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第6話 当主代理の決断
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居間は、集った家族が茶を嗜んだりして寛ぐための部屋である。
広々とした間取りの縦長の空間に、銀糸で刺繍が施された純白のカーペットが敷かれている。窓に掛けられているカーテンも白く、天井から注がれる照明の光も白いため、屋内なのにまるで太陽の下にいるかのように明るい部屋に見えた。
アヴィル家の者が身に着けている衣服もそうだが、屋敷も家財道具も用いる色に『白』を選んでいるのは、彼ら──竜人ケテル種の象徴色が白だからである。
竜人には、全部で十の種が存在する。それぞれの種には種の象徴である『色』と『宝石』が割り当てられており、ケテル種に与えられている色は白だというわけだ。
因みに、種の象徴色は彼らの髪や肌、瞳の色でもある。人間は黄色系の肌に黒髪か茶髪を持つのが一般的だが、竜人の場合は全身に種の象徴色が表れているため、一目で人間か竜人か、またどの種であるのかが分かるのだ。
テーブルの中央に飾られている花の色も白。花瓶も白。色があるのは部屋を出入りするための扉と皿の上に大量に盛られている紅茶葉のマフィンくらいのものだろう。
茶菓子の前には、背中を丸めて涙目でマフィンを頬張っているナギと、テーブルを挟んで彼の反対側の席に座っているウル、そしてウルの左隣にティーカップを右手に腰掛けている男の姿がある。
身に纏った宮廷装束が浮きそうなほどに、やけに短く髪を刈った──まるで手入れしたばかりの芝生のような頭をした男だ。年の頃は、若いことは若いがナギやウルと比較すると若干齢を重ねている雰囲気に見える。目元に微妙に皺が刻まれているのは、年齢のせいなのかそれとも日頃からの苦労によるものなのか……何処か疲れているように見えなくもない、そんな人物だ。
彼はミラが居間に入ってくるなり、伏せていた視線を持ち上げて彼女の方を見た。
「ああ、風呂が済んだのか。まだ夕飯ができるまで少し時間がかかる、君も軽くお茶にするだろう?」
「あ、は、はい。頂きます。ファズさん」
「うわぁあああんミラちゃぁぁぁぁん!」
ミラがナギの右隣の席に座るなり、それまで両手に持ったマフィンに齧りついていたナギが涙声を上げて彼女にひしっと抱きついてきた。
先程地面に転がされて泥だらけになっていた服は着替えたらしく、デザインの異なるシャツとズボンを身に着けている。派手に着崩しているのは相変わらずだが。
「ねぇ聞いてよ! シュイの奴がさぁ!」
「こら、ナギ。ミラちゃんに抱きついていいって誰が言ったの。駄目でしょ、セトの許可なくそんなことしちゃ」
ナギの様子を眺めながらウルが呟く。目隠しのせいで顔が半分近く隠れているため傍目からでは表情の変化が分かりづらいのだが、それでも言葉のニュアンスなどから彼が呆れている様子が読み取れる。
「だってぇぇぇ」
「駄目なものは駄目。めっ」
「うぅ……」
子供のように駄々を捏ねるナギをやんわりと叱るウル。
ナギは納得していなさそうではあったが、セトからの制裁を食らうのは流石に嫌だったのか、渋々と腕の中のミラを開放した。
ファズは溜め息を漏らしながら、新しい紅茶を淹れたティーカップをミラの目の前に置いた。ソーサーには白い角砂糖が三つ、ティースプーンと一緒に載せられている。
「ミラちゃんは、紅茶には角砂糖三個だったよな」
「あ、ありがとうございます」
個人の嗜好をしっかりと覚えてくれているファズは、流石アヴィル家当主代理の任を任されているだけあってしっかりしている。
そのようなことを考えながら、ミラは角砂糖を紅茶の中に落とした。
不純物の少ない白砂糖というものは、庶民の間で使われている黒砂糖の倍近い値段がする。含まれている栄養素は精製せずに作る黒砂糖の方が多いとも言われているが、白砂糖の方が見栄えが良いため上流階級の者に愛されているのだ。
因みに、ミラは超が付くほどの甘党で、とにかく甘いものに目がない。アヴィル家にミラが来てから、消費する砂糖の量が三倍になったらしいが……それはさておき。
「ミラちゃん。セトから頼まれていた、君の実家の薬屋にやる人手の件なんだが」
かちゃ、と手元のソーサーにティーカップを置いて、ファズが静かな口調で話を切り出した。
「君さえ良ければ、斡旋所の方で本格的に求人募集を出そうと考えているんだが。賃金の方はアヴィル家で負担するし、雇用主の名義は俺にするつもりだから、雇用に関しては君に一切の負担はかからない。雇用人に仕事の内容を教える時だけ、君の手を借りることになるが……どうだろう」
