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第36話 死闘と書いて体育祭と読むんだってよ②
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【次の競技の方は入場門へ向かってください】
そんなアナウンスに俺は動かしていた手を止めた。目を入口の方へ向けると最後尾が見えないほどの負傷者の列が......
「体育祭とかもうヤダ....自室に帰りたい。というかなんで俺が手伝わなきゃいけないの?」
俺が今居るのは救護テント内だ。血だらけでテント内に入ってくる生徒達に消毒液をぶっかけてガーゼを貼るという流れ作業をする。
.....本来こういうのって保健委員がやるはずじゃん。なんで帰宅部の俺がこんなことしてるの?
「保健委員の子達が負傷して動けない状態だから人手が足りないんだ。だから設楽君にはすっごい助けられてるよ。...........帰すわけねぇだろ。こんな状態の時に何言ってんだ。」
動けない程の負傷とは?
あと先生、ボソリと本音を言わないでくれます?聞こえてるんですけど。それと口悪いですね先生。そっちが本性ですか?
おっと、紹介が遅れました。
笑顔で負傷者達を手当て姿は鼻血もんと生徒達から言われている深谷先生です。因みにこの学園のOBらしい。
長い金髪をポニーテールにし大きな碧眼を持つ深谷先生は確かに可愛い。
可愛いが.......見た目幼女なんだよなぁ。
しかも身長が書記の千鹿谷より低いという。
最初見た時なぜここに幼女が?と思ったよ。でも自己紹介で年齢聞いたらーー
『年齢?僕は咲洲より上だよ』
嘘やん.....おっちゃん先生より年上とか信じれないんですけど。ぶっちゃけ小学生でも通りますよ?
まぁ、そんなこと言えないけど.....本人結構気にしているらしいんですよね、身長と童顔のこと。
「設楽君手が止まってるよ」
「あ、はい。......いや、俺競技もうすぐなんでもう行っていいですか?」
「ギリギリまで行かなくていいよ?出番になったらここから直接トラックに行けばいいし。それにそこら辺のことは咲洲が上手くやっといてくれるから心配しなくていいと思う。............逃がすわけねぇだろ。なんなら離れられないよう縛り付けるか?」
うん.....深谷先生が必死に俺を救護テントに縛り付けたくなる気持ちわかるよ?減るどころかどんどん増えるもんね、負傷者が。
こうグチグチ言ってる俺だけど、ここにいるのはおっちゃん先生の頼みなんだ。
人手が足りないから頼む!!って。
阿鼻叫喚の競技を見るよりもおっちゃんの頼みを聞く方が精神衛生上いいと思ったから後をついていったんだけど......まさかこうなるとは思わなかったよねぇ。
いつもお世話になってるおっちゃんの頼みでも、終わりの見えない負傷者達の治療はちょっと......うん、もう無理!!
「深谷先生!何かおしゃべりしましょう。なんか俺、気が滅入って来ました!」
「いいよ。僕も息抜きがしたかったところだし。...........まじ助かる」
どうやら深谷先生もヤバかったらしい。
「今って紅組と白組どっちが勝ってるんですかね?俺としは白組に勝って欲しいですけど、この負傷者の数からして途中棄権の人が多そうですし......予想がつかないです。」
「そうだね。それにしてもここまで負傷者が多いのは初めてだなぁ。僕がここの生徒だった時でもここまで多いことは無かったよ。............なんでこの学園はイカれた奴がこんな多くなってんだ?」
「.....昔はここまで酷くなかったと?」
「うん。設楽君が来るまではここまで酷くなかったねぇ。」
「え、俺のせいですか?」
「え、あたりまえじゃん。..........コイツも頭イカれてんのか?」
「イカれてないですよ。失礼ですね!!」
「咲洲、会長、風紀委員長、あと一匹狼君。このメンツを聞いて今どう思ったの?」
「この話やめません?俺が死にそうです」
「えぇー面白そうな話なのに」
「深谷先生にとってはでしょ?」
「ちぇー.......僕は咲洲をオススメしとくよ。他はダメ。まともじゃない。その点咲洲はーーー」
やめよつったのに続けるのかこの先生は......。
それにしてもめっちゃおっちゃん先生推してくるなぁ。おっちゃん先生の高校時代の話とか別に興味ないんだけど.....深谷先生の後輩なのかな?おっちゃん先生は。
負傷者の方々が耳を澄ましてるよ.....はい処置したから出てけ、留まるんじゃない!
