絶命必死なポリフェニズム ――Welcome to Xanaduca――

屑歯九十九

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第02章――帰着脳幹編

Phase 226:ひまなし

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《原始形態脳》Smが自己完結体として自然発生のまま誕生させる疑似神経系の中枢機関。人でいうところの脳にあたる。最近では、寄生的器官としてグレーボックスを搭載することで、より支配的に機体を操作又は誘導することが主流になっているため、発達が抑制される部位である。












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 マシューの話が始まると、最初は鈍い表情だったレントンも、やがてうなずき。ため息をついてから機体を見上げる。

「この姿が気に入ってたんだがなぁ……」

 理解を示すように頷くマシューは一歩分離れる。

「気持ちは分かる。けど、元の姿を取り戻すとなると手間もコストも時間もかかる。それに変化ってのは悪いもんじゃない、そう思えばな……。人間生きてりゃ別れもあって、進んだ分、見られる景色だって変わっちまうもんだ。小さかったガキがいつの間にか口も態度もでかくなって……」

 あんたは昔からおつむが小さいけどね! と別の作業の監督をしていたウェンディが声を張り上げた。
 距離と音量をかんがみれば自分の軽口なんて相手に聞こえるはずないと高をくくっていたマシューは険しい顔になる。

「ああ言うこった。例え、血が繋がってても思い通りにはならないんだ。ならいっそ、血の繋がりもなけりゃ人でもない乗り物に関しちゃ、世の不条理に従属する形で実利を得るほうがいいだろ?」

「実利か……提案を聞き入れたら、どれくらい修理期間が短くなる?」

「早ければ、1週間で飛べるようになる。といっても、少し不格好になるかもしれないが、初めての試みでもないから結果には満足してもらえるはずだ」

 マシューとレントンは、今話題にしている飛行機ディノモウの破損の一因となった巨大な黄金虫こがねむしを見た。

「わかった。提案を受け入れよう」

「そう来なくちゃだぜ旦那だんな。そんじゃ、準備するとしようか」

 マシューは振り返り、おい! お前も手伝ってくれ、とバケツで内臓を運んでいた整備士を捕まえる。
 勝手に人員取らないで! と抗議するウェンディにマシューは笑う。

かたいこと言うな。それに、早く終わればその分、人件費も割安に済むし、俺もほかの仕事に手を貸せる」

「本当だよね? もし、修理が終わったあと手を貸さなかったら、あんたの個人ガレージとあのトラックを売り飛ばすからね?」

 マシューは首を引っ込める。

「怖い脅し文句を覚えやがって、誰に似たんだか……」

 その時、工場の裏手で、ピックアップトラックがシャッターの近くまで後退してきた。荷台から降りたシャロンがシャッターを潜って侵入し、いきなり告げる。

「エンジンタウンが攻撃を受けて応援が必要になった。そんで、向こうから機体を求められてる」

 ウェンディが応対するが。

「機体って、こっちにはまだ戦闘用Smはないよ? あっても、荷運び用のダートゴートとか。あとはクダンとか」

「向こうは役に立つならわら1本から子猫であっても喜んで引き取るつもりだ。なんせ、エンジンタウンを潰されたらノルンの奪還も難しくなる上、防衛の中心に食い込まれる。ただでさえ防衛線を掻い潜った連中もいるんだ。敵の通路が太くなったら、いよいよ侵入を止められない」

 シャロンと目が合ったソーニャは、おもむろに口を開く。しかし、隣にいたマイラが口を塞ぎ、抱き上げて背後に隠し。振り返ると、愛想笑いで会釈した。
 シャロンも同じく微笑む。

「安心しな。その子を使うような真似はしないさ」

 するとソーニャは口から姉の手を退けて言った。

「なら! ソーニャでも出来る他のことを手伝うよ!」

 しばらくして、整備工場の広い空間で1体のクダンが起動を始めた。巨大な背中に乗せたトタン壁の個室の中、背骨に乗せた座席に座るシャロンが、巨体に内臓されたレバーの段階を変え、肋骨を除去して内部に設置したペダルを踏み、ハンドルを回す。クダンはシャッターを潜り、外を軽快に走り回った。
 後から出てきたエプロン姿のソーニャは、マスクを外して、ハンマーを握る手を胸元に引き寄せ、よっしゃ! うまくいったぜ! と自身の健闘に心弾む。
 トタンの個室にある小窓から、シャロンが頭を出した。

