美少女救済作戦~30歳男、異世界TS転生で美少女チート勇者になり、 美少女救済に立ち上がってみる

MINATSUKI

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89 マミ・ファミリー 混沌軍と戦う (13)

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***
 
 
 気が付くと、
マミが左手で捻じ込んだレインボーメタルブレードが、
混沌のマミの、胸部の黒紫のメカニックビキニアーマーの、
胸の谷間の接続部分に、
刃が激しく混沌のマミの背筋から露出するまで、撃ち込まれている。
 
混沌のマミが、表情を無くした様な面差しに。
 
 マミが、混沌のマミの黒紫の瞳の、その奥の意志を、
見据えて、「……お前を操っている本体は、
何も愛していない……!!!!!。
……何も護ろうとしていない……!!!!!。
……ただ、憎んで、嫌悪して、破壊しようとしているだけだ……!!!!!。
…だからだ……!!!!!、
……本体自身すら愛していないから、護ろうとしないから、
…隙が生じるんだ、お前の動きには……!!!!!。
……わずかな隙だ、
……もしお前の能力がおれを遥かに超えていたら、
…そんな隙、何の問題にもならなかったはずだ……!!!!!、
…だけど、
……お前とおれの能力が同等だったから、紙一重の勝負だったから、
…そのわずかな隙が、致命的な隙に、なったんだ……!!!!!」と、
叫ぶ。
 
 混沌のマミが、微笑み、
マミの左手のレインボーメタルブレードが無限の虹を迸らせて、
その爆発に、内部から破壊されて、
混沌のマミが、混沌機械装備も含めて、砕け散り、
黒紫の光粒子へと霧散する。
 
 ふと、マミが、どうしようもなく、苦笑する。(……護ろうとする意志と、
憎んで破壊しようとする意志、その、心の違いが、
…勝敗を分ける……、か……、
…おれが好きでよく観てた、子供向けヒーローアニメとか特撮とか、
…そういうのでほんとよくあるシチュエーションだよな……、
……おれも、そういうの好きだったけど、
…『所詮、子供向けのお話の中だけの綺麗事だよな、そういうの。』って、
…おれ自身、心の中で否定してた、
……そのはず、なのに……、
……その言葉の正しさを、こんな情況の中で、
……おれ自身が、おれ自身の身体で、
…思い知らされる羽目に、なるなんて……)
 
 なんだか複雑に、マミが、微笑む。
 
 
 (『…オ前ヲ、殺ス…ッ……!!!!!!!!』)
 
 凄まじい、憎しみと、嫌悪と、殺意が、
無限数次元思念波動となって混沌巨神内部空間に反響し尽くし、
 
 (『…死ネ…ッ……!!!!!!!!』)
 
 黒紫の光粒子が無限に凝集した黒紫のオーロラが、
無限の負の感情を内包して、
混沌機械迷宮内部で無限神速で荒れ狂い、
マミを斬り裂き捻り潰そうと襲い掛かり続け、
それに呼応して混沌機械迷宮内部構造直方体ブロックが、
前後左右上下からマミを挟み潰そうと無限神速で襲い掛かり続ける。
 
 虹の残像を描き続けながら、無限神速円舞飛翔を続けながら、
マミは、紙一重で、黒紫のオーロラを回避し続け、ブロックを回避し続け、
時折そのブロックを、
256撃ずつの無限神速蹴撃と無限神速剣撃で、破壊し続け、
虹の残像から創造し続けるレインボーブレードを、
無数に、混沌機械迷宮内壁に、混沌巨神内部の天井床壁面に、
撃ち込み続ける。
 
 マミの瞳に、この上なく厳しいものが過り、唇を噛み締める。
 
 (……混沌のパワーの、底が観えない……!!!!)
 
 (……無限の、パワー……!!!!!!!!)
 
 (…………)
 
 (…………)
 
 ふと、苦く、マミが微笑む。
 
 (……生きて帰れる気がしなくなってきたな…………)
 
 (…………)
 
 (……ピクシーも、言ってたな……、
『おれが二人いて、片方のおれがもう一方のおれを攻撃したら、
何も起きないか、双方とも消滅して何も残らないか』、って……)
 
 (……おれと、おれと同等の相手との戦いは、
…双方とも消滅するまで、終わらないのか…………)
 
 (…………)
 
 思わず、鋭いものを瞳にたたえて、マミが苦笑する。
 
 (……女神ヴェリアのやつ、最初からそのつもりで
おれを転移させたんじゃないだろうな……?、
混沌の邪神の襲撃からエルクヴェリアを護る為の、
混沌邪神と対消滅して消える捨て駒として……?。
別にこの世界の存在でもない、ただの30歳の男一人の犠牲で済むなら、
それでこの世界の女の子達を犠牲にせずに済むのなら、って……?)
 
 (…………)
 
 ふと、おだやかに、ほんの少し苦く、マミが微笑む。
 
 (……それでも、いいか……。
ミーユを、フレナを、クレイアを、フィリスを、マリンを、みんなを、
…この、エルクヴェリアを、護れるのなら……!!!!!、
……おれ一人の犠牲で、済むのなら……!!!!!。
……どうせ危険な存在なんだし、おれ…………)
 
 (…………)
 
 ふと、また、マミが苦笑する。
 
 なぜか、ミーユの面差しが、フレナの面差しが、クレイアの面差しが、
フィリスの面差しが、マリンの面差しが、胸に過って。
 
 (……やめた。
あー、もう、やめやめ、変な事考えてる場合じゃないだろ?。
……大体、自分を犠牲にしてみんなを救う、なんて、
おれがそんながらかよ……?、
よーするに、こいつをぶっ飛ばして帰ればいいんだろ……?。
…大体おれ、まだ次のラーメン食ってないんだぞ…?、
…フィリスはとんこつラーメン作るって言ってくれてるし、
ミーユはみそラーメンをエルクヴェリアの食材で再現出来ないか
挑戦するって言ってくれてるし……!、
…食わずに死ねるかよ……!!!、
……勝って、生きて帰って、ラーメン食ってやる……!!!!!)
 
 (…………)
 
 マミが、苦笑する。
 
 (……気合だけは充分だな、おれ…………)
 
 こんな事を思いながら、
マミは、ほんのわずかの乱れも無く、
無限神速円舞飛翔を続け、七色の残像を描き続け、
優美な両脚を舞わせ続け、
左右のレインボーメタルブレードを舞わせ続け、
黒紫のオーロラを回避し続け、
機械迷宮内部構造ブロックを256撃ずつで破壊し続け、
七色の残像から無数のレインボーブレードを発射し続けて
混沌機械迷宮内壁にも混沌巨神内部の天井床壁面にも
数秒で七色が黒紫に塗り潰され続けているのにも構わず
撃ち込み続けている。
 
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