「ーーそれで咲洲は昔ちょっと性関係爛れてたけど今は驚く程何にもないから心配しなくていいよ。...............あの変わりようマジ爆笑もんだがな。なんで自分をおっちゃん呼びしてんだよ(笑)」
「あの~そこまで話してもらってすみませんが、俺恋愛する気ないんで。それにおっちゃん先生が俺に気があるみたいな話し方してますけどやめてください.......ん?」
なんでそんなジト目で見てくるんですかね?
あ、ため息つかれた。
「お前のそういう所が原因だ、馬鹿め。」
「先生本性出てます」
いや、元々隠せれてなかったけど。
穏やかな喋り方をやめ、いきなり口悪く話す深谷先生は妖精になんて見えない。
見下すような目付きは規制が入ってもいいくらい見た目と合って.....合って....るなぁ。
なんだか小さいマフィアボスみたいだ.....。
こういうガラ悪いところ見ると、ここの学園の生徒だったんだなぁとしみじみ思ってしまう。
「おいそんな目向けんな。なんだその生暖かい視線は?殴るぞ。」
「口悪......」
「ゴホン!.....設楽君のそういう態度がいけないと思います!もっと向き合いましょう」
くっ、この幼女(違います)なんで舌足らずでそんなこと言うんだよ!
あと、この先生の声どうにかならないの!?声まで幼女っぽいってどういうことだよ!?
気が抜けたわ!
「.....向き合ってますよ?」
「その結果がレイプかぁ.......」
「深谷先生、このテント内俺達2人だけじゃないんですよ?もっとデリカシーをっ!!!それとなんでそんなこと知ってるんですかね!?」
「?みんな知ってるよ」
「なっ、なんで!?」
話を聞いていた目の前の負傷者に目を向けると首をコクコクと縦に振られた。それでもまだ信じきれず周りを見ると.....「そんなの知ってる。当たり前じゃん」みたいな顔をされた。
「俺のプライバシー!!!なんで知ってるの!?こういうのって普通隠されるでしょ!ねぇ君!なんで知ってるの?????」
ちょうど消毒液をぶっかけた目の前の生徒に聞いてみる。俺と同じで平凡族平凡科に属する君ならちゃんと話してくれるよね?
「そりゃぁ.....会長と風紀委員長が怒り狂ってたから嫌でも耳に入ったぞ。それに親衛隊から話漏れてたし」
もう俺学校行けない......今までみんなどんな気持ちで俺と接してたんだろう?見てたんだろう?
あ~ヤダなぁ......
「......転校したい」
「「「「それはやめた方がいい」」」」
「!?!?!?」
テント内にいる全員がハモって言った。
一斉にこっち見たからすごいびっくりしたんだけど。
なんでそんな事言うの?
「深谷ちゃんこの人自分がどれだけ執着されてるかわかってないよ!?」
「深谷先生ね?僕としてもここまで自覚がないとは思わなかったなぁ...........詰みだろコレ」
「このキョトンとした顔......いいか?会長らは腐っても権力者の息子だぞ?お前がこの学園から出たら囲われるに決まってんじゃねぇか」
「そうそう。この学園から出るなんて無茶、無謀だよ。設楽君って結構無鉄砲な人?」
「多分最初に動くのが風紀委員長だと思う」
「そこは会長だろ」
「いーや、一匹狼君だね」
テント内が騒がしくなり、そして俺の脳内も騒がしくなった。
なんでみんなそんな断定的に言うの?
俺がここを出たら囲われるのは決定なのか?
そこまで俺は執着されてる?
もう俺って詰んでるの?
みんな楽しそうなのはなんで?
「ちょいちょい待って!!!.....俺はここを出たら囲われるの決定なの!?」
「うん、絶対、必ず。でもそれは仕方ないと思うよ?君が選んだ結果だし」
俺が選んだ結果???
深谷先生の言っている意味がわからない。
俺が何を選んだというんだ。
おい、周りも頷くなよ!
「どうせ君のことだから無自覚なんだろうけど。あ、君にピッタリな言葉思い出した。僕さ『存在が罪だ』っていう言葉最近聞いたんだけど、これ設楽君の為にある言葉みたいだよね。.............潔く諦めろ」
は?
