17 / 22
17
しおりを挟む
17
たどたどしく自分のシャツのボタンに手をかけたら、裸の胸に身体ごと強く引き寄せられ、戸惑っているうちに情熱的に唇を奪われた。
ユーディアはこれまで誰とも付き合ったことがないから、こんな時どうしていいのか分からなくなってしまう。唇は意外と柔らかいものだなと思う間に歯列を割ってエドゥアルドの舌がユーディアのそれを絡めながら舐めとった。
「んっ……」
(気持ちいい、口の中ゾワッてする)
ユーディアが成すがままに身体から力を抜いたのをいいことに、角度を変えて口づけながら、エドゥアルドは利き手ではない手で首元を緩め器用にシャツを脱がせてくる。温室とはいえ、肌を晒されたら少しだけ鳥肌が立った。
「寒い?」
「あっためてくれるよね?」
「すぐ、熱くする」
摩るように大きな掌に胸をまさぐられると男なのにびくんっと身体が感じて震えてしまう。ぎゅうっと太い腕を震える手で掴む。
エドゥアルドは唇を少しだけ離して「感じてる? 可愛いな」と低く耳障りのいい声で囁いてきた。
(なんだよ、余裕かよ)
だが恋人扱いをしてくるエドゥアルドはいつもよりさらに優しく感じて、なんだか恥ずかしくて参ってしまう。
「ちょっと、待って」
またキスしてこようとしたエドゥアルドの鼻をつんとした綺麗な鼻先で押し返す。ユーディアは一度飛び出しそうな心臓を鎮めようとちょっぴりだけ距離を取った。
「どうした?」
「あ、あのさあ。俺、こういうのまるっきり初めてだから、本当によくわからないんだ。だから、ゆっくり進めて欲しい。そもそも、男同士って、その、触って出してキスとかすればいいの?」
正直に話して潤んだ瞳で見上げたら、エドゥアルドは真顔で頷いた。
「ああ。俺も男としたことないが、やり方は調べた」
「え?」
(男とは、ってこと? 女の子とは?)
流石に明け透けに聞けなくて困った顔で両手の指をぎゅっと握っていたら、上からエドゥアルドが優しく手を繋いでくれた。
「お前俺とずっと一緒にいただろ? そんなことする暇あったと思うか?」
「ない。でもこの半年は分からない。女の子と遊んでいたかもだろ」
ぷうっと頬を膨らませたら、エドは余裕ありげに微笑んだ。
「半年、勉強ばかりだ。俺も初めてだから、お互い心地よいと思うこと、ちゃんと伝えながらしたい」
「それってここは気持ちいい、ここは触っちゃやだとかそういうのお互い伝えあうってこと? そんなの恥ずかしくない? 察してくれよ。さっきみたいに」
確かに何でも話し合える親友だとは思っていたが、急にそんなことをいわれると戸惑うばかりで頭が真っ白になってしまった。
「恥ずかしい? そうか」
再び心を読まれるのかと思って、ユーディアは「心読んじゃ、だめ」とエドゥアルドにしがみ付いたが、逆に長椅子の上に押し倒された。
「心なんか読まない。素直に感じて欲しい」
「え……」
上から見下ろしてきたエドゥアルドの顔がだんだん近づいてきたから、ユーディアはぎゅうっと目を閉じた。唇にキスをされるのかと思ったら、額に温かなものが押し当てられた。
そのあとは両方の瞼、続いて両頬。なんだか焦らされているような気分になって、ユーディアは腕を伸ばしてエドゥアルドの頭を掴んで引き寄せる。決死の覚悟で自分の方からキスをしたのに、へたくそなキスは唇を反らして頬に当たってしまった。
「ああ、もう。お前ちょっと動いただろ」
「ごめん」
顔を離したらエドゥアルドが悪戯っぽく笑っている。
「もう一回するからな」
自分から吸い付いていったら、今度こそ熱い唇が一度激しく重なって、そのあとは乱れた息遣いのままエドゥアルドは首筋にキスをしながら下履きの上から優しくユーディアのものをさすってきた。
たどたどしく自分のシャツのボタンに手をかけたら、裸の胸に身体ごと強く引き寄せられ、戸惑っているうちに情熱的に唇を奪われた。
ユーディアはこれまで誰とも付き合ったことがないから、こんな時どうしていいのか分からなくなってしまう。唇は意外と柔らかいものだなと思う間に歯列を割ってエドゥアルドの舌がユーディアのそれを絡めながら舐めとった。
「んっ……」
(気持ちいい、口の中ゾワッてする)
ユーディアが成すがままに身体から力を抜いたのをいいことに、角度を変えて口づけながら、エドゥアルドは利き手ではない手で首元を緩め器用にシャツを脱がせてくる。温室とはいえ、肌を晒されたら少しだけ鳥肌が立った。
「寒い?」
「あっためてくれるよね?」
「すぐ、熱くする」
摩るように大きな掌に胸をまさぐられると男なのにびくんっと身体が感じて震えてしまう。ぎゅうっと太い腕を震える手で掴む。
エドゥアルドは唇を少しだけ離して「感じてる? 可愛いな」と低く耳障りのいい声で囁いてきた。
(なんだよ、余裕かよ)
だが恋人扱いをしてくるエドゥアルドはいつもよりさらに優しく感じて、なんだか恥ずかしくて参ってしまう。
「ちょっと、待って」
またキスしてこようとしたエドゥアルドの鼻をつんとした綺麗な鼻先で押し返す。ユーディアは一度飛び出しそうな心臓を鎮めようとちょっぴりだけ距離を取った。
「どうした?」
「あ、あのさあ。俺、こういうのまるっきり初めてだから、本当によくわからないんだ。だから、ゆっくり進めて欲しい。そもそも、男同士って、その、触って出してキスとかすればいいの?」
正直に話して潤んだ瞳で見上げたら、エドゥアルドは真顔で頷いた。
「ああ。俺も男としたことないが、やり方は調べた」
「え?」
(男とは、ってこと? 女の子とは?)