斡旋所とは、庶民に仕事の斡旋を行ったり経営者に人材を紹介する仲介の役割を担っている施設である。経営は町村単位で独立して行われているが、余程辺境で寂れた集落とかでもない限りは基本的に何処にでも存在している。
日雇いの仕事から、長期雇用の仕事まで。力仕事から事務仕事、接客業まで。小さな個人商店から大きな商会が経営する大店、時には上流階級の家が執事や女中を探す時にも利用されている施設だ。広報力は折り紙つきなので、この町一番の名家でもあるアヴィル家が人材を募集していると情報が拡散すれば、すぐにでもそれは大勢の人々に知られることとなるだろう。
「業務内容は店の経営と農作業。雇用条件はある程度薬草か農業に関する知識を持っており、最低限の計算ができる者。経験者優遇。だが何より信頼して店の経営と畑の管理を任せられる者。給与は日当二百ルッツ……こんな感じで考えている。もちろん、君が希望するなら、雇用する者は君が直々に面接を行って選んでもいい。他にも追加してほしい条件があったらそのように求人広告を作るが」
「うん、いいんじゃない? 俺はそれで問題はないと思うけど」
のんびりと自分の紅茶を飲みながらウルが相槌を打っている。
それに対して異を唱えたのはミラだ。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい」
彼女はうっかり噴き出しかけて顎に垂らした紅茶を掌で拭いながら、丸くなった目でファズを凝視した。
「日当二百ルッツって……それは流石に払いすぎですよ! 相場の何倍すると思ってるんですか!」
ルッツとは、この国で使用されている通貨の単位である。
貨幣の種類は五種類。鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨に分類され、鉄貨一枚で一ルッツとして数えられる。鉄貨十枚で銅貨一枚となり、銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨十枚で金貨一枚、金貨十枚で白金貨と同レートとなる。
一般的な四人家族の平民の家庭では、一カ月……三十日で千ルッツ、つまり金貨一枚分の収入があれば食費等諸々の経費を賄って暮らしていくことができる。千ルッツは庶民が一般的な仕事に就労して月に二十日間働いたとして、よほど賃金の低い仕事でもない限りは手にできるだろう、そのくらいの金額だ。
以上のことを踏まえると、今ファズが提示した金額が如何に桁外れでぶっとんでいるものなのかがよく分かる。五日間働けば、それで一カ月分の収入が得られてしまうということなのだから。これはミラが狼狽するのも無理はない。
しかしファズは、特に訝しがる様子もなく落ち着いた言葉を返してくる。
「俺は妥当だと思うけどな。……いいかい、ミラちゃん。有能な人材を雇い入れて長く自分の下で働いてもらうためには、その価値に見合った対価を支払うべきだと俺は思っている。安い賃金では、本当に有能な者は雇われてくれない。自分を安く買い叩かれて使い潰されると分からない奴しか来てくれないんだよ。それじゃ店の価値も落ちるばかりだ。分かるか?」
末永く続く商いをするためには、初期投資をケチってはいけないのだと彼は語る。
経費を如何に低く抑えるかも商売人としては重要なこと。しかし資産を築くために敢えて莫大な投資をする決断を下せるようになることも商売人には必要なスキルなのだという。
誰だって綺麗に整えられていて品揃えが良くて接客態度が良い店員が働いている店の方が気分良く買い物ができるし、また来たいと思えるだろう? そういうことなのだ。
「薬の調合技術なんかの専門知識は、そう簡単に会得できるものじゃない。あのシュイが言うくらいだから相当のものなんだろう。その専門知識を持った者を雇おうとしているんだから、むしろこの程度の賃金じゃ安いくらいだ。だからこの雇用条件は妥当なところだろう。君だって、生半可な技能しか持っていない奴なんかよりも、信頼できる技能を持った奴に自分の店を任せたいだろう?」
「それは……その……欲を言えばそうなんですけど……」
「だったら何も問題はないじゃないか。この条件で求人募集を出そう。書類を作るが、構わないな?」
ファズもセトを始めとする他の兄弟たち同様ミラに対しては甘いところがあるが、物事に応じてしっかりと線引きができる人物である。アヴィル家の本来の当主から当主代理の役を任されるに相応しい責任能力を持っているだけではない、商売人としての顔も持っている彼は、資産を運用して利益を上げる才に誰よりも長けているのだ。その彼がここまで断言するのだから、この決断に間違いはないのだろう。
皆が異論がないのならそれでいい、とミラが同意しようとした、その時。
「わぁあああああッ!?」