はぁ?
なんで俺が諦めなきゃいけないんだ?
「俺の意思は尊重されないんですかね?囲われるとか絶対に嫌なんですけど」
「設楽君次第じゃないかな?まだ望みはあるかもだよ?............その望みもお前自身が踏み潰すんだろうけどな」
深谷先生の本音部分はスルーだ。不穏すぎる。
「......俺がアドバイスしてやろう」
本性を顕にした深谷が現れた!!
どんなアドバイスを俺にくれるんですか!?
「借り人徒競走で頑張れ」
「全然アドバイスになってませんよ?何ドヤ顔してるんですか!?」
深谷は役立たずだった!!
この人アドバイスの意味わかってんの?
というか俺の出る競技なんで知ってるんですかね?
「借り人徒競走の結果次第でお前の未来は悪くもなるし、良くも.....ならねぇな」
「は!?良くならないんですか!?」
「......大丈夫!設楽君なら良い未来を選べるよ!」
「根拠の無い大丈夫はいらないんですけど!?」
「あーもう、うっせぇな!いいか?お前はただ逃げずにはっきりさせればいい!!今ならそれで全て解決だ!」
借り人徒競走で解決できるもんなの?
......今なら?今なら??
クソっ、宇宙人と話してる気分だ。
もっと詳しく聞こうと思ったが、深谷先生はもう話す気は無いようで、せっせと包帯をを巻いていた。
「はーい治療終わった人は出てってねー!次の人怪我したとこ見せて。設楽君手が止まってるよ」
「あぁはい....すみません」
目の前のこの負傷者も俺のレイプ事件知ってんだよなぁ......どこまで詳しく知ってるか分からないけど。
どう思ってるのかな?
無関心?好奇心?同情心?
なんだか、他人の目を見るのが怖い
【おぉ~!今のところ紅組が優勢ですね。では午前の部最後の競技へ移りましょう!最後は借り人徒競走!!出場する方は準備に入ってください】
あ、俺だ。
「深谷先生、俺行きますね!さよなら!!」
「あっ、ギリギリまでk」
何も聞こえないぜ!!
俺は素早く救護テントを後にした。
あんな異常空間に居たくねぇ
そんなアナウンスに俺は動かしていた手を止めた。目を入口の方へ向けると最後尾が見えないほどの負傷者の列が......
「体育祭とかもうヤダ....自室に帰りたい。というかなんで俺が手伝わなきゃいけないの?」
俺が今居るのは救護テント内だ。血だらけでテント内に入ってくる生徒達に消毒液をぶっかけてガーゼを貼るという流れ作業をする。
.....本来こういうのって保健委員がやるはずじゃん。なんで帰宅部の俺がこんなことしてるの?
「保健委員の子達が負傷して動けない状態だから人手が足りないんだ。だから設楽君にはすっごい助けられてるよ。...........帰すわけねぇだろ。こんな状態の時に何言ってんだ。」
動けない程の負傷とは?
あと先生、ボソリと本音を言わないでくれます?聞こえてるんですけど。それと口悪いですね先生。そっちが本性ですか?
おっと、紹介が遅れました。
笑顔で負傷者達を手当て姿は鼻血もんと生徒達から言われている深谷先生です。因みにこの学園のOBらしい。
長い金髪をポニーテールにし大きな碧眼を持つ深谷先生は確かに可愛い。
可愛いが.......見た目幼女なんだよなぁ。
しかも身長が書記の千鹿谷より低いという。
最初見た時なぜここに幼女が?と思ったよ。でも自己紹介で年齢聞いたらーー
『年齢?僕は咲洲より上だよ』
嘘やん.....おっちゃん先生より年上とか信じれないんですけど。ぶっちゃけ小学生でも通りますよ?