「ありがとうソーニャ! あんたには助けられっぱなしだ」

 近づいてくるクダンの上から、シャロンの感謝が降り注ぐ。
 ソーニャは。

「生きのいい部品を揃えて組織のポテンシャルを保ってくれた工場のおかげだよ!」

「それでも、ちっさい体で奥まで潜ってくれなきゃ、もっと時間がかかってたんだろ?」
 
 シャロンの指摘に、ソーニャは満更でもない笑みになる。
 遅れて出てきたマイラも、マスクを外し、クダンに駆け寄って、腹部の裂け目を塞ぐ金属クリップを見た。
 ソーニャはシャロンに、ちょっと止まってて、と両手を広げる。
 マイラがクリップを1つ1つ引っ張り、軽く揺さぶってみる。しかし、それらは毛を剃られた皮膚に強固に食らいついて動かない。
 マイラが急ぎ離れて、シャロンに告げた。
 
「開腹部の接合は済んだけど、組織の完全癒着には早くても3時間かかる。それまではできる限り激しい動きはしないでほしい」

 かんばしくない表情で言葉を受け止めたシャロンは口だけ微笑み、分かった、と頷いた。

「本当に助かったよ2人とも。それと、ウェンディにも」

 2人が振り返り、いつの間にか出てきた責任者に注目が集まる。

「感謝なら、町の部隊の人たちに言いなよ。そのクダンを融通してくれたんだから」

「そうだな。機会があれば酒でもおごるつもりだ。それと、こっちに破損した機体を連れて来てもいいかい?」

「ああ、問題ない。と言っても、人手が少ないからなぁ……」

 注目は家族2人に移った。
 ソーニャに見上げられたマイラは答える。

「結局、逃げるための足がないんじゃ、どうにもならないし……。ただで居座るのは失礼だし」

「それじゃあ、ご厄介になる間は! 勉強させてもらいましょう!」

 よろしくお願いします社長、などとソーニャはベテランビジネスマンでも装うように、努めて野太い声と厳めしい笑みで握手を求めた。
 それに快く応じるウェンディは、こちらこそ、と2人を工場に迎え入れる。

「そんじゃ、あたしらも行くとするか……」

 と告げたシャロンは乗り回すクダンを進ませる。その後ろに部下がそれぞれ子牛ほどの大きさの山羊や2本足のバッタにまたがって、ハンドルや手綱型の操縦桿を握り、同じ小型機体をピックアップトラックに載せて出発した。
 個室の壁をくり抜いただけの窓から広く見渡すシャロンは。

「これで応援に行ける。もしかすると、市庁舎にいる部隊も機動力を当てにして、ここに来るかもしれない。その時はよろしく頼む。そんじゃ、本当に助かった。あんがとね!」

 お気をつけて! とソーニャが手を振って見送った。
 それからも、次々と機体を求めて人が来て、損耗した機体が送られてきた。
 加えて、敵であるアグリーフットやウェイバーの散発的な急襲にも対応を迫られ、そちらは自警軍が矢面に立ち。 
 敷地内に入ったウェイバーは、ソーニャの目の届く範囲でスロウスが捕まえて破壊した。
 流石に修理依頼が立て込んだせいで、マシューが手を貸す場面もあり、シャロンが来た当日も大変だったが、2日目の仕事が終わったのは、日付変更が目前になった頃。しかし、ソーニャは。

「見て見て! 筋肉を作り出すファクターを組み合わせたら、こんなに心筋が発達した!」
 
 白熱灯の下、壁際の机の上にて、少女がトレイに乗せて見せびらかすのは、赤色が強烈な鶏胸肉じみた塊で、表面の痙縮けいしゅく反応をじっくり観察したマシューは、本当に出来上がってるな、と感心する。
 マシューは? と少女に返された初老の男性は。

「俺が目指したのは、原初生体モドキの脳だ。身体器官の構造はおおよそ見たから、中枢がどんな形態になるのか気になってな。もし、制御システムの構造が分かれば、後々制御系を構築する目安になるだろう?」