屋敷の何処かで、建物全体を揺るがす──ほどではないが、何かが爆発するような激しい音が響いたのだった。
広々とした間取りの縦長の空間に、銀糸で刺繍が施された純白のカーペットが敷かれている。窓に掛けられているカーテンも白く、天井から注がれる照明の光も白いため、屋内なのにまるで太陽の下にいるかのように明るい部屋に見えた。
アヴィル家の者が身に着けている衣服もそうだが、屋敷も家財道具も用いる色に『白』を選んでいるのは、彼ら──竜人ケテル種の象徴色が白だからである。
竜人には、全部で十の種が存在する。それぞれの種には種の象徴である『色』と『宝石』が割り当てられており、ケテル種に与えられている色は白だというわけだ。
因みに、種の象徴色は彼らの髪や肌、瞳の色でもある。人間は黄色系の肌に黒髪か茶髪を持つのが一般的だが、竜人の場合は全身に種の象徴色が表れているため、一目で人間か竜人か、またどの種であるのかが分かるのだ。
テーブルの中央に飾られている花の色も白。花瓶も白。色があるのは部屋を出入りするための扉と皿の上に大量に盛られている紅茶葉のマフィンくらいのものだろう。
茶菓子の前には、背中を丸めて涙目でマフィンを頬張っているナギと、テーブルを挟んで彼の反対側の席に座っているウル、そしてウルの左隣にティーカップを右手に腰掛けている男の姿がある。
身に纏った宮廷装束が浮きそうなほどに、やけに短く髪を刈った──まるで手入れしたばかりの芝生のような頭をした男だ。年の頃は、若いことは若いがナギやウルと比較すると若干齢を重ねている雰囲気に見える。目元に微妙に皺が刻まれているのは、年齢のせいなのかそれとも日頃からの苦労によるものなのか……何処か疲れているように見えなくもない、そんな人物だ。
彼はミラが居間に入ってくるなり、伏せていた視線を持ち上げて彼女の方を見た。
「ああ、風呂が済んだのか。まだ夕飯ができるまで少し時間がかかる、君も軽くお茶にするだろう?」
「あ、は、はい。頂きます。ファズさん」
「うわぁあああんミラちゃぁぁぁぁん!」
ミラがナギの右隣の席に座るなり、それまで両手に持ったマフィンに齧りついていたナギが涙声を上げて彼女にひしっと抱きついてきた。
先程地面に転がされて泥だらけになっていた服は着替えたらしく、デザインの異なるシャツとズボンを身に着けている。派手に着崩しているのは相変わらずだが。
「ねぇ聞いてよ! シュイの奴がさぁ!」
「こら、ナギ。ミラちゃんに抱きついていいって誰が言ったの。駄目でしょ、セトの許可なくそんなことしちゃ」
ナギの様子を眺めながらウルが呟く。目隠しのせいで顔が半分近く隠れているため傍目からでは表情の変化が分かりづらいのだが、それでも言葉のニュアンスなどから彼が呆れている様子が読み取れる。
「だってぇぇぇ」
「駄目なものは駄目。めっ」
「うぅ……」
子供のように駄々を捏ねるナギをやんわりと叱るウル。
ナギは納得していなさそうではあったが、セトからの制裁を食らうのは流石に嫌だったのか、渋々と腕の中のミラを開放した。
ファズは溜め息を漏らしながら、新しい紅茶を淹れたティーカップをミラの目の前に置いた。ソーサーには白い角砂糖が三つ、ティースプーンと一緒に載せられている。
「ミラちゃんは、紅茶には角砂糖三個だったよな」
「あ、ありがとうございます」
個人の嗜好をしっかりと覚えてくれているファズは、流石アヴィル家当主代理の任を任されているだけあってしっかりしている。
そのようなことを考えながら、ミラは角砂糖を紅茶の中に落とした。
不純物の少ない白砂糖というものは、庶民の間で使われている黒砂糖の倍近い値段がする。含まれている栄養素は精製せずに作る黒砂糖の方が多いとも言われているが、白砂糖の方が見栄えが良いため上流階級の者に愛されているのだ。
因みに、ミラは超が付くほどの甘党で、とにかく甘いものに目がない。アヴィル家にミラが来てから、消費する砂糖の量が三倍になったらしいが……それはさておき。
「ミラちゃん。セトから頼まれていた、君の実家の薬屋にやる人手の件なんだが」
かちゃ、と手元のソーサーにティーカップを置いて、ファズが静かな口調で話を切り出した。
「君さえ良ければ、斡旋所の方で本格的に求人募集を出そうと考えているんだが。賃金の方はアヴィル家で負担するし、雇用主の名義は俺にするつもりだから、雇用に関しては君に一切の負担はかからない。雇用人に仕事の内容を教える時だけ、君の手を借りることになるが……どうだろう」
斡旋所とは、庶民に仕事の斡旋を行ったり経営者に人材を紹介する仲介の役割を担っている施設である。経営は町村単位で独立して行われているが、余程辺境で寂れた集落とかでもない限りは基本的に何処にでも存在している。
