美少女救済作戦~30歳男、異世界TS転生で美少女チート勇者になり、 美少女救済に立ち上がってみる

MINATSUKI

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38 マミ マリンに戦いを挑まれる (3)

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***
 
 
 マリンが、「…わたしが高まれば…、…無限の空間も、
高まる…??」と、どうしようもなく戸惑ってしまって。
マミが、「…自分だけを高めようとしても、いけない。
自分を放っといて、無限の空間の方を高めようとしても、いけない。
両方を共鳴させて同時に高め合っていく。
…とにかく、イメージしてみて……!!」と。
 
 マリンが、納得出来ないまま、「…イメージして、みます…!!!!」と、
とにかく瞳を閉じて、両拳を軽く握りしめて、
「…わたしと…無限の空間が…共鳴…!!!!、…わたしと…無限の空間が…
共鳴…!!!!、…わたしと…無限の空間が…共鳴…!!!!」と、
懸命に、マリン自身に言い聞かせてみる。
 
 少しずつ、マリンの表情が、静かになっていく。「…そうか、
ライバルと向き合うみたいに…!、格闘友達と向き合うみたいに…!、
一緒に強くなろうって、向き合うみたいに…!、
無限の空間と、向き合う…!!!!!」
 
 マリンの周囲に、静かに、闘気に似た超次元波動が、渦を巻いていく。
ヴェリアの加護を普段無意識に子宮で受け止めている様に、
超次元波動を子宮で受け止め、共鳴させながら、マリン自身の闘気波動を、
両拳から、両足の親指の付け根から、子宮へと、渦を巻かせて伝わせながら、
高めていく。
 
 最初にマリンがマミと向き合って闘気を高めた時、
無意識に出来かけていて、闘気がコントロール出来ないのを
自覚したとたんに、出来なくなってしまっていた事を、マリンは、
意識的に、無意識的にも、出来る様になっていっている。
 
 静かに、マリンが瞳を開いて、
「…ッ!!!!!」背面から闘気波動を迸らせ、一瞬で超加速しつつ、
闘気を凝集した右拳を下から抉る様なアッパーカットの軌道で撃ち込み、
マミが、不意に半身に構えて、そっと左手の甲で捌く様に、
逸らし気味にマリンの拳を受け止める。
咄嗟にマリンが、ゼロ距離で左膝に闘気波動を凝集させて撃ち込み、
マミが無造作に右の掌でそっと受け止め、
反発を利用してマリンが瞬時に数歩飛び退いて、半身に構える。
 
 マミが、少し複雑に、微笑む。「…さすがだな、マリン…。
凄く難しい事のはずなのに、もう出来る様になってる。
今まで真剣に修行してきたからこそ、それが出来るんだな…。」
 
 マリンが、苦笑気味に、「…マミさんのアドバイスが
完璧だったおかげですよ…。」と。
 
 うろたえ気味に、頬を染めて、マミが、「いや!、あれは!、
ガッディスバディで感じたことを適当にガッディスブレインが
言葉に変えてくれて、それをそのまんま言ってみただけだから…!!、
おれ自身がどうこうってもんじゃ…!!」
 
 マリンが思わず苦笑して、マミも、はにかみ気味に苦笑する。
 
 マリンが、少し遠い目になって、微笑みつつ、「…ヴィクトルパパに、
言われた事があるんです…、『父親の真似じゃなく、自分の修行の仕方を
探した方がいい。』、って…。」
 
 「……」マミが、マリンを見つめる。
 
 マリンが、語り続ける。「…パパは、男だから、ヴェリアの加護を
完全には得られない。だから、自分の闘気を主とした格闘スタイルを
選んだ。世界の気、風に乗って伝わってくる気を感じ取って
それに身をゆだねて戦う格闘スタイルもあるんだけど、
パパはそれは選ばなかった。
わたしは女で、意識しなくても子宮でヴェリアの加護を
受け止めて、自分の能力を高めてもらえてる。
だったら、世界の気、風の気に身をゆだねて戦うスタイルを
身に付けてみてもいいんじゃないか、そんな風にパパに言われた事も
あるんです。…でも、わたし、パパにあこがれてたから、
意識的に自分の闘気を主にしたパパのスタイルを真似てました…。」
 
 心持ち、マリンが、瞳を上げる。「…パパにも言われたんです。
『真似では私を超えられないぞ。』、って。でも、どうしてもつい、
パパの真似から抜けられなくって…。
…わたし、今、ただのパパの真似から抜け出すきっかけをもらった、って、
感じてるんです……!!」
 
 マミが、思わず何だかあせって、「…あの、その、
おれが言ったことそのまんま、っていうんじゃなくってさ…!!、
これは、最初の第一歩って感じで、マリンの格闘スタイルは、
これから本当につくっていく、っていうのが、いいんじゃないかな…?、
っていうのは、ガッディスブレインが判断して、
ガッディスバディが感じてること、なんだけど……。」と。
 
 マリンが、思わず、わずかに苦笑気味に微笑む。
 
 ふと、真剣な瞳になって、マミが、「…それと、
ヴィクトルさんも、マリンも、世界の気に身をゆだねるスタイルは
選ばなかったんだけど、おれも、身をゆだねる、っていうのが、
なんか違う、って感じる…!。
身をゆだねるんじゃなくって、自分の闘気と、世界の気、
世界の波動と、一緒に高め合って、共鳴し合う、
そっちの方がいいって、おれは、感じる……!」と。
 
 ふと、マリンが、瞳を閉じる。
 
「…自分の闘気だけで世界に挑むのでもない、
自分を空しくして世界に身をゆだねるのでもない、
自分も高める、世界も高める、磨き合う…!!!!!」と、
マリンが、マミの瞳を見据えて、微笑む。
 
 マミが、微笑む。
 
 背面から闘気波動を爆発的に迸らせて、突進したマリンが、
撃ち込む寸前に圧倒的な闘気波動を凝集させて
光の剛剣の様な状態にした左脚を、一直線に突き込み、
マミが、神界波動をクッション状に虹の輝きに変えて、腹部に展開し、
マリンが左脚を傷めない様に、優しく、腹の柔肌で受け止める。
 
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