絶命必死なポリフェニズム ――Welcome to Xanaduca――

屑歯九十九

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第02章――帰着脳幹編

Phase 259:虫使いの女

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《ストーカーフライ》ドライブフライの構成員が装備するSm飛行ユニット。もとになった機体は、イソリ社のショーナゴンMJ系で、それを人の体にフィットするように改良を重ね、操縦性向上と技術流出リスクの低減も兼ねて、独自のニューロジャンクシステムを組み込んでいる。










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 マイラが放った星雲の砲弾は、まぶしい光の群れと雷鳴の塊へ変容し、飛翔する影の近くで火花となって光る粒子を拡散した。それは広範囲の闇を消し飛ばして、隠れていた影の正体を鮮明にする。
 露になるのは、人の身の丈どころか、スロウスを超えて航空機ディノモウにさえ近づく巨体の蜻蛉とんぼ。真下で暴れるアガメムノンと比較すれば、通常の蜻蛉サイズより小さく見えるかもしれないが、人が扱う虫取り網では捕らえられないのは明白だ。
 稲光の粉雪とサーチライトに照らし出された全貌の禍々しさは、近くで見るほど息を飲む。まるで重機のバケットを思わせる金属の下顎。頭頂部に備わる垂直の機械は、いまだ陰に隠れるが先端を稼働させて火花を散らし、前足の代わりに備わる機械のアームが支える電動鋸、それと、胸に組み込まれた機関銃は、あなどることを許さない造形で、残忍な意志が露骨であった。
 マイラに抱きしめられ半ば拘束されていたソーニャは、窓の向こうにいる蜻蛉へ目を輝かせた。

「ユハラオーの……多分形状からP17かT23だと思う!  あの頭の形状からして間違いない! と思う! ただしダイナゴン系とほぼ見分けがつかないからなぁ。けど、流通量からしてユハラオーだと思うんだよなぁ。イソリ社のザナドゥカ工場がピックマンとの共同開発で設計した機体だし、もとはイソリが偶然に発見した未熟生体をピッグマンの特許技術を組み入れることで完成に至ったんだよ」

「分かったから奥に引っ込んでて!」

 とマイラはソーニャを機内の中心へ押し込み、自身は振るった杖からあふれる星雲で大きな円盤を作り、その中心に杖頭を押し付けた。そこから稲光が放射状に広がって星雲の表層を駆け巡る。反応いちじるしい星雲は、よく泳ぐクラゲを思わせる挙動で傘を波打たせ、ハッチから飛び出す。そして、巨大蜻蛉バーザーテールの銃撃を受け止めた。
 マイラが突き出す杖から絶えず発生する稲光は、星雲の円盤を傘として支え、マイラが空いた片手を突き出すと、飛んでいく。
 発射された星雲の傘に対し、バーザーテールは大きく身をひるがえし、接触を回避した。
 スープスターは鼻で笑う。

「やっぱり、マグネティストを相手にするのは面倒だ。なら、死角から攻めさせてもらうとしよう」

 空を舞う巨大な蜻蛉バーザーテール。その中で操縦を担うスープスターは、握っていた動物の下顎めいた操縦桿を引き寄せる。すると、操縦桿を支えていた脊柱を思わせる構造が根元の筋肉を引っ張った。
 巨体をくねらせ急上昇し、後方宙返りを披露するバーザーテールは、抱える機関銃で、真下を駆け抜けて逃げ去っていくディノモウを襲う。
 冗談じゃないッ、とマーキュリーは枠組みを蹴って十座を反転させ、後ろに向かって射撃を実行する。
 バーザーテールの攻撃は星雲にほぼ阻まれ、反撃の弾丸を避けるために機体を横に倒し、高度を下げた。
 スープスターは笑った。

