教えてくれる人が問題であった。いや、人には問題はない。師匠とわたしの相性に問題があったのだ。
幼いころ、リアの魔力の師匠はなんとフェンであった。フェンの憎しみは誰よりも深いと思っていたが、自分が教えた技術で国を傾けられたとなったならば、それは到底許すことなど出来ないだろう。
そして、この国一番の魔力の持ち主が姫に教えるのはまあ順当ではあった。しかし、今は他のどなたかにお願いをできないであろうか。
これを機会に和解できればというカウルの願望がすけて見え、チェンジと言いにくく、わたしはフェンからそれはもう愛憎のこもったご指導を、たんまりと賜っているわけである。
もう指導というかイビリに近い。
(やっぱり、カウルに教わりたい…)
肩に乗っていた蛙がぴょーんと飛び降りた。
何度教わっても、全然自分では上手く出来なくて、イライラとしているフェンに、「こうやるんだよ。前に教えただろ」といわれ水をかけられ続けて一時間ほど経つ。
すでにわたしが召喚した水ではなく、フェンの力によって降り注いだ水でこの畑は塩を抜くことができそうだ。冷えた体はどんどんと重さを増した。
(ーーーこ、ここ一番しんどい)
魔力というのは変に体力を消耗するようだ。
掃除より、土の掘り起こしより、300人分のスープをかき混ぜるより、よっぽど辛かった。
「ゆづか、大丈夫か?」
「具合悪そうだぞ」
最近仲良くなった畑の再開拓組が、周囲の畑で仕事をしながら見守っていてくれたが、見かねて声を掛けてくれた。
「あぁ?まだ何もやってねぇのに休憩とかいらねえだろ」
(それは確かにそうだ。でも欲しい魔力は1ミリもでてこないのに、何故か疲れるんです師匠)
「ここの世界の記憶がないんだ。すぐに出来なくてもしかたないさ。ほら、少し休憩しよう」
カウルも大丈夫かと肩をなでてくれた。みんなのフォローに、フェンは余計にイライラとしたようだ。
「カウル!今ここの責任者は俺だろ、勝手に決めるな!甘やかしすぎなんだよ!」
「フェンは厳しすぎだ。この娘がリアではなく、別人というのはなんとなくわかってきてるだろう?」
この間のおじさんに諭されて、フェンは口ごもった。
「俺達も休憩しよう」
カウルが声をかけると、「やったー」とみんなは喜んだ。そして期待に満ちた目をわたしに向けてきた。
「なぁゆづか!今日もおやつ、あるんだろ?」
「もちろん!」
それだけでわたしは元気がでる。
わたしは持って来ていたいくつかの籠を、みんなの前にどんと置いた。
数日後。
どばしゃーん!と頭に降ってきたのは小魚やアメンボ、ついでに泥が少々含まれた川の水であった。
全身びしょ濡れである。
おでこから垂れる水草と、ポタポタと落ちる水滴を、髪をかき上げながら払い、わたしは目を据わらせた。
「ちくしょう…」
「あ?なんか言った?」
「いいえ、師匠」
水を大量に運ぶのは、リアの力を使うのが便利なのではないかと言われ、わたしは畑で修行をすることになった。
どうやらリアは魔力で天気を操れたらしい。雨を降らせることが出来る唯一の人間であった。
だからこそ奇跡だ、女神だともてはやされたわけだ。
1年の半分が乾季というこの国では、雨季に雨が少ないと農作物のうける影響は大きい。
ちょうど1年ほど前、日照りが続き大ダメージだったところ、リアに雨を召喚できないかとみんなで頼んだら、鼻で笑った彼女に海水を撒かれたという経緯だったらしい。
聞けば聞くほど最低なお姫様だ。
リアはなぜ、それ程までに自国を陥れようとしたのだろう。
そんなこんなで、水を運ぶなら自分でなんとかしろと言われてしまい、力の使い方もわからないわたしは修行をすることになった。
カウル曰く、魔力とは生まれもったもので体に染みついている。少し試していたら思い出すのではないかということだ。
修行も努力もしよう。
しかし、教えてくれる人が問題であった。いや、人には問題はない。師匠とわたしの相性に問題があったのだ。
幼いころ、リアの魔力の師匠はなんとフェンであった。フェンの憎しみは誰よりも深いと思っていたが、自分が教えた技術で国を傾けられたとなったならば、それは到底許すことなど出来ないだろう。
そして、この国一番の魔力の持ち主が姫に教えるのはまあ順当ではあった。しかし、今は他のどなたかにお願いをできないであろうか。
これを機会に和解できればというカウルの願望がすけて見え、チェンジと言いにくく、わたしはフェンからそれはもう愛憎のこもったご指導を、たんまりと賜っているわけである。
もう指導というかイビリに近い。
(やっぱり、カウルに教わりたい…)
肩に乗っていた蛙がぴょーんと飛び降りた。
何度教わっても、全然自分では上手く出来なくて、イライラとしているフェンに、「こうやるんだよ。前に教えただろ」といわれ水をかけられ続けて一時間ほど経つ。
すでにわたしが召喚した水ではなく、フェンの力によって降り注いだ水でこの畑は塩を抜くことができそうだ。冷えた体はどんどんと重さを増した。
(ーーーこ、ここ一番しんどい)
魔力というのは変に体力を消耗するようだ。
掃除より、土の掘り起こしより、300人分のスープをかき混ぜるより、よっぽど辛かった。
「ゆづか、大丈夫か?」
「具合悪そうだぞ」
最近仲良くなった畑の再開拓組が、周囲の畑で仕事をしながら見守っていてくれたが、見かねて声を掛けてくれた。
「あぁ?まだ何もやってねぇのに休憩とかいらねえだろ」
(それは確かにそうだ。でも欲しい魔力は1ミリもでてこないのに、何故か疲れるんです師匠)
「ここの世界の記憶がないんだ。すぐに出来なくてもしかたないさ。ほら、少し休憩しよう」
カウルも大丈夫かと肩をなでてくれた。みんなのフォローに、フェンは余計にイライラとしたようだ。
「カウル!今ここの責任者は俺だろ、勝手に決めるな!甘やかしすぎなんだよ!」
「フェンは厳しすぎだ。この娘がリアではなく、別人というのはなんとなくわかってきてるだろう?」
この間のおじさんに諭されて、フェンは口ごもった。
「俺達も休憩しよう」
カウルが声をかけると、「やったー」とみんなは喜んだ。そして期待に満ちた目をわたしに向けてきた。
「なぁゆづか!今日もおやつ、あるんだろ?」
「もちろん!」
それだけでわたしは元気がでる。
わたしは持って来ていたいくつかの籠を、みんなの前にどんと置いた。
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