彼氏の優先順位[本編完結]

セイ

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茜の出会い編

6.彼と近づく距離(玲央Side)

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僕は南玲央。高校1年。
僕はイギリス人の父と日本人の母とのハーフ。
ハーフということで父譲りのブロンドに近いハニーブラウンの髪色に母譲りの大きな瞳、色は父似の金に少し青が入った綺麗な色。僕の大好きな色だ。

僕が13歳になると同時に日本へ来た。学校は近くの中学へ編入した。まだ日本語を習いたてだったが中学校に通うのを楽しみにしてた。

その意に反して、この外人っていう見た目の好奇心からか、編入当時は凄い話かけられてカタコトの日本語で頑張って話をしていたが、段々僕の日本語が聞き取れないのが面倒になったのか…話しかけられることもなく、ヒソヒソと離れて話されることが多くなった。イギリスにいた時は人前でコソコソと話す人なんて居なかったから、初めて何を言われているのかという不安とカタコトの日本語だったこともあり、吃音症というものになった。

話す時に吃ったり、言葉が詰まったり、緊張から笑うこともできなくなった。
多くの視線も怖くなって外にも出れなくなり、不登校となってしまって両親に迷惑をかけてしまった。

今では日本語も大丈夫だし、少しなら外にも出られるようになったけど学校には行けていない。

僕は高校は行かない予定だったけどいつか行けるかもしれないから受験はしようと両親の説得もあり今の高校へ入学はしたものの、やはり不登校になった。

不登校でもテストはある。皆と時間をずらして登校し、教室には行かず別の教室でテストを受けたりするのだ。
最初は保健室での勉強だったが、授業中にも生徒はやってくる。その度に緊張して吐いてしまっていたから場所が変わった。図書室は授業中に人が来ることもなく、人が来たとしてもそこは広い場所、人に会うこともなかった。

そんなある日、珍しく朝から図書室に訪れた男子生徒がいた。
今日は勉強で分からない所もあって朝早くに登校していた僕。
声を殺してその人が出ていくのを待ってた。
でも待てども待てどもその人が教室へ戻る気配もなく…あと数分で授業という時間になってしまった。

教室へ促そうとしても僕は声を掛けられない…。図書司書さんもこの時間に限って席を外していた。

どうしよう…遅刻したら困るよね…?

少し話すくらい大丈夫…だよね…?

そう意気込んでその男子生徒へ声を掛けた。

「あ…あのもうすぐ授業始まりますけど…」

緊張と久々の人との会話に声が掠れてしまったがちゃんと言葉は出て安心した。
ガバッと起きた男子生徒はとても綺麗な人だった…。

グレーアッシュという明るい色を入れているのにとても綺麗な髪をしていて窓から入る風でサラサラと靡いていた。

身長はたぶん僕よりも10cmは高そう…。スラリとした体格をしているけど細いという感じはない。
僕と違ってしっかり男の人っていう体格。羨ましい。

そんな綺麗な人が僕を見て驚く様もカッコいい。

「一瞬天使かと思ったー。羽つけてたら絶対天使!!」

なんて恥ずかしい印象を持たれたみたいだけど…何でだろ?

「ふふっ…何ですがそれ…天使なんてそんな綺麗なものに例えられるのは初めてです」

笑った顔がとても素敵…。
もっとお話したいな…。
そんな事思ったのは久々だった。
今まで話すのが怖かったのにこの人とは話してみたいと思った。
笑った顔かとても優しくて話しやすそうだからかな?

そんな事を思っていたら急に彼に腕を引かれてびっくりした。
何故なら綺麗な顔が目の前にあって僕の顔を見つめられてしまったから。

「…俺宮嶋茜。君の名前とクラスと連絡先知りたいな…」
「…えっ…ふえぇぇ~!?な…何でですかっ!?」
「え…知りたいから?ダメ?」

何故か彼に自己紹介をされたけど…何で!?
何ともあざと可愛くおねだりされた気分なんだけど…。
カッコいいのに可愛いって何!?

見てるこっちが恥ずかしくなるんだけど!?

「い…1-Bの南玲央です…」
「玲央くん図書委員なの?」
「はい」

不登校を知られたくなくて思わず返事をしてしまった…。
ごめんなさい…。

「いつ居るの?」
「え…月水金の朝…です」
「そっか、じゃあまた来るね!」

あ…会いに来るって…どうしよう…。
適当な事行っちゃったー…。

「…え…えぇ~…」

不登校児なのに…会いに来られてもどうしようもない…。
僕毎日来るわけでもない…のに。
会いたいと言ってくれた人に不誠実な事しちゃった…。

でも彼に会えるなら頑張ってきてみる?
ちゃんと話できるか分からないけど…。
どうしよう…。

気になる彼に嫌われない為にはどうしたらいいのか不安しかなかった…。



この出会いがこの先の僕の人生において大切な人になるとは全く予想していなかった…。







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