流石に明け透けに聞けなくて困った顔で両手の指をぎゅっと握っていたら、上からエドゥアルドが優しく手を繋いでくれた。
「お前俺とずっと一緒にいただろ? そんなことする暇あったと思うか?」
「ない。でもこの半年は分からない。女の子と遊んでいたかもだろ」
ぷうっと頬を膨らませたら、エドは余裕ありげに微笑んだ。
「半年、勉強ばかりだ。俺も初めてだから、お互い心地よいと思うこと、ちゃんと伝えながらしたい」
「それってここは気持ちいい、ここは触っちゃやだとかそういうのお互い伝えあうってこと? そんなの恥ずかしくない? 察してくれよ。さっきみたいに」
確かに何でも話し合える親友だとは思っていたが、急にそんなことをいわれると戸惑うばかりで頭が真っ白になってしまった。
「恥ずかしい? そうか」
再び心を読まれるのかと思って、ユーディアは「心読んじゃ、だめ」とエドゥアルドにしがみ付いたが、逆に長椅子の上に押し倒された。
「心なんか読まない。素直に感じて欲しい」
「え……」
上から見下ろしてきたエドゥアルドの顔がだんだん近づいてきたから、ユーディアはぎゅうっと目を閉じた。唇にキスをされるのかと思ったら、額に温かなものが押し当てられた。
そのあとは両方の瞼、続いて両頬。なんだか焦らされているような気分になって、ユーディアは腕を伸ばしてエドゥアルドの頭を掴んで引き寄せる。決死の覚悟で自分の方からキスをしたのに、へたくそなキスは唇を反らして頬に当たってしまった。
「ああ、もう。お前ちょっと動いただろ」
「ごめん」
顔を離したらエドゥアルドが悪戯っぽく笑っている。
「もう一回するからな」
自分から吸い付いていったら、今度こそ熱い唇が一度激しく重なって、そのあとは乱れた息遣いのままエドゥアルドは首筋にキスをしながら下履きの上から優しくユーディアのものをさすってきた。
192
あなたにおすすめの小説
【完結】《BL》溺愛しないで下さい!僕はあなたの弟殿下ではありません!
白雨 音
BL
早くに両親を亡くし、孤児院で育ったテオは、勉強が好きだった為、修道院に入った。
現在二十歳、修道士となり、修道院で静かに暮らしていたが、
ある時、強制的に、第三王子クリストフの影武者にされてしまう。
クリストフは、テオに全てを丸投げし、「世界を見て来る!」と旅に出てしまった。
正体がバレたら、処刑されるかもしれない…必死でクリストフを演じるテオ。
そんなテオに、何かと構って来る、兄殿下の王太子ランベール。
どうやら、兄殿下と弟殿下は、密な関係の様で…??
BL異世界恋愛:短編(全24話) ※魔法要素ありません。※一部18禁(☆印です)
《完結しました》
記憶喪失になったら弟の恋人になった
天霧 ロウ
BL
ギウリは種違いの弟であるトラドのことが性的に好きだ。そして酔ったフリの勢いでトラドにキスをしてしまった。とっさにごまかしたものの気まずい雰囲気になり、それ以来、ギウリはトラドを避けるような生活をしていた。
そんなある日、酒を飲んだ帰りに路地裏で老婆から「忘れたい記憶を消せる薬を売るよ」と言われる。半信半疑で買ったギウリは家に帰るとその薬を飲み干し意識を失った。
そして目覚めたときには自分の名前以外なにも覚えていなかった。
見覚えのない場所に戸惑っていれば、トラドが訪れた末に「俺たちは兄弟だけど、恋人なの忘れたのか?」と寂しそうに告げてきたのだった。
※ムーンライトノベルズにも掲載しております。
トラド×ギウリ
(ファンタジー/弟×兄/魔物×半魔/ブラコン×鈍感/両片思い/溺愛/人外/記憶喪失/カントボーイ/ハッピーエンド/お人好し受/甘々/腹黒攻/美形×地味)
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞にて奨励賞を頂戴しました。応援ありがとうございました。
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました
多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。
ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。
ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。
攻め
ユキ(23)
会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。
受け
ケイ(18)
高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。
pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中
嫌いなアイツと一緒に○○しないと出れない部屋に閉じ込められたのだが?!
海野(サブ)
BL
騎士の【ライアン】は指名手配されていた男が作り出した魔術にで作り出した○○しないと出れない部屋に自分が嫌っている【シリウス】と一緒に閉じ込められた。
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。
叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。
幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。
大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。
幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。
他サイト様にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる