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「時貞と何処か一緒に行きたいところ? そうだなあ……。あ、俺の実家の九州に行きたいかも。ばあちゃんが家を見てこいって五月蠅いし」
時間は深夜。遅くに帰宅した時貞は、ヒロトと一緒にバスルームへと向かい汗を流した。大きな大人の男二人が浸かっていても、程よいスペースのある大きな浴槽で、ヒロトと時貞は左右離れて浸かっている。互いの長い脚は互いの身体に触れていた。時貞はヒロトの白い足の指を口に咥えてしゃぶっているのだ。
「……そうか。じゃあ、週末に九州にでも行くか」
時貞からのいきなりの提案に「マジで!」と、満面の笑顔になるヒロトは嬉しそうに鼻歌を歌い出す。そんな鼻歌でさえ完璧な音階で、時貞は少し目を瞑って聞き入っていた。
「時貞は本当に俺の歌声が好きだよなあ……。フフフ、安心しろよ。俺はずっとお前の為に歌ってやるから」
ヒロトの子守歌がないと安眠出来ない時貞は、フッと目を細めて笑う。このカナリヤを失えば、また、悪夢にうなされる日々に逆戻りだ。時貞は過去に葬った人々の業を背負い生きている。ヒロトの歌う歌によって、汚れた自分が浄化されるような気になっていたが、そんな束の間の安息はもう直ぐ消え去るのだ。
「子守歌の前に、お前の甘い声を聞かせろ。いやらしく発情した声をな……」
時貞の長い足はヒロトの男根を刺激する。足の指で撫でるように男根を上下に擦られ「んぁ……」と声を漏らすヒロトは、発情したメスの顔になっていた。
「ああ……、本当にお前は……! コッチに来い。自分で入れてみろ」
時貞の巨大な肉棒は水上からでも確認出来る程に立ち上がっていた。それを見てゴクリと喉を鳴らすヒロトは、身体をゆっくりと動かして時貞を跨ぐ様に中腰になる。そっと時貞の肉棒に手を添えて、ゆっくりと自身の後孔を沈めていくヒロトは、パクパクと小さく口を開けながら恍惚とした表情を見せていた。
「どうだ……? うまいか?」
時貞の問いかけに「……うん」と返事をするヒロトは、素直に時貞から与えられる快楽を受け入れるようになっていた。しかし、ヒロトが性的に反応する男は時貞だけであり、普段は女性に対しての性的欲求を持っている。その不安定な狭間で一時期は悩みもしたが、今では時貞との関係を「性別を超越したもの」として受け入れていた。
ヒロトは馴れたように腰を上下に動かして、時貞の男根の感触を堪能する。パチャパチャと水面が音を立てて揺れ、ヒロトの甘い吐息をかき消す。
時貞もゆっくりと腰を突き上げ、ヒロトは「んぁ……」と声を漏らした。ヒロトの身体に張り付いた長い金髪を、時貞はグッと束にして掴み持ち上げる。時貞の目の前にはヒロトの白い首が姿を現し、動脈がドクドクと震えていた。その動脈沿いに舌を滑らせる時貞は、そのまま顎に進み、顎を甘噛みしてから唇を奪う。
上下で繋がった二人は、その両方で激しく絡み合う。
世界で何かが今起ころうとも、二人にはとっては全てどうでもいいことになった。繋がり交わり、性器を通して溶け合う。何方がどちらか分からない程に激しく絡み合う二人の行為は、翌日の朝まで続くのだった。
****
週末に羽田から九州の某空港に飛び立った二人は、機内ではファーストクラスに座っている。時貞はいつもスーツ姿ではなく、ラフな私服のジーンズに、長袖のシックな色合いのTシャツを着ている。鋭い目つきを隠すためか伊達眼鏡を掛けており、いつもより数倍優しい雰囲気だった。髪型もかっちりとセットしていないので、少し若く見える。
時貞にすればいつもの風景だが、ヒロトにとっては初のファーストクラスであり、飛行機に乗ることさえも初めてだったのだ。
「しっかし……、飛行機も初めてとは。お前は九州の田舎からどうやって東京に出てきたんだ?」
席でスチュワーデスから出された有名茶葉の煎茶を飲んでいる時貞に、「ジジ臭い」と言うヒロトは、時貞の質問に恥ずかしそうに答える。
「飛行機代なんて、貧乏な高校卒業したての俺に出せるわけねえだろ? 青春十八切符っていう電車乗り放題の切符があるんだ。それを使って九州から東京まで鈍行列車で行ったんだよ」
