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茜の出会い編
8.好きの距離
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家に帰ると玲央からメッセージが届いてた。
"今日はありがとうございました。沢山話せて嬉しかったです。"
ふふっ…まだちょっと硬いな…。
そこも可愛い…。
今日は話もできたし、名前も呼んで貰えたし、連絡先も交換した。今のところ人生で一番幸せな日だ!!
顔のニヤケが止まらない。
ご飯を食べに来た青衣に一言「キモい」と言われたがそんなの気にならんくらい幸せだ…。
"俺も今日は玲央と会えて嬉しかった。次学校に来るのはいつ?朝図書室で会おう。楽しみにしてる。"
そう送ったが返事がない所を見るといつ学校に来るか迷っているんだろう。
学校へ来ることを強制したいわけじゃないからな。
学校じゃなくても今日みたいに会えばいいんだし。
玲央が辛くなければどこでもいいと思ってる。
ただ我儘言うなら学校で青春したいっていうのはある。
言わないけど…。
次の日俺は青衣と青空くんに報告をした。
中々に恥ずかしかったが。
「俺玲央くんに告白しました!!」
「え!?急展開すぎない!?」
めっちゃ驚いたのは青空くん。
そうだよなこの間まで会えないって言ってたしな。
青衣は「ふーん」くらいの興味なさそうな返事。
おい。お前もうちょい応援してくれてもえぇやろがい!!
お前の恋の為に頑張った俺に何かないんかいっ!!
と言いそうになったが、幸せが上限突破しとるんでそんなのも気にしなーい。俺浮かれすぎ?まだ付き合ってないのに浮かれすぎか?
付き合う前に浮かれてた青衣と同じ状況になって初めてわかる気持ち。これは浮かれるわ。青衣の気持ちもわかったわ…。
あの可愛い顔を思い出すだけでもニヤけるのわかるわぁ~。
「お返事はどうだったの?」
「まだ返事は貰ってない。ゆっくり考えて欲しくて」
「恋、実るといいね?僕も応援するよ!!」
青空くんいい子!
「付き合う前から浮かれてんなよ…」
青衣くん酷い子!
「お前だってそうだったろうがよ!」
「??」
わかってないの一番たち悪い…。
お前の惚気につきあってやったのに…。
そんなルンルン気分でいたのに気分下がる事あってチョー萎えてる…。
「茜くーん今日一緒に帰ろ?」
知らん女に纏わりつかれて喫茶店に行けない…。
自分では可愛い仕草だと思ってるかもしれないが、可愛くもないし鬱陶しいことこの上ない。マジ邪魔…。
「ヤダ。お前誰だよ。勝手にくっつくな。ウザい」
「え…ひどーい。同じクラスじゃーん」
早く喫茶店行きたいのにこのままくっついて来られたら俺の憩いの場所がバレる。
喫茶店行くなら放課後じゃなくて午後サボりの方がいいな…。次からそうしよう。
そんなこんなで今日は結局喫茶店には行けなかった…。
ずっと跡付けられてたから。
チッ…ストーカー女め…。
明日は絶対喫茶店行く。
俺の癒しに会いに行く!!
結局また一人でニマニマしちゃうのは許して欲しい。
誰も見てないしな。
そんな次の日、朝起きるといつの間にかメッセージが入ってた。
"おはようございます。今日は昼前に学校へ行く予定です。いつも図書準備室をお借りしてお昼を食べているので一緒に食べませんか?"
…いよっしゃあぁーーー!!!!
思わずガッツポーズしてしまった。
「玲央のお誘い嬉しすぎる♪」
"勿論!!昼休みに図書室行くね!!"
ちゃんと返事を返した事を確認し、また浮かれる俺。
スキップしちゃいそうなくらい浮かれてるのわかってるけど楽しみが勝ち過ぎて抑えられない。
「あ…青衣おはよ!」
「……きも…また何かいい事でもあったん?」
「聞いてくれるか親友よ。」
「あ…聞きたくないので結構です。」
「えー!いいじゃん聞いてよー!!聞いてきたの青衣じゃーん!!」
「長くなりそうだからいい。青空待ってるからもう行く」
「じゃあ青空くんにも聞いてもらおー早く行こ!」
「…お前が行く手を阻んだんだろうが…」
凄い呆れたような変な顔してたけどちゃんと聞いてくれる。さすが親友!!
