オマエが俺の犬になるのなら

第35話 強引なキスはデフォルト？

なぜか昼休みのうちに浜井とも友だちになってしまい、今後はどれぐらい激しく絡んでくるのかと懸念していたトモだったが、その日は帰るときに挨拶があっただけ。

翌日も朝「トモ、おはよう！」との挨拶があったのみで、由良が昼ごはんを食べようと誘いに来たときも浜井は別のクラスメイトと売店へ行くようだった。

これぐらいならなんとか乗り切れるかも。

よしっ。
浜井がいないなら、由良がドSではないかの確認もやりやすそうだな。

「トモくん、早く屋上でごはん食べようよ」
「あぁ、悪い。行こう」

2人で屋上へ行き、トモはコンビニの袋から取り出した弁当を2つ並べた。

「どんな弁当がいいかが分からなかったから、ガッツリ飯系とミニ弁当。足りなければサンドイッチとおにぎり、スイーツもある」

「えええっ？！僕のために、こんなにたくさん？」
「いや、俺の分も含めてのコレな」

「うんうん、それはわかってるんだけど、もう嬉しくて！」

ふわふわと笑う由良はまるで柴犬。
撫でたい衝動が込み上げてきて、慌てて耐える。

でも由良が選択した弁当は
「僕、こっちがいい。いっぱい入ってるし」
ハンバーグにミックスフライ、パスタにポテサラが入ったガッツリ飯系。

「見た目は草食系なのに結構ガッツリ食べるんだな？」
「へへへ。食べるの好きだからね」

こうして由良の意外なところが見えてくると、昨日の強引なキスもデフォルトだったのではないかと思ってしまう。
早く食事を済ませて確かめなければ…。