日雇いの仕事から、長期雇用の仕事まで。力仕事から事務仕事、接客業まで。小さな個人商店から大きな商会が経営する大店、時には上流階級の家が執事や女中を探す時にも利用されている施設だ。広報力は折り紙つきなので、この町一番の名家でもあるアヴィル家が人材を募集していると情報が拡散すれば、すぐにでもそれは大勢の人々に知られることとなるだろう。
「業務内容は店の経営と農作業。雇用条件はある程度薬草か農業に関する知識を持っており、最低限の計算ができる者。経験者優遇。だが何より信頼して店の経営と畑の管理を任せられる者。給与は日当二百ルッツ……こんな感じで考えている。もちろん、君が希望するなら、雇用する者は君が直々に面接を行って選んでもいい。他にも追加してほしい条件があったらそのように求人広告を作るが」
「うん、いいんじゃない? 俺はそれで問題はないと思うけど」
のんびりと自分の紅茶を飲みながらウルが相槌を打っている。
それに対して異を唱えたのはミラだ。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい」
彼女はうっかり噴き出しかけて顎に垂らした紅茶を掌で拭いながら、丸くなった目でファズを凝視した。
「日当二百ルッツって……それは流石に払いすぎですよ! 相場の何倍すると思ってるんですか!」
ルッツとは、この国で使用されている通貨の単位である。
貨幣の種類は五種類。鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨に分類され、鉄貨一枚で一ルッツとして数えられる。鉄貨十枚で銅貨一枚となり、銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨十枚で金貨一枚、金貨十枚で白金貨と同レートとなる。
一般的な四人家族の平民の家庭では、一カ月……三十日で千ルッツ、つまり金貨一枚分の収入があれば食費等諸々の経費を賄って暮らしていくことができる。千ルッツは庶民が一般的な仕事に就労して月に二十日間働いたとして、よほど賃金の低い仕事でもない限りは手にできるだろう、そのくらいの金額だ。
以上のことを踏まえると、今ファズが提示した金額が如何に桁外れでぶっとんでいるものなのかがよく分かる。五日間働けば、それで一カ月分の収入が得られてしまうということなのだから。これはミラが狼狽するのも無理はない。
しかしファズは、特に訝しがる様子もなく落ち着いた言葉を返してくる。
「俺は妥当だと思うけどな。……いいかい、ミラちゃん。有能な人材を雇い入れて長く自分の下で働いてもらうためには、その価値に見合った対価を支払うべきだと俺は思っている。安い賃金では、本当に有能な者は雇われてくれない。自分を安く買い叩かれて使い潰されると分からない奴しか来てくれないんだよ。それじゃ店の価値も落ちるばかりだ。分かるか?」
末永く続く商いをするためには、初期投資をケチってはいけないのだと彼は語る。
経費を如何に低く抑えるかも商売人としては重要なこと。しかし資産を築くために敢えて莫大な投資をする決断を下せるようになることも商売人には必要なスキルなのだという。
誰だって綺麗に整えられていて品揃えが良くて接客態度が良い店員が働いている店の方が気分良く買い物ができるし、また来たいと思えるだろう? そういうことなのだ。
「薬の調合技術なんかの専門知識は、そう簡単に会得できるものじゃない。あのシュイが言うくらいだから相当のものなんだろう。その専門知識を持った者を雇おうとしているんだから、むしろこの程度の賃金じゃ安いくらいだ。だからこの雇用条件は妥当なところだろう。君だって、生半可な技能しか持っていない奴なんかよりも、信頼できる技能を持った奴に自分の店を任せたいだろう?」
「それは……その……欲を言えばそうなんですけど……」
「だったら何も問題はないじゃないか。この条件で求人募集を出そう。書類を作るが、構わないな?」
ファズもセトを始めとする他の兄弟たち同様ミラに対しては甘いところがあるが、物事に応じてしっかりと線引きができる人物である。アヴィル家の本来の当主から当主代理の役を任されるに相応しい責任能力を持っているだけではない、商売人としての顔も持っている彼は、資産を運用して利益を上げる才に誰よりも長けているのだ。その彼がここまで断言するのだから、この決断に間違いはないのだろう。
皆が異論がないのならそれでいい、とミラが同意しようとした、その時。
「わぁあああああッ!?」
屋敷の何処かで、建物全体を揺るがす──ほどではないが、何かが爆発するような激しい音が響いたのだった。
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