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出発

きゅうわめ

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 国境を越えてセーほにゃらららの隣国であるオナーニッビュル国の第1の町まで、大きな問題もなく進んで来ました。
 セーうんちゃら国は他の国に比べて小さいらしい。
 魔族領がすぐ傍にあるからとか。
 まあ、魔族をどうにかしないと領地増やすにも大変だろうね。
 人間同士で争って領地を拡げるにも、いつ魔族が襲ってくるかわからない。
 逆に魔族領に攻め込んでいる時に国が襲われないとも限らない。
 攻めあぐねいている状態なんだろうなぁ。
 そこに勇者か。
 ……しかし何故そんな国に召喚陣があったんだろうね?
 光の女神様とやらに確認出来ないからわかんないけど。

 そんなことより、ジュークは大丈夫か心配。
 心配っていうか、あれです、めっちゃ元気すぎて怖い。
 何がってナニが。
 確かに精気が欲しくて俺も誘ったんだけど、あんなにヤってていいのかな?
 1回で終わらないとか、俺の体液のせいなのかな?
 俺でも腰がダルいのに……。

 まず国境を越えて、俺はジュークに川か湖みたいなのに寄ってもいいか聞きましたよ。
 ええ、だって溢れてきてて、ズボンまでぐっしょりなんだもん!
 馬には鞍がついてるけど、染み込んでるんじゃないかってぐらいにね!
 だから洗いたいし、染み込む前に拭きたいし、休憩もしたいし。
 国境を越えたのが夕方だし、野宿するにも水辺の近くならゆっくり水浴び出来るだろう、っていうね。
 MAPで道を確認したらいい所に湖があったんですよね。
 なのでお伺いの上、向かいましたとも、ええ。
 昨日と同じようにジュークが簡単に場所を整えている間に薪を拾って、火を熾す。
 湖のすぐ側だから焚き火がほんのり篝火の役割も果たしている。
 もうご飯の前に水浴びがしたくてしたくて……その湖も深くも浅くもないちょうどいいもので、異空間から食料を出してジュークに渡し、俺は湖にダイブですわ。
 ばばばっと服を脱いでね。

 ズボンにこびり付いたカピカピをグイグイ揉んで洗い、水気を絞って岩に引っ掛けておく。
 後で焚き火に当てようと思ってね。
 そして潜って泳いで漂って冷たいけどお風呂を堪能。
 そしていざ身体を洗おうと思ってジュークには見えない陰はないかと周囲を見回したら、ジュークがすっぽんぽんで湖に入って来てた。

「遠くには行くな」
「あ、うん。わかってる……でも……」
「でも?」

 焚き火ではしっかり見えないだろうけど、素っ裸が恥ずかしくてちょっと距離が欲しい。
 そしてあらぬ所を洗う姿は見られたくない!
 言い淀む俺の心の声が聞こえないジュークは、1歩離れたら2歩詰めてくる。
 早々に捕まり、テントのある際の方へ連れてかれてしまった。

「あの、ジューク!」
「なんだ?」
「いや、だから……その……洗うから……」

 もごもごと説明にもなっていない説明をするけれど、ジュークは首を傾げるだけだ。
 頭から湯気が出そうデス!!

「だから……ナカ、洗うから……」

 もうジュークの顔見れないよね。
 俯いてボソボソ言えば、漸く理解したらしい。
 一瞬ギシッと音を立てて固まったかと思いきや、ザバザバッと離れた。

「す、すまん……!」
「いや、うん。その……見ないでね?」

 なんとも言えない空気と微妙な距離の中、俺は見えないように岸を背もたれに座れる場所を探して座り込んだ。
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