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米を食いたいのです!2
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なぜそんなにも、危険だと言われる森の奥地へ行きたいかというと、もちろん珍しい木の実やハーブにも興味があるが、それよりも何よりも、稲が取れるかもしれないと思ったからだ。
ある日、プーリーが作ったスープに少量であったが、米粒のような物が入っていた。古代米のような赤く染まった粒だ。
これはもしや米ではないかとプーリーに問い詰めると、随分前に警備隊が、珍しい植物を見つけたと、少量持ち帰ってきたものだそうだ。
小鳥が啄んでいたので、食べられると思ったらしい。
予想通り毒も無く、味も癖がないのはよかったのだが、肝心の調理方法に苦戦していた。
焼いても硬く美味しくないので、しばらく放置していたのだが、捨てるのも勿体ないので初めてスープに突っ込んでみた、という話だった。
わたしはそれを米だと確信した。稲を持ち帰り、栽培することが出来れば、茶碗いっぱいの米を掻き込むことも夢ではない。
「その、ゆづかの言う米ってやつ、あるといいなぁ」
「ええ、本当に最高なの!うまくいけば、この国の飢餓を救う救世主となるはずだわ!」
わたしは張り切って鼻息を荒くした。
******
プーリーとわたしの稲穂探しの遠征には、カウルと世話係のロットと、数人の警備隊が付き添ってくれた。
森にバイクで入るのは難しいため、城から馬で出発をした。バイクに乗るのは警備隊だけで、基本の移動は馬が多いらしい。わたしはカウルと一緒に乗せて貰ったのだが、馬に乗り慣れていなく、森へ着く前の数時間で、すでにお尻を痛めた。
馬は難しい。カウルの前に乗せて貰ったわけだが、どこに掴まり、どこに力を入れればよいのかわからなかった。カウルが後ろから腕で押さえてくれてはいたが、バイクの時のように後ろに乗せて貰い、しがみついた方が安定しそうだと思った。
森の入口に着くと、太陽が頭の上を過ぎていた。森へ入ればすぐに暗くなってしまうだろう。
日帰りは難しいため、一日、野営をすることになっている。麻でできたおおきなバックパックを背負い、馬を引いて森の中へと進んだ。
森を三時間ほど奥へ進むと、木々が開けた湿地帯に出る。そこは雨季に水が溜まり、乾季になると自然と水が捌けるところがある。
稲穂らしきものが採れるという、そこを目指した。
森の途中ではリスやキツネなど、元いた世界と変わらない野生動物を見ることが出来た。
食事は干し芋などの軽食は持ったが、基本は現地調達となる。
途中途中、プーリーに教わりながら木の実など収穫した。
「今日はこの辺りでやめておこう」
適当な場所を見つけると、真っ暗になってしまう前に野営を張ることになった。馬を木につなぎ、荷物を下ろすと水を飲ませた。
「んじゃあ、俺がメインの食料調達してきますよ」
警備隊の一人で、付いてきてくれたデフという男は、腹の出た毛むくじゃらの中年だ。白いくるくるの髪と髭に阻まれ顔は、半分ほどしか見えない。ギリシャ神話のゼウス神のような風貌だ。
警備隊というには機敏そうには見えないのだが、弓の名手らしく狩りに頼もしい存在ということで、今回同行してくれている。
デフは手をピンクに光らせ、黄金に光る矢を取り出す。
「でたよ。デフの金ピカの弓矢!ほんと趣味悪い」
一緒に来たカムがからかった。カムは膨よかなデフとは正反対のゴボウのようにひょろ長い男だ。紫の長い髪を1本の三つ編みにし、腰まで垂らしている。デフとは仲が良いらしく、道中もよくじゃれていた。
「バカヤロー武器ってのは自分を具現化した象徴!派手でなんぼだ!」
デフは豪快に笑い、目を光らせながら森の奥へと走っていった。
ある日、プーリーが作ったスープに少量であったが、米粒のような物が入っていた。古代米のような赤く染まった粒だ。
これはもしや米ではないかとプーリーに問い詰めると、随分前に警備隊が、珍しい植物を見つけたと、少量持ち帰ってきたものだそうだ。
小鳥が啄んでいたので、食べられると思ったらしい。
予想通り毒も無く、味も癖がないのはよかったのだが、肝心の調理方法に苦戦していた。
焼いても硬く美味しくないので、しばらく放置していたのだが、捨てるのも勿体ないので初めてスープに突っ込んでみた、という話だった。
わたしはそれを米だと確信した。稲を持ち帰り、栽培することが出来れば、茶碗いっぱいの米を掻き込むことも夢ではない。
「その、ゆづかの言う米ってやつ、あるといいなぁ」
「ええ、本当に最高なの!うまくいけば、この国の飢餓を救う救世主となるはずだわ!」
わたしは張り切って鼻息を荒くした。
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プーリーとわたしの稲穂探しの遠征には、カウルと世話係のロットと、数人の警備隊が付き添ってくれた。
森にバイクで入るのは難しいため、城から馬で出発をした。バイクに乗るのは警備隊だけで、基本の移動は馬が多いらしい。わたしはカウルと一緒に乗せて貰ったのだが、馬に乗り慣れていなく、森へ着く前の数時間で、すでにお尻を痛めた。
馬は難しい。カウルの前に乗せて貰ったわけだが、どこに掴まり、どこに力を入れればよいのかわからなかった。カウルが後ろから腕で押さえてくれてはいたが、バイクの時のように後ろに乗せて貰い、しがみついた方が安定しそうだと思った。
森の入口に着くと、太陽が頭の上を過ぎていた。森へ入ればすぐに暗くなってしまうだろう。
日帰りは難しいため、一日、野営をすることになっている。麻でできたおおきなバックパックを背負い、馬を引いて森の中へと進んだ。
森を三時間ほど奥へ進むと、木々が開けた湿地帯に出る。そこは雨季に水が溜まり、乾季になると自然と水が捌けるところがある。
稲穂らしきものが採れるという、そこを目指した。
森の途中ではリスやキツネなど、元いた世界と変わらない野生動物を見ることが出来た。
食事は干し芋などの軽食は持ったが、基本は現地調達となる。
途中途中、プーリーに教わりながら木の実など収穫した。
「今日はこの辺りでやめておこう」
適当な場所を見つけると、真っ暗になってしまう前に野営を張ることになった。馬を木につなぎ、荷物を下ろすと水を飲ませた。
「んじゃあ、俺がメインの食料調達してきますよ」
警備隊の一人で、付いてきてくれたデフという男は、腹の出た毛むくじゃらの中年だ。白いくるくるの髪と髭に阻まれ顔は、半分ほどしか見えない。ギリシャ神話のゼウス神のような風貌だ。
警備隊というには機敏そうには見えないのだが、弓の名手らしく狩りに頼もしい存在ということで、今回同行してくれている。
デフは手をピンクに光らせ、黄金に光る矢を取り出す。
「でたよ。デフの金ピカの弓矢!ほんと趣味悪い」
一緒に来たカムがからかった。カムは膨よかなデフとは正反対のゴボウのようにひょろ長い男だ。紫の長い髪を1本の三つ編みにし、腰まで垂らしている。デフとは仲が良いらしく、道中もよくじゃれていた。
「バカヤロー武器ってのは自分を具現化した象徴!派手でなんぼだ!」
デフは豪快に笑い、目を光らせながら森の奥へと走っていった。
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