 二人で、横たわる円錐触手を見た。小さな照明に四隅から照らされる巨体は、今となっては中身が暴かれ、乱雑に絡み合う管状の器官が取り出され、胴体の横に並べられ、他にも数種類の有機的な袋が切り開かれたまま放置されている。空っぽにされた胴体に関しては、あとは千切りにされるのを待つイカの様な有様だ。
 ソーニャは言う。

「まさか、グレーボックスを搭載して、操作しようと思ったの?」

「ああ。ただ、あいつはもうだめだ。アンモニア臭がするあたり発達が早すぎて、酵素と不完全に接触して内部で分解が始まってんだ」

「導管の接続の不手際か……きっと、燃焼器官か消化摂取器官の配管エラーで、そこから酵素が流れ出たか、あるいは染み出したんだろうね……。原始的な栄養浸潤方式でよく起こるから、やっぱり、構造的に原初生体に近いのかも」

 マシューは。

「それでも、あの巨体の各部位を連携させて動かしたってことは、中枢は高い完成度だ。組織的エラーや、機能的不備はともかく、最低限電気刺激で応答ができる程度には出来上がって、原始本能まで再現している。だから、動くものに執着し、執拗しつようにデブに絡んだんだ」

 マシューが思い出すのは、サッカーフィストに覆いかぶさった円錐触手の姿で、今まさに横たわる巨体の空っぽな胴体を見つめて言った。

「あいつの脳自体は、すでに破損が目立ってたから、その下の延髄から未発達の中枢種子細胞を取って培養した。観察と発生機序きじょを調べるためにな。投入したのは、SmB-1a活性剤。それに細胞を製造する各種キナーゼで、そこのノートにメモしてる。あとアストロサイト誘導剤たんぱく質に、数種類のアミノ酸……。ミキサーにかけたレバーとほうれん草、それと肉骨粉……合計で120g。そしたら……」

 マシューが見せたトレイには、まるで幼稚園児が作ったようなトカゲみたいなものが横たわり、脚の代わりに、樹状の突起が三対生え、尻尾からは、背骨みたいな半透明の物質が垂れていた。
 持ち上げてもいい? とソーニャは尋ね。相手の首肯しゅこうを合図にピンセットでトカゲを持ち上げた。

「原始形態脳……形的には、リヴァイアサン系統のものに近い気がするけど……。なんなら、昔見た小型のドレイクがこんな感じだったはず……」

 マシューは頷く。

「俺もそう思った。だが、お前の言葉を信じるなら、アレは変異ロックから奪った細胞が、そのまま自己転生を起こした結果だろ? となると、形状的には……ロックの祖先機種であるジズに即しているべきだから、原始形態脳はこっちに近くなるはずだ」

 マシューは、彼らのいる工場の片隅に静かに置いてある作業机から、小瓶を回収した。薄い琥珀色の液体に入れられていたのは、羽毛が生える前の鳥の未熟児のような物体だった。翼の代わりに樹状に枝分かれする器官を生やし、保存液を考慮しても、長い小尾を鑑みても、脳トカゲに通じる色と形だ。
 マシューは。

「これは、ロックじゃないがガルーダの自己完結機体から採取した原始形態脳から採取した細胞から成長させたものだ」

「ガルーダ……。すごい珍しいね。しかも自己完結機体だなんて。この細胞を採取するの高かったんじゃ」

「修理の駄賃にもらったんだ。訳ありみたいだったんで、渋々許してもらえた。しかし、こいつもジズの系統で、これこそが、その証だ……」

「形が違う。ということは……」

「間違いなく、俺が採取したのは、あの円錐触手のものだ。だが、ロックじゃない。試しに、三次元シーケンサーにもかけたが、結果は思った通り、リヴァイアサン系のものだった……」

「そんな……三次元シーケンサーがあったなんて」

 ソーニャは目を皿にして、工場を見渡す。次から次へとくる仕事に追われて疲れ切った従業員がその場に寝袋を敷いたり、作業机に突っ伏したり、壁際の長椅子に座って力尽きて、持っていたコーヒー缶を落としたりする者が確認できた。しかし、彼女の求める機材は見当たらない。
 マシューは落ち着きを維持したまま告げる。

「シーケンサーは隣の部屋だ。高級品だからより厳重に保管してる」

 なるほど、とソーニャは話を戻す。











※作者の言葉※
次の投稿は1月11日の土曜日に予定変更いたします。




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