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62 マミ達 風を感じる (3)
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限り無く澄んだ青い空の、限り無く澄んだ七色の大きな虹が、
無限の神界波動を響かせて、
瞳を閉じて、おだやかな笑顔で、宙に横たわる一糸纏わぬマミが、
無造作に両腕両脚の力を抜いて心持ち広げ気味に、
限り無くマミ自身の神界波動を響かせて、
大きな空の大きな虹の神界波動と、共鳴させ続ける。
虹と白銀が交錯するミーユの波動が、
虹と黄金が交錯するフレナの波動が、
虹と陽光色が交錯するマリンの波動が、
虹と水色が交錯するフィリスの波動が、
虹と蒼黒が交錯するクレイアの波動が、
大きな虹の神界波動と、
マミ自身の神界波動と、
響き合い、共鳴し続けて、
どこまでも高まっていく。
どこか鋭い瞳で、一糸纏わぬフィリスが、「…物凄い
波動鍛錬効果ですね……」と、思わず呟き、
マミが、ほんの少し苦笑気味に微笑んで、「…そういうのもいいけど、
今は、自然を感じてみないか……?」と。
どこか深くもの想う様に、一糸纏わぬフレナが、「…自然の波動を、
真剣に身体で捉えてみよう、…って事……?」と、たずねて、
マミが、やっぱりほんの少し苦笑しつつ、
おだやかに微笑んで、「…それもいいけど、
…その、自然が、こんなにきれいで、こんなに気持ち良くて、
だから、今は、思いっ切り、自然を観て、風の音を聴いて、
何の邪魔も無しで、思いっ切り、肌で、肉体で、全身で、
自然を感じて、…とにかく、感じてみないか……!!!?」と。
一糸纏わぬミーユが、一糸纏わぬマリンが、一糸纏わぬクレイアが、
フィリスが、フレナが、思わず、それぞれの表情で、言葉を無くして、
しばらくして、
ミーユが、「…わたし、結構いろいろと考え過ぎちゃうとこ
ありますから……、今は、とにかく、感じてみます……!!!」と。
マミも、ミーユも、マリンも、クレイアも、フィリスも、フレナも、
裸身で空の風の中に寝っ転がって、
瞳を閉じて、風を肌で味わってみたり、
空を、虹を、海を、浮遊岩を、滝を、水滴を、海岸の奇岩を、
陽光の欠片を、自然の全てを、なんとなく見詰めてみたり、
風がそよいで、吹き過ぎていくのを、聴いてみたり、
風の響きを、肌に、肉体に、伝わせてみたり、
いつのまにか、時間を忘れて、自然を感じ続けて、
マミも、ミーユも、マリンも、クレイアも、フィリスも、フレナも、
高まっていく自身の波動を周囲に放つというよりも、
果てし無く、深く、内に秘めて、肉体の深奥に響かせ続けて、
果てし無く、波動の深みを増し続けていく。
不意に、マミが、苦く、微笑む。
思わず、マミが、「……俺さ、
…地球で、日本で、生きてた頃はさ、
……毎日の日常で、なんかもう、がんじがらめで、
……ストレスばっかり溜めててさ……、
……ゆったり、自然を感じるとか、
…まるで無縁どころか、まるで想像も出来ないで、生きててさ……、
……そんなおれが、
…とにかく自然を感じてみよう、なんて……、
……そんな、偉そうに言える筋合いなんて、
…まるで無い、はずなのに……、
……なんか……ごめん……」
少しだけ不機嫌そうに、
クレイアが、「……そこで謝られても困るんだけど……。
…それこそ、謝られる筋合いは無いって思うし……。」と。
思わず、ちょっとおだやかに、マミが苦笑する。
ふと、マミが、
「……やっぱり、この世界のおかげ、かな……。
……この世界で、今のこの、おれの身体のおかげで、
…おれは、こうして、自然を感じていられる……」と、
おだやかに、微笑んで、
「……感謝するしか、ないかな……」と。
フレナが、思わず、「……今のマミちゃん、
なんだか、とっても、勇者っぽい……、
…っていうか、勇者なんだけど……」
思わず肩を揺らして苦笑して、
マミが、「…おれなんてちっとも勇者っぽくないと思うんだけど……」と。
少し遠い瞳で、
フレナが、「…わたしは、マミちゃん勇者らしい、って、思うけど……」と。
少し間が有って、
どことなく深く、真摯な瞳で、
ミーユが、「……マミ様は、勇者です……。」と。
自然に秘められた神界波動と、ミーユの波動と、フレナの波動と、
マリンの波動と、フィリスの波動と、クレイアの波動と、
マミの波動が、
限り無く深く、限り無く、高まり合い続け、共鳴し続ける。
なんとなく、
6人とも浜辺に舞い降りて、
おだやかに微笑みながら、フレナが、「…あっちの滝の端に
ちっちゃな滝があってあれ水浴びにちょうどいい感じだし…、
水浴びしない…?」と。
フィリスもおだやかに微笑んで、「…いいと思います……。」と。
なんとなく6人とも小さな滝の方に水浴びに行って、
ふと、フレナが、「…うーん……」と、なにかもの思う様に。
「…どしたの…?」と、なにげなくたずねるミーユの、
その両肩を背後から両手でつかんでミーユをマミの方に向けて、
フレナが、ちょっといたずらっぽく微笑んで、「…マミちゃん、
裸のミーユにしてみたい事、なんかない…!?」と。
一瞬、マミの思考が停止して、
「えぇえええ!!!!?」と、マミが、一気に頬を真紅に染めて、
「!!!!」ミーユも、限り無く頬を真紅に染めて、びくんと震える。
片手で頭を抱えて頭痛そうにマリンが、「…またフレナちゃんは
すぅぐそういう発想になるんだから……」と。
フレナが、どことなくしれっと、「…別にいいじゃない、
太陽の下でマミちゃんにサービスしてあげても。」
クレイアが、淡々と、「…つまり、毎晩浴室でマミさんとミーユさんがしてる
スキンシップを、真っ昼間から太陽の下で再現しようって事…?」と、
たずねて、
フレナが、「んー、まあ、それでもいいけど、
なんか別にマミちゃんがしたいことがあったら…。」と。
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