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1.彼との距離
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高校の入学式。
新入生代表として壇上に上がった彼に一目惚れをした。
僕と20cmは差があるだろう長身に、引き締まった体格。
ちょっとタレ目で目元のホクロが印象的。
光に当たると綺麗なハニーブラウンが輝いて見えるツーブロックの髪型もすごく似合っていてかっこいい。
いつもニコニコ笑っている彼を見るとこっちも笑顔になる。そんな彼だからこそ周りに人が沢山集まる。
そこに入って一緒にお話する勇気はないけども。
そんな入学早々に学校一モテるようなイケメンがクラスも違う影でひっそりしているような僕を認識しているとは誰が予測できようか……。
”放課後、東棟の屋上で待ってます。 星川青衣”
というお手紙が机の中に入ってました。
……僕は星川くんに何かしてしまったのだろうか?!
はっ!!もしやいつも見ていることがバレた?!ストーカーだと思われちゃってるとか?!ん~…ありえる…!!
怒られること覚悟で足取り重く屋上へとやってきた僕。
すで来ていた星川くんが振り向いてニコリと笑った顔はやっぱりかっこよくて見惚れてしまう。
「来てくれてありがとう。俺星川青衣っていいます」
「っ…はい!ぞ…存じておりますぅ~…!」
緊張してへんな言葉遣いになったのは許してっ!
「……夏目青空くん。一目惚れしました。好きです。付き合ってくださいっ!!」
「……………ふぇ……??」
言われた言葉に口をパカッと開けて一瞬思考が停止するのも無理はないと思う。
この恋心はずっと胸にしまっておこうと思っていたのだ。
「…えっと…幼馴染が君のクラスにいて……よく行くんだけど、それで初めて君を見かけて一目惚れして……何度も見てるうちに我慢できなくなって、今日…告白しに……きました…」
顔を赤くしながらでもしっかり僕の顔を見ながら真剣に告白してくれる星川くんがとても可愛く見えてしまった。
「あ…あのっ…僕は…君に好きになってもらえるような所何もない…と思うんだけど…。僕人見知りで喋るの苦手だし…あ、慣れれば全然喋るんたけどっ…それに…えっと…星川くんみたいにカッコいい人に僕は釣り合わないと思う……星川くんにはもっといい人…いると…思う……」
そう……僕なんか星川くの横にいれる自信がない。
「っ!そんな事ない!!」
「っ!!」
僕の言い分を大きな声で否定した星川くんにビクッとしてしまった。
「あ…ごめんっ!!でも俺の好きな人をそんな風に否定して欲しくない。夏目くんはいつも細かい所に気が付いて人を助けてるし、人見知りって言ってたけど人と話す時はちゃんと顔見て話してる。それに何と言っても笑った顔が可愛い!!」
僕は星川くんの言葉に、可愛いと言ってくれた事に恥ずかしくなって顔を赤くしてしまった。顔が熱い。
赤面したであろう顔を下を向けた僕の両頬に手を添えて上に向かせられる。
「俺の事かっこいいって思ってくれてるのめっちゃ嬉しい…ふふっ…今の顔もめちゃくちゃ可愛い…。キスしたいくらい…。」
ぼっ!!と音が鳴るくらい更に赤面してしまった僕はハクハクと口を動かすも声はでなくなってしまった。
「好き。付き合って…?」
そのイケメン顔をコテンと首をかしげて言うの…それ狙ってます?かっこいいのに可愛さも持ち合わせてるのずるいと思います。あざとかわいいのずるいと思います!!
