姉の婚約者の心を読んだら俺への愛で溢れてました

天埜鳩愛

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「……限界だ、もどかしい」

 立ちあがったエドゥアルドにされるがまま、長椅子に手をつかされ、腰を一瞬足が浮くほどにグイっと抱え上げられた。

「ひゃうっ」

 長い腕がさっきエドゥアルドが脱いだローブのポケットから赤い果実を取り出すのが見える。彼はぐじゅっと掌でそれを潰した。暖かい地方で取れる果物らしい官能的な香りが伝わる。乱れた恋人の息遣いと、くちゃ、ぐちゃっという音が後ろから耳を犯してきて気持ちを余計に高めてくる。
 滑らかな尻に硬いものがずっと当たっている。先ほどまで自分が愛でていたそれだと分かると、さっき目にしたとんでもない太さと長さ、凶悪な形に腰が引ける。ヌルヌルとしたものが尻のすぼまりに垂らされ、それが先ほどの果物だと分かった。

「な、なになに」
「ユーディア、ユーディア」

 縋るように名前を呼ばれる。繰り返される首筋や肩へのキスや、無防備な胸のさきっぽを両指で刺激されたらユーディア自身もまた立ちあがってしまう。それを自分で長椅子に擦り付けていたら、恋人の痴態にエドゥアルドはまた煽られた。

「欲しい、お前を全部、俺のものにしたい」

 ついにすぼまりに硬い指先が触れたから、ユーディアは男同士の営みを悟り、未知の恐怖に身体が強張った。

「入りたい、お前の中」

 ぐっと腰を押されてぐりぐりと欲望を尻に擦り付けられる。体格差があるからこんなふうに押さえつけられると流石に恐怖しか感じられない。
「エドゥアルドおっ、怖いよお」

 懸命に振り返り甘えたな涙声で恋人を呼ぶと、後から伸し掛かってきていた彼は怒った猫のような吐息で興奮を逃した後、ユーディアを宥めるような口づけを繰り返す。

「んっ、ふぇ」

 太い指先が少しだけすぼまりを押し入る。誰もまだ受け入れたことのないそこがきゅっと拒む。ユーディアを欲しい欲しいと唸る恋人の乱れた吐息は切なげで、だが彼は沢山の葛藤の後に最後には理性を手放さなかった。
「ユーディア。いつかはここで、俺を受け入れて」

 彼は切なげに囁いてから、ぽろぽろと涙を零す恋人の頬に口づけた。

「うん」
「脚、しっかり閉じてくれ」
「こ、こう?」

 細くて白い脚をぴったりと閉じたら、恋人の荒い息が首筋に降りかかる。そのままがしがしと肩や首筋を齧られて、彼の興奮が嫌というほどに伝わってくる。
 にゅるっと足の間に長大なものが押し入ってきた。
 その瞬間にユーディアのものも押し上げられるように刺激されて、思わず声が零れた。

「ああ、なに?」
「動くぞ」

 激しく腰を動かされ、ぱちゅん、ぱちんっと肉がぶつかる音とお互いのものが擦れると堪らない気持ちになった。追い立てられて、ユーディアは髪を振り乱してひっきりなしに喘ぐ。目の前にチカチカと星が飛んで、初めて知る快感。

(きもちい、きもちい、なにこれ)
「腰、とけちゃうよお」
「俺もだっ」
「エド、ぎゅっとして!」
「ユーディア、ユーディア」

 互いに名前を呼びながら、へたくそに求め合う。
 長椅子に縋って伸ばした手を上から握られて首筋に痛いほど口づけられる。もう何が何だか分からないほどに揺さぶられ、身体ががくがくと震えて極める寸前に、逞しい腕の中にすっぽりと抱きかかえられた。

「愛してるっ」

 ああ、嬉しいなと微笑んだまま、ユーディアは意識を手放した。
  
※※※
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