青空くんのマンション前まで来るとそこには既に俺達を待ってる青空くんが居た。
「あ…青衣くんおはよ~!茜くんもおはよう。ご機嫌だね?」
「おはよ青空。茜は放っておいていい」
と、青空くんをギュッと抱きしめて挨拶してる青衣。
毎朝のルーティンだ。
「聞いて聞いてー!!今日玲央からお昼のお誘い貰っちゃった!!大前進!!」
「…お前浮かれてるけど周りにバレないようにしろよ」
「わかってるよー。だから今日は2人でランチしてね」
「わかった!頑張ってね茜くん」
「うん!ふふっ楽しみだなー」
気分良すぎて授業中も鼻歌歌ってたみたいで先生に注意されながらもやっとお昼の時間。
「んじゃ行ってくる~」
とコンビニの袋を持って教室を出る。
購買でデザートとか買っていったら玲央食べるかなぁ?
人目を避けて学校に来るなら昼に開く購買には行った事ないだろう。
確か先週から新しいデザート入荷してたハズ。
俺は購買に寄ってから図書室へ向かった。
その道中青衣から電話がかかってきた。
「お前もう集合場所着いた?」
「いや、購買寄ってたから今から行くとこ~」
「良かった。お前女に付けられてんぞ。撒いてから行け」
「え…マジ!?」
俺はきょろきょろと周りを見回すと、柱の陰にいつもくっついてくる女を発見した。
マジかぁ~…。危ね。
「…何でわかった?」
「青空がな…お前が教室出た瞬間お前の後付いてく女を見かけた青空がその後ろ付けたらお前を付けてるのに気づいた感じ。青空に感謝しろよ…」
「茜くん気を付けてね!!玲央くんを悲しませないように!!」
「ありがと!青空くん」
通話を切って俺は女を撒く為に走り出した。
昼休みの時間もなくなるし、急がないと!
ハァハァ……あの女執念深い…マジ…キモい…。
周りに人がいないのを確認してから図書室へ入った。そして玲央にメッセージを送る。
"お待たせ!!図書室に来たよ。"
メッセージが直ぐに既読になったと思ったら準備室から不安そうな顔した玲央が出てきた。
ずっと待っててくれたんだな…。
「こ…来ない…かと思った…」
「遅くなってごめん!!」
「よ…良かった…こっち…」
俺が来たことによる安堵からかほにゃっと微笑む玲央が可愛すぎた…。
俺の手を取って準備室まで連れて行ってくれる玲央…。
繋がれた手は少し震えていて、どうやったらこの震えが止まるかなと思いながらスルリと恋人繋ぎにしてみた。
一瞬ビクついたが力を込めてギュッと握り返してくれた。
玲央から繋いでくれた事に嬉しさ爆発しそうだった。
準備室の中はテーブルと椅子が用意されていた。
「いつもここで食べてるの?」
「うん…いつ…もは…司書さんと食べて…るけど、今日は茜…くんが来る…って…言ったら外に…食べ…に行っちゃった…」
司書さんグッジョブです!!ありがとう!!
ニコニコしてる玲央が可愛くて玲央の顔に手を伸ばして頬を撫でると猫が懐くように手にすり寄ってくる。
俺に慣れてきたみたいで嬉しい。可愛い。
「俺は玲央と二人きりで食べれて嬉しい…」
「ぼ…ぼく…も嬉し…いです…」
と顔を赤くしながらお弁当を広げる玲央。
玲央の前には美味しそうな手作り弁当。
「美味しそうなお弁当だね」
「今日…お母さん…が張り…切って作って…た」
「?そうなんだ?」
俺はコンビニ飯。母さんに作って貰えば良かったかな?
「購買でデザート買ってきたから一緒に食べよ?」
とクリームプリンを出す。
「お…美味しそう…!!」
と目をキラキラさせて喜んでくれた事に嬉しくなる。
「ぼ…僕…プリ…ン好きだか…らとっても…嬉し…い!!」
こうやってどんどん玲央の事が知れていくのが楽しみだ。
「そっか…喜んでくれてよかった」
「あ…あの…僕…もお菓子作って…持ってきた…ので一緒に食べてくれ…ますか…?」
「もちろん!!玲央の手作り?え…!?めっちゃ嬉しい!!」
まさか玲央の手作りお菓子が食べれるとは思わず子供の様に喜んでしまった…。恥ずかしい…。
ふふっと微笑む玲央は天使…!!