「やっぱり簡単には攻めさせてくれないよな。だったら……今度は別の個所をくすぐらせてもらう」

 バーザーテールは標的の下へと潜り込んだ。
 野郎どこ行きやがった!? とマーキュリーは訴え、360度見渡して真下を向く。
 同じく巨大な敵を探して、ハッチから外を覗き込んでいたマイラは、突然、足元から湧いてくる振動に気づく。それが何なのか分からないが、危機だと思わない愚か者は居なかった。
 マイラは早々に杖から発した星雲を指で爪弾き、光の雲に対流を引き起こすと、その内部から走った細い稲光が、彼女の指先に引っ張られて、弓の弦の如く弾かれ、薄く開くハッチを飛び出し、薄い星雲の内部を駆け抜け、機体の下へ流れ、星雲がより濃い箇所に到達する。その真上では、稲光が額に接続するマイラが、殴打するように杖を振るい、杖の猫の頭蓋の意匠で一点を指し示す。
 作り物の猫が見据える床の下では、稲光が方々に枝分かれして、引き寄せられた星雲が密度と厚みを増大する。それを削ろうとするのは、体を垂直に近づけるバーザーテールが角のように頭に備える丸鋸で、回転する刃が星雲との接触で火花を生み出し、ディノモウを震撼させた。
 トランシーバーの雑音を耳にしたソーニャは声を張り上げる。

「スロウスに近づいて! 命令が通信できない!」

 承知しましたお嬢様! と従順な返答をするレントンの面持ちは、ディノモウの旋回のために必死さが表れる。
 地上の武装集団が持ち出したサーチライトを浴びるディノモウは、玉虫色の装甲を照らされながらスロウスへと直行し、その途中ドライブフライの面々を機体の威容で追い払う。
 頭目ベンは怒鳴る。

「スープスター! 敵を足止めしろ!」

 旋回するディノモウの窓から見れば、巨体の二の腕を鉈とナイフをピッケル代わりに登っていたスロウスは、星雲の皮が相当剥がされ、弾丸が当たるヘルメットは打楽器になる。それに加えて、アガメムノンの肩に差し掛かったところで動くのをやめていた。
 ソーニャは眉尻を下げる。

「ああ、やっぱり防御本能で停止してる……。スロウス! そのまま登り続けて! ハリーアップで!」

 銃撃の雑音を響かせるトランシーバーに、ソーニャが声を吹き込めばスロウスの首輪が伝言し、動くことを強いる。
 マイラは星雲の塊を構築して、ハッチの手前で待機していた。
 操縦桿の抵抗が穏やかになったレントンは呟く。

「振動もなくなったが一体なんだったんだ?」

 直後、目の前にバーザーテールが現れる。機体を傾け接触を回避せざるを得ない。それで機内の全員が揺さぶられる。
 姿勢を安定させて! とマイラは訴えた。
 俺じゃなく敵に言ってくれお客さん! とレントンは語るが。それでも懸命に要望に応えようと操縦桿を制御する。
 マーキュリーも銃座の射撃で蜻蛉を襲った。
 バーザーテールからの銃撃は続いていたが、今度もまた星雲が受け止める、しかし、かなりの弾丸が貫通し、機体に直接触れ、銃座の天蓋は被弾し、ガラスにひびが入り、それを支える金属のフレームが火花を発し、マーキュリーはとっさに銃座から飛び降りて、枠を掴んでぶら下がって機内に侵入した弾丸をやり過ごす。

「おいお姉さん! 防御魔法が効いてないぞ! どうなってんだ!」

 魔法じゃないっての! とマーキュリーに口答えするマイラは杖から創造した捻じれ狂う星雲の塊をハッチから発射し、スロウスへぶつけた。 
 巨躯きょくは一瞬にして拡散する星屑ほしくずに隠され、接近していたドライブフライの面々はおののいて距離をとる。
 スロウスは一瞬身動きを止めたが、再び目の前の視界が晴れると、鉈とナイフでアガメムノンの硬い表皮を突き刺し、肩を登りだす。

