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交易都市
さんじゅうはちわめ
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じっくりと検分したジュークが店主に顔を向ける。
「俺の剣を仕立ててほしいのだが……」
「え、っと……お使いの剣を見せていただけますか?」
「ああ、これだ」
鞘ごとカウンターに置いた剣を、店主が手に取る。
そうして鞘から取り出し、色んな角度からジュークの剣を見ている。
目元とか見えないからどんな表情をしているかはわからないけど、空気はピリッとしていて多分真剣に見てるとは思う。
カチッと剣を鞘に戻した店主はかなり上を向いてジュークと向き合った。
「大事にされているのがわかります。ですが、何故これ以上の剣を求めるのですか?」
「……魔王の元へ行くからだ」
「……魔王!?」
「そうだ。だからこの剣ではいつか競り負けることがあるだろう」
「……そうですか……」
魔王の元へ行くまでにどれだけの戦いがあるかわからないからね。
今でもそこそこの数の魔物を倒しているはずだ。
剣のことはわからないから俺から何か言えることはないけど、ジュークが言うならそうなんだろう、と大人しく聞いている。
エルは興味なさそうにしてるけど。
2人の会話は俺には理解出来ないとこで進んでいく。
多分、材質?かな?
そこらの話をしているみたいだ。
俺とエルは2人の邪魔にならないように、店の端っこでお茶を飲んでいる。
暇を持て余した俺は、小声でエロフ君の実況をエルに教えて、エルの反応を見て愉しんでいます。
いやぁ、エロフ君の痴態が目に浮かぶね。
それを想像しているエルも、うん、エロ気たっぷりの顔してます。
もじもじし始めてるし、ここが宿屋なら今すぐにでもずこばこ始めるのに!
と思っていたらジュークの顔が、ぐにゃりと歪んで何か悩んでいるらしいことに気付く。
「どうしたの?」
「いや……店主が言う材料はそれなりの場所にあってな。そこへ行くのは……」
「遠いの?」
「そこまで遠くはない。が、出てくる魔物がな……」
「ジュークとエルでもダメなの?」
「厳しいな」
「俺が居てもかな……うーん……魔法が効くかもわかんないし……」
「……いや、あそこの魔物は物理には強いが状態異常に弱いはずだ」
「じゃあ大丈夫かな」
「来てくれるのか?」
「当たり前でしょ?」
「そうか……。では店主、材料を持ってきた時には頼みたい」
「わかりました」
店を出た俺達は途中で見つけた宿屋に泊り、明日材料を取りに行くことにした。
エロフ君の実況でエロエロ度が高まったエルにベッドに押し倒され、美味しくいただかれましたよ、ええ。
エロフ君の腰がどう動いているか、とか教えるとそれを真似して俺の上でくねるエルちょーエロい。
そしてそこそこエルが満足した頃合いを見計らって、ジュークが尋ねてくる。
「フェリオの状況を何故そんなにも詳細に知ることが出来るのか」
勇者の力で隷属契約を結んだことを教え、ゼルみたいに脳内で会話が出来るようになったと告げたら、2人の顔が面白くないとばかりに歪んだ。
「エロフ君は、他の奴の精を求められるけど、2人は出来る?」
そう問いかければ2人共が首を横に振ったので、隷属契約はなし!
いいんだよ、適材適所!
2人は俺とずこばこして気持ちいい時間を過ごそうね!
エロフ君にはご褒美として俺が突っ込んで啼かすけど。
胸を張ってそう告げたらジュークに押し倒されてヤられました。
くったりとベッドに沈みながらエロフ君に宿屋に戻ってくるように告げる。
……ドロドロなんじゃね?とは思ったけど、仕方ないよね。
次は服を持たせよう、そうしよう。
とりあえず身綺麗にしてくるんだよ、と言ったら転がっている男の服でちゃんと拭きました、と言われた。
まあ、それでいいよ、うん。
そうして戻ってきたエロフ君にも材料取りに行くことを伝え、シャワーを浴びてその日は皆しっかりと休むことにした。
そうして次の日、半日かけて鉱山の麓の町まで歩きで移動する。
そこで昼食を取り、ジュークを先頭に鉱山に足を踏み入れた。
目的の材料はこの鉱山の地下……何階だったかな?