「こん…なに…楽しい食…事は…久しぶ…りでとても…嬉し…いです」
「俺も玲央と食事できるの凄く楽しいよ。誘ってくれてありがと」
こんな幸せな時間を過ごせるなんて…神様に感謝しなくちゃ。
「また一緒に食べようね?」
「あ…はいっ…」
「まだ…緊張してる?」
「あ…茜…くんはとても話…やすくて…」
「そうか、そうなら嬉しい…」
そうやって少しずつ俺を意識してくれたらいい…。
俺は早く玲央をこの腕に閉じ込めたい…。
俺の腕の中で笑ってくれると嬉しい。
玲央の笑顔を独り占めしたい。
どんどん今までにない欲が出てきて大変だ…。
「デザートも食べよっか…」
「あ…はい」
玲央が出したのはマドレーヌなどの焼き菓子。
バターのいい匂いがする。
「わぁ…美味そう!!いい匂い!!玲央上手だねぇ~」
「あ…おじいちゃんが得…意なの…で洋…菓子を沢…山お…そわりま…した…」
「あ~マスターの喫茶店かぁ。喫茶店なら洋菓子多いか。」
「茜…くんはどんなお菓子…が好き…ですか?」
「俺?俺何でも好きだよ~。でも得に好きなのはチーズケーキかなぁ」
「チーズケーキ…今度…作る…ので食べて…くれますか?」
「食べる食べる!!玲央なお菓子なら何でも美味しくいただきます!!」
俺の好きなものを作ってくれるなんて…幸せ天元突破しちゃうんだけど~!!うぅ~…マジサイコー…。あ~…美味っ。
「このプリン先週から購買に置いてあって人気過ぎてなかなか買えないらしいんだけど今日は丁度残っててラッキーだったんだ。玲央と食べれて幸せ!!」
「ありがとう茜くん…」
食べてる玲央可愛い…!!
写真撮りたいくらい。
ガラッ
「あれ…もうお昼休み終わりだよ~早く教室戻りなさい」
幸せ時間が終わってしまった…。のんびり食べてたら司書さんが帰ってきてしまった…。
「あ…今片付けます。すんません」
「いいよいいよ~南くんと仲良くしてくれてるみたいだしねぇ時間に遅れなければ大丈夫だよ」
司書さんのその言葉に2人で目を合わせて笑った。
玲央の残りのお菓子を手に扉の前でお別れ。
「じゃあまたね…」
「はい…」
何だかとても離れがたくて思わずギュッと抱きしめてしまった…。
嫌がられるかな…と思ったけど…逆に背中に手を回してくれた玲央。
玲央も同じように離れがたいと思ってくれてると嬉しい…。
「茜くんまた一緒に…」
「うん…連絡待ってるよ」
そう言って離れて俺は教室へ戻った。
"今日はありがとうございました。沢山話せて嬉しかったです。"
ふふっ…まだちょっと硬いな…。
そこも可愛い…。
今日は話もできたし、名前も呼んで貰えたし、連絡先も交換した。今のところ人生で一番幸せな日だ!!
顔のニヤケが止まらない。
ご飯を食べに来た青衣に一言「キモい」と言われたがそんなの気にならんくらい幸せだ…。
"俺も今日は玲央と会えて嬉しかった。次学校に来るのはいつ?朝図書室で会おう。楽しみにしてる。"
そう送ったが返事がない所を見るといつ学校に来るか迷っているんだろう。
学校へ来ることを強制したいわけじゃないからな。
学校じゃなくても今日みたいに会えばいいんだし。
玲央が辛くなければどこでもいいと思ってる。
ただ我儘言うなら学校で青春したいっていうのはある。
言わないけど…。
次の日俺は青衣と青空くんに報告をした。
中々に恥ずかしかったが。
「俺玲央くんに告白しました!!」
「え!?急展開すぎない!?」
めっちゃ驚いたのは青空くん。
そうだよなこの間まで会えないって言ってたしな。
青衣は「ふーん」くらいの興味なさそうな返事。
おい。お前もうちょい応援してくれてもえぇやろがい!!
お前の恋の為に頑張った俺に何かないんかいっ!!
と言いそうになったが、幸せが上限突破しとるんでそんなのも気にしなーい。俺浮かれすぎ?まだ付き合ってないのに浮かれすぎか?
付き合う前に浮かれてた青衣と同じ状況になって初めてわかる気持ち。これは浮かれるわ。青衣の気持ちもわかったわ…。
あの可愛い顔を思い出すだけでもニヤけるのわかるわぁ~。
「お返事はどうだったの?」
「まだ返事は貰ってない。ゆっくり考えて欲しくて」
「恋、実るといいね?僕も応援するよ!!」
青空くんいい子!
「付き合う前から浮かれてんなよ…」
青衣くん酷い子!
