オマエが俺の犬になるのなら

竹柏凪紗

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第42話 ウソだろ…?

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由良に乗っかられる感じでワシャツのボタンをすべて外され、トモが半泣き状態で
「ゆ、由良ぁっ!」
叫んだとき、屋上のドアを乱雑に開けたのは浜井結羽。

「由良っ!」

結羽の声に由良がビクっと反応して
「…ん?」
いつものワンコみたいな顔を向けた。

そしてすごすごとトモの上から撤退。

「あれ、ごめん、トモくん…」

ボーっとした様子で由良が謝って
「大丈夫か?由良」
結羽が由良の制服についたアスファルトの汚れを丁寧に落としていく。

いや、汚れてるのは俺のほうだろ。
俺の制服だよ。
お尻とか背中とか真っ白じゃねぇか!

…ってか、いつもの由良に戻った…?

な、何なんだよ…。
一体これは…、何なんだ?!

「トモも早くボタン留めたほうがいいぞ」

由良には過保護かと思うほど丁寧に汚れを落としてやっていた結羽にサラリと言われ、なんとなく癪に障るトモ。

「お前、俺には冷たくね?」
「いや…。だって、なんか関わってほしくないオーラ出してたから」
「いや、そうだけど。…っていうか、これ、どういうことだよ?由良って、二重人格なの?」

そう聞いたトモは、甘い香りの炭酸ジュースが頭のてっぺんから流れてくるのを感じて上を向いた。

「…ウソだろ…?」
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