そこは忘れてしまったけど、浅い階層では危なげなく進むことが出来た。
エロフ君、弓がお上手でした。
動く的……しかも目を狙って一発必中なのですよ。
……安定の火力過多。
エロフ君が先制の一撃を食らわせ、困惑している所にジュークの剣が一薙ぎ、そしてエルの抉るような重い一撃がドスン!
これで倒せなくてもゼルが控えているし、ジュークもエロフ君も次の一手をいつでも放てるのだ。
うん、酷い火力過多。
俺のやることがない!
だがそれも地下3階、4階と降りていく毎に、1匹倒すのに時間がかかり始める。
出てくる魔物はいわゆるゴーレム系。
エル、ジューク、エロフ君はヒットアンドアウェイで倒そうとするけれど、坑道は狭い。
そしてゼルは取り付いて体内から破壊するタイプなので、時間がかかる。
漸く……漸く俺の出番ですよ!
俺の魔法は麻痺、睡眠、拘束、幻影とありますが……ここで確認したところ、鈍足、毒、混乱、と増えてました。
そして鑑定……これで弱点もしっかり把握!
まずは足止めに魔法を重ね掛けしてやる。
睡眠が主ですね。
これで眠らなくても鈍足を掛けてやり、麻痺や拘束も重ねれば殆どと言っていいほど止まる。
ゴーレム達は状態異常に弱いとは言っても、一発で効かない時があってちょびっとヒヤっとする時もあった。
それでもそうして弱点……基本は心臓的なコアですね。
ここを破壊すればオッケイなので、その場所を特定するのが鑑定なのですね、はい。
左胸の辺りにあったり、頭にあったりとてんでバラバラ。
鑑定出来て良かった!
そうしてボス的な所まで大きな怪我もなく向かうことが出来ました。
「俺の剣を仕立ててほしいのだが……」
「え、っと……お使いの剣を見せていただけますか?」
「ああ、これだ」
鞘ごとカウンターに置いた剣を、店主が手に取る。
そうして鞘から取り出し、色んな角度からジュークの剣を見ている。
目元とか見えないからどんな表情をしているかはわからないけど、空気はピリッとしていて多分真剣に見てるとは思う。
カチッと剣を鞘に戻した店主はかなり上を向いてジュークと向き合った。
「大事にされているのがわかります。ですが、何故これ以上の剣を求めるのですか?」
「……魔王の元へ行くからだ」
「……魔王!?」
「そうだ。だからこの剣ではいつか競り負けることがあるだろう」
「……そうですか……」
魔王の元へ行くまでにどれだけの戦いがあるかわからないからね。
今でもそこそこの数の魔物を倒しているはずだ。
剣のことはわからないから俺から何か言えることはないけど、ジュークが言うならそうなんだろう、と大人しく聞いている。
エルは興味なさそうにしてるけど。
2人の会話は俺には理解出来ないとこで進んでいく。
多分、材質?かな?
そこらの話をしているみたいだ。
俺とエルは2人の邪魔にならないように、店の端っこでお茶を飲んでいる。
暇を持て余した俺は、小声でエロフ君の実況をエルに教えて、エルの反応を見て愉しんでいます。
いやぁ、エロフ君の痴態が目に浮かぶね。
それを想像しているエルも、うん、エロ気たっぷりの顔してます。
もじもじし始めてるし、ここが宿屋なら今すぐにでもずこばこ始めるのに!