「お前だってそうだったろうがよ!」
「??」
わかってないの一番たち悪い…。
お前の惚気につきあってやったのに…。
そんなルンルン気分でいたのに気分下がる事あってチョー萎えてる…。
「茜くーん今日一緒に帰ろ?」
知らん女に纏わりつかれて喫茶店に行けない…。
自分では可愛い仕草だと思ってるかもしれないが、可愛くもないし鬱陶しいことこの上ない。マジ邪魔…。
「ヤダ。お前誰だよ。勝手にくっつくな。ウザい」
「え…ひどーい。同じクラスじゃーん」
早く喫茶店行きたいのにこのままくっついて来られたら俺の憩いの場所がバレる。
喫茶店行くなら放課後じゃなくて午後サボりの方がいいな…。次からそうしよう。
そんなこんなで今日は結局喫茶店には行けなかった…。
ずっと跡付けられてたから。
チッ…ストーカー女め…。
明日は絶対喫茶店行く。
俺の癒しに会いに行く!!
結局また一人でニマニマしちゃうのは許して欲しい。
誰も見てないしな。
そんな次の日、朝起きるといつの間にかメッセージが入ってた。
"おはようございます。今日は昼前に学校へ行く予定です。いつも図書準備室をお借りしてお昼を食べているので一緒に食べませんか?"
…いよっしゃあぁーーー!!!!
思わずガッツポーズしてしまった。
「玲央のお誘い嬉しすぎる♪」
"勿論!!昼休みに図書室行くね!!"
ちゃんと返事を返した事を確認し、また浮かれる俺。
スキップしちゃいそうなくらい浮かれてるのわかってるけど楽しみが勝ち過ぎて抑えられない。
「あ…青衣おはよ!」
「……きも…また何かいい事でもあったん?」
「聞いてくれるか親友よ。」
「あ…聞きたくないので結構です。」
「えー!いいじゃん聞いてよー!!聞いてきたの青衣じゃーん!!」
「長くなりそうだからいい。青空待ってるからもう行く」
「じゃあ青空くんにも聞いてもらおー早く行こ!」
「…お前が行く手を阻んだんだろうが…」
凄い呆れたような変な顔してたけどちゃんと聞いてくれる。さすが親友!!
青空くんのマンション前まで来るとそこには既に俺達を待ってる青空くんが居た。
「あ…青衣くんおはよ~!茜くんもおはよう。ご機嫌だね?」
「おはよ青空。茜は放っておいていい」
と、青空くんをギュッと抱きしめて挨拶してる青衣。
毎朝のルーティンだ。
「聞いて聞いてー!!今日玲央からお昼のお誘い貰っちゃった!!大前進!!」
「…お前浮かれてるけど周りにバレないようにしろよ」
「わかってるよー。だから今日は2人でランチしてね」
「わかった!頑張ってね茜くん」
「うん!ふふっ楽しみだなー」
気分良すぎて授業中も鼻歌歌ってたみたいで先生に注意されながらもやっとお昼の時間。
「んじゃ行ってくる~」
とコンビニの袋を持って教室を出る。
購買でデザートとか買っていったら玲央食べるかなぁ?
人目を避けて学校に来るなら昼に開く購買には行った事ないだろう。
確か先週から新しいデザート入荷してたハズ。
俺は購買に寄ってから図書室へ向かった。
その道中青衣から電話がかかってきた。
「お前もう集合場所着いた?」
「いや、購買寄ってたから今から行くとこ~」
「良かった。お前女に付けられてんぞ。撒いてから行け」
「え…マジ!?」
俺はきょろきょろと周りを見回すと、柱の陰にいつもくっついてくる女を発見した。
マジかぁ~…。危ね。
「…何でわかった?」
「青空がな…お前が教室出た瞬間お前の後付いてく女を見かけた青空がその後ろ付けたらお前を付けてるのに気づいた感じ。青空に感謝しろよ…」
「茜くん気を付けてね!!玲央くんを悲しませないように!!」
「ありがと!青空くん」
通話を切って俺は女を撒く為に走り出した。
昼休みの時間もなくなるし、急がないと!
ハァハァ……あの女執念深い…マジ…キモい…。
周りに人がいないのを確認してから図書室へ入った。そして玲央にメッセージを送る。
"お待たせ!!図書室に来たよ。"
メッセージが直ぐに既読になったと思ったら準備室から不安そうな顔した玲央が出てきた。
ずっと待っててくれたんだな…。
「こ…来ない…かと思った…」
「遅くなってごめん!!」
「よ…良かった…こっち…」
俺が来たことによる安堵からかほにゃっと微笑む玲央が可愛すぎた…。
俺の手を取って準備室まで連れて行ってくれる玲央…。
繋がれた手は少し震えていて、どうやったらこの震えが止まるかなと思いながらスルリと恋人繋ぎにしてみた。
一瞬ビクついたが力を込めてギュッと握り返してくれた。
玲央から繋いでくれた事に嬉しさ爆発しそうだった。
準備室の中はテーブルと椅子が用意されていた。
「いつもここで食べてるの?」
「うん…いつ…もは…司書さんと食べて…るけど、今日は茜…くんが来る…って…言ったら外に…食べ…に行っちゃった…」
司書さんグッジョブです!!ありがとう!!