「スロウス! 上るんだ! 全力で登って目的地に行くんだぞー!」

 声援というより厳命に近い物言いを、異音の目立つトランシーバーに吹聴するソーニャ。
 そんな少女にマイラは振り返る。

「ソーニャ! じっとして! 今まで私が別の作業してたから飛行機の防御がおろそかになってるの!」

 了解! とソーニャはその場に伏せて、背負っていた薄っぺらいが役に立ってきた盾に身を隠す。
 マイラがハッチから手を伸ばし、杖頭でもって機体を守る星雲の薄膜を引っ掛け、手で手繰り寄せ、膜の内部に滞留する星屑を指でかき混ぜると、指を中心に星雲の表面で稲光が波紋を作った。
 もう一回! とスープスターはバーザーテールを急速旋回させて銃撃を再開する。しかし、色濃くなった星雲が弾丸を包んで稲光で弾いていく。
 懸垂けんすいで銃座に戻ったマーキュリーが弾丸の返礼に弾丸を贈る。
 バーザーテールはディノモウの頭上を追い越すかに思われたが、途中で右へと逸れて、銃座からの反撃を回避した。
 そして距離をとった、かと思えば再び下へ潜り込もうと滑空する。額に存在する丸鋸が回転を始め、星雲の薄膜を再び襲う。そこから生まれる稲光は、マイラが指を入れた星雲まで届いていた。
 させないよ! とマイラは杖を旋回させてから水平に構える。すると杖からも稲光が発して薄膜へ送られる。
 帝王切開だ! とスープスターは豪語した。
 四枚のはねを閉じ、折り畳んでいたアームが伸び上がると。先ほど傷つけた部分に丸鋸を押し付ける。重力に身を投げ出す一瞬の攻防。レントンが操縦によってディノモウを上下させるのをアームに組み込んだ有機的な配線でもって敏感に察知した。 
 スープスターは自身の頭頂部から延びるケーブルを撫でた。

「バーザーテールの触覚センサーに、逃れられるわけないだろ?」

 主の感情に呼応するバーザーテールはディノモウの下から過ぎ去り、再び翅を震わせ急速旋回する。
 アームが星雲を削った手応えに異変を察知するスープスターは突然前のめりになって、なんだ? と口走る。
 鋸が直撃したその時、稼働する丸鋸はより濃密に分厚くなった星雲に押し返されていた。
 スープスターは求めていた手応えが得られず苛立った。今度は斜め下からディノモウの進路上に到達した。バーザーテイル自体はホバリングで位置を保っていたが、ディノモウは前進を続けていた。そのため、水平に刃を構えるだけで機体に傷が描かれる。せっかく直したガラス窓がさっそく砕け散り、機内で細かな破片が、俯せになってたソーニャが背負う盾に降り注ぐ。
 マイラは機体を襲う振動に耐えつつ、攻撃を受けた箇所へ杖を向けた。すると、杖頭の示す箇所を辿るようにハッチ前の星雲の膨らみが、まるで水面の下を泳ぐ影の如く移動し、丸鋸の刃にまとわりつく。
 操縦桿を操るスープスターは、レバーを可変し、離脱する。

「面倒くさい感触……。昔戦ったやつを思い出すな。あの時は、ノラの飛行型Smで、切ったそばから体内の寄生虫が飛び出してたっけ」

 バーザーテールは丸鋸でハッチの縁を引っ掻く。そしてディノモウの真後ろにつくと、今度はハッチに向かって弾丸を飛ばした。
 この前と違い、弾丸はマイラにも接近し、機内にまで入る。 
 レントンがペダルの1つを踏むと、ハッチの戸がせり上がり盾となる。
 スープースターは、面前の画面に映る光景を見て、やっぱり、と確信を深めた。

「星雲の防御の範囲は機体全体だけど、防御の厚みはその都度変えなきゃならないってわけだ。なら……絶え間ない攻撃で突破させてもらう!」

 バーザーデールは、真っ直ぐ伸ばした尻尾の先にあるジェットから熱気を噴射し、一気に加速して上下逆さになる。翼が干渉することなく、伸ばした腕の丸鋸で再びディノモウの横っ腹を掻っ捌いだ。だが、思っていたほどの成果はなく、掻き乱せたのは厚い星雲の層にとどまる。 
 振動する機内では、マイラが襲われたディノモウの横っ腹へ、杖頭を向けていた。
 読まれてたか? とスープスター。
 読みが当たった、とマイラが独り言を呟く。
 バーザーテールは尻尾を下げて垂直になると、抱えていた機関銃をディノモウの底面に向けた。
 左右敵なし! と左右を移動して窓の向こうを確認したソーニャが声を張り上げ。
 マーキュリーは、前にも上にもいない! と報告。
 なら下か! とマイラは床に杖頭を向けた。すると、示された箇所に沿って星雲が集中し、向かってくる弾丸を受け止める。
 目の前のモニターに映る結果にスープスターは目を見張る。

「どういうことだ? 予想は間違いだったか? それとも、こっちの狙いが分かりやすかったか?」









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