「は…はぃぃ~…宜しくお願いします…///」
これはもう“はい”しか言えないやつ。
「!!嬉しい!!ありがとう!!」
「あ…あのでもホントに僕でいいんですか?」
「君じゃなきゃ嫌だ。絶対幸せにする!」
ぎゅっと抱きしめてきた星川くんにぎゅっと抱きしめ返すと更にぎゅーっと抱きしめ返してきた。
「あ~…めちゃくちゃ緊張した……」
「ふふっ…星川くんも緊張するんですね」
「そりゃ俺だって人間ですから?…ってあのさ、敬語やめない?同い年だし…恋人だし?俺のことも青衣って呼んで?」
「う…え…えと…うん。あ…青衣…くん?僕のことも青空って呼んで…ね?///」
「くぅぅぅ~青空が可愛すぎてヤバいぃ~」
と、お付き合いが始まったのが半年前。
あの日以降僕のところに来るようになった流れで彼の幼馴染の宮嶋茜くんとも仲良くなった。
茜くんはグレーアッシュのセミロングのストレートの髪を片耳に掛けているのがとても…その…エロさが増すような綺麗な人。
大人しそうな見た目だけど喋ると活発なThe男の子!って感じで話も楽しいし頼れるお兄ちゃんのよう。同級生だけど。
茜くんとは元々同じクラスだったし、必然的に3人で行動する事が多くなった。
そう…ずっと3人だ。
お昼も一緒。放課後も一緒。休日も一緒。
だけどその中で二人はもっとずっと一緒。何故なら青衣くんは茜くんの家に一緒に帰るからだ。
青衣くんのご両親は今海外出張で家にいなくて、家が隣同士の為ご飯とか茜くんちで食べてるんだって。夜は帰って寝るらしいけどそのまま泊まることの方が多いらしい。
お家の事情だから仕方ないけどね、それでもちょっともやもやしちゃったのは悪くないと思う。
まぁ、僕と青衣くんが恋人になったと言っても元々二人の間に割って入ってったのは僕の方だし、二人きりっていうのも緊張しちゃうから最初はとても有り難かったけど…でもね、はたからみるとどう考えても青衣くんと茜くんが付き合っていてそこに割り込む僕…っていう方がしっくりくるのはどうしたらいい?
顔を近づけて話したり、ハグしたり、食べ物共有したり、それって恋人の距離に見えてもおかしくなくない?
最近二人と一緒にいる所為か、僕が大人しくて聞きやすい所為か知らない人からあの二人は付き合っているのかって聞きに来られるくらい。
僕が青衣くんと二人きりになったのって両手で数えられる程。
スキンシップが少ないのも付き合いたての頃にあまりの緊張でビビリまくり身体が固まっちゃうことが多かったから青衣くんが気を使ってくれて、ちょっとずつ慣れていこうねって言ってくれたからであって、今ではそのスキンシップが少なすぎて僕の方が我慢できなくなってきちゃったけど自分からは言えなくて。
二人と仲良くなる度に二人の中の良さが身に染みてわかる。
幼馴染の二人のスキンシップというか距離?が近いのが最近更にもやもやして辛くなってきちゃった。
僕……恋人だよね…?あれ?もしかして夢だった?
新入生代表として壇上に上がった彼に一目惚れをした。
僕と20cmは差があるだろう長身に、引き締まった体格。
ちょっとタレ目で目元のホクロが印象的。
光に当たると綺麗なハニーブラウンが輝いて見えるツーブロックの髪型もすごく似合っていてかっこいい。
いつもニコニコ笑っている彼を見るとこっちも笑顔になる。そんな彼だからこそ周りに人が沢山集まる。
そこに入って一緒にお話する勇気はないけども。
そんな入学早々に学校一モテるようなイケメンがクラスも違う影でひっそりしているような僕を認識しているとは誰が予測できようか……。
”放課後、東棟の屋上で待ってます。 星川青衣”
というお手紙が机の中に入ってました。
……僕は星川くんに何かしてしまったのだろうか?!
はっ!!もしやいつも見ていることがバレた?!ストーカーだと思われちゃってるとか?!ん~…ありえる…!!
怒られること覚悟で足取り重く屋上へとやってきた僕。
すで来ていた星川くんが振り向いてニコリと笑った顔はやっぱりかっこよくて見惚れてしまう。
「来てくれてありがとう。俺星川青衣っていいます」
「っ…はい!ぞ…存じておりますぅ~…!」
緊張してへんな言葉遣いになったのは許してっ!