と思っていたらジュークの顔が、ぐにゃりと歪んで何か悩んでいるらしいことに気付く。
「どうしたの?」
「いや……店主が言う材料はそれなりの場所にあってな。そこへ行くのは……」
「遠いの?」
「そこまで遠くはない。が、出てくる魔物がな……」
「ジュークとエルでもダメなの?」
「厳しいな」
「俺が居てもかな……うーん……魔法が効くかもわかんないし……」
「……いや、あそこの魔物は物理には強いが状態異常に弱いはずだ」
「じゃあ大丈夫かな」
「来てくれるのか?」
「当たり前でしょ?」
「そうか……。では店主、材料を持ってきた時には頼みたい」
「わかりました」
店を出た俺達は途中で見つけた宿屋に泊り、明日材料を取りに行くことにした。
エロフ君の実況でエロエロ度が高まったエルにベッドに押し倒され、美味しくいただかれましたよ、ええ。
エロフ君の腰がどう動いているか、とか教えるとそれを真似して俺の上でくねるエルちょーエロい。
そしてそこそこエルが満足した頃合いを見計らって、ジュークが尋ねてくる。
「フェリオの状況を何故そんなにも詳細に知ることが出来るのか」
勇者の力で隷属契約を結んだことを教え、ゼルみたいに脳内で会話が出来るようになったと告げたら、2人の顔が面白くないとばかりに歪んだ。
「エロフ君は、他の奴の精を求められるけど、2人は出来る?」
そう問いかければ2人共が首を横に振ったので、隷属契約はなし!
いいんだよ、適材適所!
2人は俺とずこばこして気持ちいい時間を過ごそうね!
エロフ君にはご褒美として俺が突っ込んで啼かすけど。
胸を張ってそう告げたらジュークに押し倒されてヤられました。
くったりとベッドに沈みながらエロフ君に宿屋に戻ってくるように告げる。
……ドロドロなんじゃね?とは思ったけど、仕方ないよね。
次は服を持たせよう、そうしよう。
とりあえず身綺麗にしてくるんだよ、と言ったら転がっている男の服でちゃんと拭きました、と言われた。
まあ、それでいいよ、うん。
そうして戻ってきたエロフ君にも材料取りに行くことを伝え、シャワーを浴びてその日は皆しっかりと休むことにした。
そうして次の日、半日かけて鉱山の麓の町まで歩きで移動する。
そこで昼食を取り、ジュークを先頭に鉱山に足を踏み入れた。
目的の材料はこの鉱山の地下……何階だったかな?
そこは忘れてしまったけど、浅い階層では危なげなく進むことが出来た。
エロフ君、弓がお上手でした。
動く的……しかも目を狙って一発必中なのですよ。
……安定の火力過多。
エロフ君が先制の一撃を食らわせ、困惑している所にジュークの剣が一薙ぎ、そしてエルの抉るような重い一撃がドスン!
これで倒せなくてもゼルが控えているし、ジュークもエロフ君も次の一手をいつでも放てるのだ。
うん、酷い火力過多。
俺のやることがない!
だがそれも地下3階、4階と降りていく毎に、1匹倒すのに時間がかかり始める。
出てくる魔物はいわゆるゴーレム系。
エル、ジューク、エロフ君はヒットアンドアウェイで倒そうとするけれど、坑道は狭い。
そしてゼルは取り付いて体内から破壊するタイプなので、時間がかかる。
漸く……漸く俺の出番ですよ!
俺の魔法は麻痺、睡眠、拘束、幻影とありますが……ここで確認したところ、鈍足、毒、混乱、と増えてました。
そして鑑定……これで弱点もしっかり把握!
まずは足止めに魔法を重ね掛けしてやる。
睡眠が主ですね。
これで眠らなくても鈍足を掛けてやり、麻痺や拘束も重ねれば殆どと言っていいほど止まる。
ゴーレム達は状態異常に弱いとは言っても、一発で効かない時があってちょびっとヒヤっとする時もあった。
それでもそうして弱点……基本は心臓的なコアですね。
ここを破壊すればオッケイなので、その場所を特定するのが鑑定なのですね、はい。
左胸の辺りにあったり、頭にあったりとてんでバラバラ。
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