所以

実家を出て一人暮らしをしながら、アルバイトで生計を立てている十時未汐は、十歳より前の記憶が抜け落ちている。
ある日彼女のもとに、一通の不気味な手紙と、祖父の危篤の報せが届いた。

無くした記憶、忘れてはいけなかった人、昔の約束、呪詛。

「あんた、相当あの子に執着されてるよ」
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