窓に張り付いて上空の景色を見るヒロトは子供の様な笑顔を見せていた。それを眩しいモノでも見るように目を細めて見ている時貞は、そっとアームレストに置かれているヒロトの手の上に自分の手を重ねる。指を絡み合わせてギュッと握られた手を見るヒロトは、少し頭を斜めに傾け「どうかしたのか?」と尋ねた。
「何もねえよ……。ただ、ヤリたくなっただけだ」
時貞の発言に耳まで顔を赤くしたヒロトは、「ちょ、マジで止めろって! 人目があるんだから……」と、恥ずかしそうに少し離れた所で立っていたスチュワーデスを見るのだった。
この旅に厳つい男達は誰も周りを固めていない。組の者を誰一人連れて行かなかった時貞は、ヒロトと二人だけの時間を楽しみたかったのだった。時貞とヒロトだけの最後の時間を思い出に刻むために……。
時間は深夜。遅くに帰宅した時貞は、ヒロトと一緒にバスルームへと向かい汗を流した。大きな大人の男二人が浸かっていても、程よいスペースのある大きな浴槽で、ヒロトと時貞は左右離れて浸かっている。互いの長い脚は互いの身体に触れていた。時貞はヒロトの白い足の指を口に咥えてしゃぶっているのだ。
「……そうか。じゃあ、週末に九州にでも行くか」
時貞からのいきなりの提案に「マジで!」と、満面の笑顔になるヒロトは嬉しそうに鼻歌を歌い出す。そんな鼻歌でさえ完璧な音階で、時貞は少し目を瞑って聞き入っていた。
「時貞は本当に俺の歌声が好きだよなあ……。フフフ、安心しろよ。俺はずっとお前の為に歌ってやるから」
ヒロトの子守歌がないと安眠出来ない時貞は、フッと目を細めて笑う。このカナリヤを失えば、また、悪夢にうなされる日々に逆戻りだ。時貞は過去に葬った人々の業を背負い生きている。ヒロトの歌う歌によって、汚れた自分が浄化されるような気になっていたが、そんな束の間の安息はもう直ぐ消え去るのだ。
「子守歌の前に、お前の甘い声を聞かせろ。いやらしく発情した声をな……」
時貞の長い足はヒロトの男根を刺激する。足の指で撫でるように男根を上下に擦られ「んぁ……」と声を漏らすヒロトは、発情したメスの顔になっていた。
「ああ……、本当にお前は……! コッチに来い。自分で入れてみろ」
時貞の巨大な肉棒は水上からでも確認出来る程に立ち上がっていた。それを見てゴクリと喉を鳴らすヒロトは、身体をゆっくりと動かして時貞を跨ぐ様に中腰になる。そっと時貞の肉棒に手を添えて、ゆっくりと自身の後孔を沈めていくヒロトは、パクパクと小さく口を開けながら恍惚とした表情を見せていた。
「どうだ……? うまいか?」
時貞の問いかけに「……うん」と返事をするヒロトは、素直に時貞から与えられる快楽を受け入れるようになっていた。しかし、ヒロトが性的に反応する男は時貞だけであり、普段は女性に対しての性的欲求を持っている。その不安定な狭間で一時期は悩みもしたが、今では時貞との関係を「性別を超越したもの」として受け入れていた。
ヒロトは馴れたように腰を上下に動かして、時貞の男根の感触を堪能する。パチャパチャと水面が音を立てて揺れ、ヒロトの甘い吐息をかき消す。
時貞もゆっくりと腰を突き上げ、ヒロトは「んぁ……」と声を漏らした。ヒロトの身体に張り付いた長い金髪を、時貞はグッと束にして掴み持ち上げる。時貞の目の前にはヒロトの白い首が姿を現し、動脈がドクドクと震えていた。その動脈沿いに舌を滑らせる時貞は、そのまま顎に進み、顎を甘噛みしてから唇を奪う。
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席でスチュワーデスから出された有名茶葉の煎茶を飲んでいる時貞に、「ジジ臭い」と言うヒロトは、時貞の質問に恥ずかしそうに答える。
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「何もねえよ……。ただ、ヤリたくなっただけだ」
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