まぁ、そんなこと言えないけど.....本人結構気にしているらしいんですよね、身長と童顔のこと。
「設楽君手が止まってるよ」
「あ、はい。......いや、俺競技もうすぐなんでもう行っていいですか?」
「ギリギリまで行かなくていいよ?出番になったらここから直接トラックに行けばいいし。それにそこら辺のことは咲洲が上手くやっといてくれるから心配しなくていいと思う。............逃がすわけねぇだろ。なんなら離れられないよう縛り付けるか?」
うん.....深谷先生が必死に俺を救護テントに縛り付けたくなる気持ちわかるよ?減るどころかどんどん増えるもんね、負傷者が。
こうグチグチ言ってる俺だけど、ここにいるのはおっちゃん先生の頼みなんだ。
人手が足りないから頼む!!って。
阿鼻叫喚の競技を見るよりもおっちゃんの頼みを聞く方が精神衛生上いいと思ったから後をついていったんだけど......まさかこうなるとは思わなかったよねぇ。
いつもお世話になってるおっちゃんの頼みでも、終わりの見えない負傷者達の治療はちょっと......うん、もう無理!!
「深谷先生!何かおしゃべりしましょう。なんか俺、気が滅入って来ました!」
「いいよ。僕も息抜きがしたかったところだし。...........まじ助かる」
どうやら深谷先生もヤバかったらしい。
「今って紅組と白組どっちが勝ってるんですかね?俺としは白組に勝って欲しいですけど、この負傷者の数からして途中棄権の人が多そうですし......予想がつかないです。」
「そうだね。それにしてもここまで負傷者が多いのは初めてだなぁ。僕がここの生徒だった時でもここまで多いことは無かったよ。............なんでこの学園はイカれた奴がこんな多くなってんだ?」
「.....昔はここまで酷くなかったと?」
「うん。設楽君が来るまではここまで酷くなかったねぇ。」
「え、俺のせいですか?」
「え、あたりまえじゃん。..........コイツも頭イカれてんのか?」
「イカれてないですよ。失礼ですね!!」
「咲洲、会長、風紀委員長、あと一匹狼君。このメンツを聞いて今どう思ったの?」
「この話やめません?俺が死にそうです」
「えぇー面白そうな話なのに」
「深谷先生にとってはでしょ?」
「ちぇー.......僕は咲洲をオススメしとくよ。他はダメ。まともじゃない。その点咲洲はーーー」
やめよつったのに続けるのかこの先生は......。
それにしてもめっちゃおっちゃん先生推してくるなぁ。おっちゃん先生の高校時代の話とか別に興味ないんだけど.....深谷先生の後輩なのかな?おっちゃん先生は。
負傷者の方々が耳を澄ましてるよ.....はい処置したから出てけ、留まるんじゃない!
「ーーそれで咲洲は昔ちょっと性関係爛れてたけど今は驚く程何にもないから心配しなくていいよ。...............あの変わりようマジ爆笑もんだがな。なんで自分をおっちゃん呼びしてんだよ(笑)」
「あの~そこまで話してもらってすみませんが、俺恋愛する気ないんで。それにおっちゃん先生が俺に気があるみたいな話し方してますけどやめてください.......ん?」
なんでそんなジト目で見てくるんですかね?
あ、ため息つかれた。
「お前のそういう所が原因だ、馬鹿め。」
「先生本性出てます」
いや、元々隠せれてなかったけど。
穏やかな喋り方をやめ、いきなり口悪く話す深谷先生は妖精になんて見えない。
見下すような目付きは規制が入ってもいいくらい見た目と合って.....合って....るなぁ。
なんだか小さいマフィアボスみたいだ.....。
こういうガラ悪いところ見ると、ここの学園の生徒だったんだなぁとしみじみ思ってしまう。
「おいそんな目向けんな。なんだその生暖かい視線は?殴るぞ。」
「口悪......」
「ゴホン!.....設楽君のそういう態度がいけないと思います!もっと向き合いましょう」
くっ、この幼女(違います)なんで舌足らずでそんなこと言うんだよ!
あと、この先生の声どうにかならないの!?声まで幼女っぽいってどういうことだよ!?
気が抜けたわ!
「.....向き合ってますよ?」
「その結果がレイプかぁ.......」
「深谷先生、このテント内俺達2人だけじゃないんですよ?もっとデリカシーをっ!!!それとなんでそんなこと知ってるんですかね!?」
「?みんな知ってるよ」
「なっ、なんで!?」
話を聞いていた目の前の負傷者に目を向けると首をコクコクと縦に振られた。それでもまだ信じきれず周りを見ると.....「そんなの知ってる。当たり前じゃん」みたいな顔をされた。
「俺のプライバシー!!!なんで知ってるの!?こういうのって普通隠されるでしょ!ねぇ君!なんで知ってるの?????」
ちょうど消毒液をぶっかけた目の前の生徒に聞いてみる。俺と同じで平凡族平凡科に属する君ならちゃんと話してくれるよね?
