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一年前
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九州遠征を見事に成功させたミカ達は、意気揚々と凱旋した。
美月は去勢手術をしたばかりで帯同しなかったが、一行が帰ってきた頃には痛みもかなりマシになっており、部屋から出てきて出迎えた。
「お疲れ様です。
皆さん」
「美月ちゃん、大丈夫なの?」
久美子が心配そうに声をかけると
「はい。
だいぶ良くなりました。」
と、美月は笑顔で答えた。
「美月も連れていってあげたかったなあ。」
ミカは、美月の肩に手を置き笑って言った。
「配信で見させていだだきました。
熊子との一戦、本当にすごかったです!
いや、皆さんの試合、全部が凄すぎて、めちゃくちゃ感動しました。」
「殺されるかと思ったけどね。
何とか勝てたわ。
次やったら多分負けると思うけど。」
「次はないよ。
もうあそことの団体とは試合をしないわ。」
久美子は険しい表情で皆に向かって言った。
「あそこも数少ないニューハーフの団体同士なんだから、もう少し考えた興行をすればいいのに。」
サオリが言うと、久美子は首を横に振った。
「ウチとはプロレスに対する概念も違えば、スローガンも違うわ。
いえ、そんなものは最初から何も持ってないんでしょうけどね。」
「まずは美しくないとね。」
美容番長のアキがニヤッと笑って言った。
「ミサト、今日はもういいから、美月と部屋で女子トークでもしてきなよ。」
「いいんですか、ミカさん。」
「うん。
美月も一人で寂しかっただろうしね。」
「ありがとうございます。
美月ちゃん、行こ。」
ミサトは美月の背中に手を添えると、寄り添うように二階に上がっていった。
美月は去勢手術をしたばかりで帯同しなかったが、一行が帰ってきた頃には痛みもかなりマシになっており、部屋から出てきて出迎えた。
「お疲れ様です。
皆さん」
「美月ちゃん、大丈夫なの?」
久美子が心配そうに声をかけると
「はい。
だいぶ良くなりました。」
と、美月は笑顔で答えた。
「美月も連れていってあげたかったなあ。」
ミカは、美月の肩に手を置き笑って言った。
「配信で見させていだだきました。
熊子との一戦、本当にすごかったです!
いや、皆さんの試合、全部が凄すぎて、めちゃくちゃ感動しました。」
「殺されるかと思ったけどね。
何とか勝てたわ。
次やったら多分負けると思うけど。」
「次はないよ。
もうあそことの団体とは試合をしないわ。」
久美子は険しい表情で皆に向かって言った。
「あそこも数少ないニューハーフの団体同士なんだから、もう少し考えた興行をすればいいのに。」
サオリが言うと、久美子は首を横に振った。
「ウチとはプロレスに対する概念も違えば、スローガンも違うわ。
いえ、そんなものは最初から何も持ってないんでしょうけどね。」
「まずは美しくないとね。」
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「ミサト、今日はもういいから、美月と部屋で女子トークでもしてきなよ。」
「いいんですか、ミカさん。」
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ミサトは美月の背中に手を添えると、寄り添うように二階に上がっていった。
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