「……夏目青空くん。一目惚れしました。好きです。付き合ってくださいっ!!」
「……………ふぇ……??」
言われた言葉に口をパカッと開けて一瞬思考が停止するのも無理はないと思う。
この恋心はずっと胸にしまっておこうと思っていたのだ。
「…えっと…幼馴染が君のクラスにいて……よく行くんだけど、それで初めて君を見かけて一目惚れして……何度も見てるうちに我慢できなくなって、今日…告白しに……きました…」
顔を赤くしながらでもしっかり僕の顔を見ながら真剣に告白してくれる星川くんがとても可愛く見えてしまった。
「あ…あのっ…僕は…君に好きになってもらえるような所何もない…と思うんだけど…。僕人見知りで喋るの苦手だし…あ、慣れれば全然喋るんたけどっ…それに…えっと…星川くんみたいにカッコいい人に僕は釣り合わないと思う……星川くんにはもっといい人…いると…思う……」
そう……僕なんか星川くの横にいれる自信がない。
「っ!そんな事ない!!」
「っ!!」
僕の言い分を大きな声で否定した星川くんにビクッとしてしまった。
「あ…ごめんっ!!でも俺の好きな人をそんな風に否定して欲しくない。夏目くんはいつも細かい所に気が付いて人を助けてるし、人見知りって言ってたけど人と話す時はちゃんと顔見て話してる。それに何と言っても笑った顔が可愛い!!」
僕は星川くんの言葉に、可愛いと言ってくれた事に恥ずかしくなって顔を赤くしてしまった。顔が熱い。
赤面したであろう顔を下を向けた僕の両頬に手を添えて上に向かせられる。
「俺の事かっこいいって思ってくれてるのめっちゃ嬉しい…ふふっ…今の顔もめちゃくちゃ可愛い…。キスしたいくらい…。」
ぼっ!!と音が鳴るくらい更に赤面してしまった僕はハクハクと口を動かすも声はでなくなってしまった。
「好き。付き合って…?」
そのイケメン顔をコテンと首をかしげて言うの…それ狙ってます?かっこいいのに可愛さも持ち合わせてるのずるいと思います。あざとかわいいのずるいと思います!!
「は…はぃぃ~…宜しくお願いします…///」
これはもう“はい”しか言えないやつ。
「!!嬉しい!!ありがとう!!」
「あ…あのでもホントに僕でいいんですか?」
「君じゃなきゃ嫌だ。絶対幸せにする!」
ぎゅっと抱きしめてきた星川くんにぎゅっと抱きしめ返すと更にぎゅーっと抱きしめ返してきた。
「あ~…めちゃくちゃ緊張した……」
「ふふっ…星川くんも緊張するんですね」
「そりゃ俺だって人間ですから?…ってあのさ、敬語やめない?同い年だし…恋人だし?俺のことも青衣って呼んで?」
「う…え…えと…うん。あ…青衣…くん?僕のことも青空って呼んで…ね?///」
「くぅぅぅ~青空が可愛すぎてヤバいぃ~」
と、お付き合いが始まったのが半年前。
あの日以降僕のところに来るようになった流れで彼の幼馴染の宮嶋茜くんとも仲良くなった。
茜くんはグレーアッシュのセミロングのストレートの髪を片耳に掛けているのがとても…その…エロさが増すような綺麗な人。
大人しそうな見た目だけど喋ると活発なThe男の子!って感じで話も楽しいし頼れるお兄ちゃんのよう。同級生だけど。
茜くんとは元々同じクラスだったし、必然的に3人で行動する事が多くなった。
そう…ずっと3人だ。
お昼も一緒。放課後も一緒。休日も一緒。
だけどその中で二人はもっとずっと一緒。何故なら青衣くんは茜くんの家に一緒に帰るからだ。
青衣くんのご両親は今海外出張で家にいなくて、家が隣同士の為ご飯とか茜くんちで食べてるんだって。夜は帰って寝るらしいけどそのまま泊まることの方が多いらしい。
お家の事情だから仕方ないけどね、それでもちょっともやもやしちゃったのは悪くないと思う。
まぁ、僕と青衣くんが恋人になったと言っても元々二人の間に割って入ってったのは僕の方だし、二人きりっていうのも緊張しちゃうから最初はとても有り難かったけど…でもね、はたからみるとどう考えても青衣くんと茜くんが付き合っていてそこに割り込む僕…っていう方がしっくりくるのはどうしたらいい?
顔を近づけて話したり、ハグしたり、食べ物共有したり、それって恋人の距離に見えてもおかしくなくない?
最近二人と一緒にいる所為か、僕が大人しくて聞きやすい所為か知らない人からあの二人は付き合っているのかって聞きに来られるくらい。
僕が青衣くんと二人きりになったのって両手で数えられる程。
スキンシップが少ないのも付き合いたての頃にあまりの緊張でビビリまくり身体が固まっちゃうことが多かったから青衣くんが気を使ってくれて、ちょっとずつ慣れていこうねって言ってくれたからであって、今ではそのスキンシップが少なすぎて僕の方が我慢できなくなってきちゃったけど自分からは言えなくて。
二人と仲良くなる度に二人の中の良さが身に染みてわかる。
幼馴染の二人のスキンシップというか距離?が近いのが最近更にもやもやして辛くなってきちゃった。
僕……恋人だよね…?あれ?もしかして夢だった?
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