「そりゃぁ.....会長と風紀委員長が怒り狂ってたから嫌でも耳に入ったぞ。それに親衛隊から話漏れてたし」
もう俺学校行けない......今までみんなどんな気持ちで俺と接してたんだろう?見てたんだろう?
あ~ヤダなぁ......
「......転校したい」
「「「「それはやめた方がいい」」」」
「!?!?!?」
テント内にいる全員がハモって言った。
一斉にこっち見たからすごいびっくりしたんだけど。
なんでそんな事言うの?
「深谷ちゃんこの人自分がどれだけ執着されてるかわかってないよ!?」
「深谷先生ね?僕としてもここまで自覚がないとは思わなかったなぁ...........詰みだろコレ」
「このキョトンとした顔......いいか?会長らは腐っても権力者の息子だぞ?お前がこの学園から出たら囲われるに決まってんじゃねぇか」
「そうそう。この学園から出るなんて無茶、無謀だよ。設楽君って結構無鉄砲な人?」
「多分最初に動くのが風紀委員長だと思う」
「そこは会長だろ」
「いーや、一匹狼君だね」
テント内が騒がしくなり、そして俺の脳内も騒がしくなった。
なんでみんなそんな断定的に言うの?
俺がここを出たら囲われるのは決定なのか?
そこまで俺は執着されてる?
もう俺って詰んでるの?
みんな楽しそうなのはなんで?
「ちょいちょい待って!!!.....俺はここを出たら囲われるの決定なの!?」
「うん、絶対、必ず。でもそれは仕方ないと思うよ?君が選んだ結果だし」
俺が選んだ結果???
深谷先生の言っている意味がわからない。
俺が何を選んだというんだ。
おい、周りも頷くなよ!
「どうせ君のことだから無自覚なんだろうけど。あ、君にピッタリな言葉思い出した。僕さ『存在が罪だ』っていう言葉最近聞いたんだけど、これ設楽君の為にある言葉みたいだよね。.............潔く諦めろ」
は?
はぁ?
なんで俺が諦めなきゃいけないんだ?
「俺の意思は尊重されないんですかね?囲われるとか絶対に嫌なんですけど」
「設楽君次第じゃないかな?まだ望みはあるかもだよ?............その望みもお前自身が踏み潰すんだろうけどな」
深谷先生の本音部分はスルーだ。不穏すぎる。
「......俺がアドバイスしてやろう」
本性を顕にした深谷が現れた!!
どんなアドバイスを俺にくれるんですか!?
「借り人徒競走で頑張れ」
「全然アドバイスになってませんよ?何ドヤ顔してるんですか!?」
深谷は役立たずだった!!
この人アドバイスの意味わかってんの?
というか俺の出る競技なんで知ってるんですかね?
「借り人徒競走の結果次第でお前の未来は悪くもなるし、良くも.....ならねぇな」
「は!?良くならないんですか!?」
「......大丈夫!設楽君なら良い未来を選べるよ!」
「根拠の無い大丈夫はいらないんですけど!?」
「あーもう、うっせぇな!いいか?お前はただ逃げずにはっきりさせればいい!!今ならそれで全て解決だ!」
借り人徒競走で解決できるもんなの?
......今なら?今なら??
クソっ、宇宙人と話してる気分だ。
もっと詳しく聞こうと思ったが、深谷先生はもう話す気は無いようで、せっせと包帯をを巻いていた。
「はーい治療終わった人は出てってねー!次の人怪我したとこ見せて。設楽君手が止まってるよ」
「あぁはい....すみません」
目の前のこの負傷者も俺のレイプ事件知ってんだよなぁ......どこまで詳しく知ってるか分からないけど。
どう思ってるのかな?
無関心?好奇心?同情心?
なんだか、他人の目を見るのが怖い
【おぉ~!今のところ紅組が優勢ですね。では午前の部最後の競技へ移りましょう!最後は借り人徒競走!!出場する方は準備に入ってください】
あ、俺だ。
「深谷先生、俺行きますね!さよなら!!」
「あっ、ギリギリまでk」
何も聞こえないぜ!!
俺は素早く救護テントを後にした。
あんな異常空間に居たくねぇ
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