ニコニコしてる玲央が可愛くて玲央の顔に手を伸ばして頬を撫でると猫が懐くように手にすり寄ってくる。
俺に慣れてきたみたいで嬉しい。可愛い。
「俺は玲央と二人きりで食べれて嬉しい…」
「ぼ…ぼく…も嬉し…いです…」
と顔を赤くしながらお弁当を広げる玲央。
玲央の前には美味しそうな手作り弁当。
「美味しそうなお弁当だね」
「今日…お母さん…が張り…切って作って…た」
「?そうなんだ?」
俺はコンビニ飯。母さんに作って貰えば良かったかな?
「購買でデザート買ってきたから一緒に食べよ?」
とクリームプリンを出す。
「お…美味しそう…!!」
と目をキラキラさせて喜んでくれた事に嬉しくなる。
「ぼ…僕…プリ…ン好きだか…らとっても…嬉し…い!!」
こうやってどんどん玲央の事が知れていくのが楽しみだ。
「そっか…喜んでくれてよかった」
「あ…あの…僕…もお菓子作って…持ってきた…ので一緒に食べてくれ…ますか…?」
「もちろん!!玲央の手作り?え…!?めっちゃ嬉しい!!」
まさか玲央の手作りお菓子が食べれるとは思わず子供の様に喜んでしまった…。恥ずかしい…。
ふふっと微笑む玲央は天使…!!
「こん…なに…楽しい食…事は…久しぶ…りでとても…嬉し…いです」
「俺も玲央と食事できるの凄く楽しいよ。誘ってくれてありがと」
こんな幸せな時間を過ごせるなんて…神様に感謝しなくちゃ。
「また一緒に食べようね?」
「あ…はいっ…」
「まだ…緊張してる?」
「あ…茜…くんはとても話…やすくて…」
「そうか、そうなら嬉しい…」
そうやって少しずつ俺を意識してくれたらいい…。
俺は早く玲央をこの腕に閉じ込めたい…。
俺の腕の中で笑ってくれると嬉しい。
玲央の笑顔を独り占めしたい。
どんどん今までにない欲が出てきて大変だ…。
「デザートも食べよっか…」
「あ…はい」
玲央が出したのはマドレーヌなどの焼き菓子。
バターのいい匂いがする。
「わぁ…美味そう!!いい匂い!!玲央上手だねぇ~」
「あ…おじいちゃんが得…意なの…で洋…菓子を沢…山お…そわりま…した…」
「あ~マスターの喫茶店かぁ。喫茶店なら洋菓子多いか。」
「茜…くんはどんなお菓子…が好き…ですか?」
「俺?俺何でも好きだよ~。でも得に好きなのはチーズケーキかなぁ」
「チーズケーキ…今度…作る…ので食べて…くれますか?」
「食べる食べる!!玲央なお菓子なら何でも美味しくいただきます!!」
俺の好きなものを作ってくれるなんて…幸せ天元突破しちゃうんだけど~!!うぅ~…マジサイコー…。あ~…美味っ。
「このプリン先週から購買に置いてあって人気過ぎてなかなか買えないらしいんだけど今日は丁度残っててラッキーだったんだ。玲央と食べれて幸せ!!」
「ありがとう茜くん…」
食べてる玲央可愛い…!!
写真撮りたいくらい。
ガラッ
「あれ…もうお昼休み終わりだよ~早く教室戻りなさい」
幸せ時間が終わってしまった…。のんびり食べてたら司書さんが帰ってきてしまった…。
「あ…今片付けます。すんません」
「いいよいいよ~南くんと仲良くしてくれてるみたいだしねぇ時間に遅れなければ大丈夫だよ」
司書さんのその言葉に2人で目を合わせて笑った。
玲央の残りのお菓子を手に扉の前でお別れ。
「じゃあまたね…」
「はい…」
何だかとても離れがたくて思わずギュッと抱きしめてしまった…。
嫌がられるかな…と思ったけど…逆に背中に手を回してくれた玲央。
玲央も同じように離れがたいと思ってくれてると嬉しい…。
「茜くんまた一緒に…」
「うん…連絡待ってるよ」
そう言って離れて俺は教室へ戻った。
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