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最大級の霊障
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翌朝「うわああああああ!」という叫び声で目が覚めたアクセルだったがすぐにそれが自分のものであることを理解していた。
それはそうだ。何故なら……「ちょっと、何!?︎や、貴方、ジェシカ?」
そう、ジェシカは死んで幽霊になった。そして妖精たちが人間の一人の女の死なんか、どうでもいいと思ってる事、ベラが不倫を何とも思ってない事、など、とうとうと恨み言をまくしたてた。そしてアクセルとベラに最大級の霊障を放ったのである。
アクセルには、彼女を止める事ができなかった……そしてそれは彼女が死ぬまで続いたのだ。
だが今は違う。今この世に存在する彼女は……アクセルの隣にいた。そして「昨日はよく眠れましたか?ア、クセル様」「えっ?」思いもしなかった事に驚き声を上げるアクセルだったが「それでは行きましょう!ほら早くっ」「ちょっ待った!行くってどこに行くの!?︎」「学校に決まってるじゃないですか!」当然の事だというように答えたジェシカを見てアクセルはまたも驚く。
(だって今は平日の昼過ぎだよ?そんな時間に行って学校は開いてないと思うけど……)
そう思ったもののそれを口に出すことは無く、渋々ながらもついていくアクセルだった。ちなみに今日も白い子猫を連れていた。「でねー、でねー、その女が言うのよ、もう許してくれぇ、俺の体が欲しいんだったら、何でもするからぁ……なんてねっ」楽しそうな笑顔を見せてくるベラ。
そんな彼女にアクセルは「あ、あのさっ!」声を上げる。すると、今度はベラの眉間の間に少しシワができる。「……ど、どういう意味かしら」「いやっその、そういうの良くないっていうか……もうすぐ結婚とかあるんでしょ?」「あらっあなたは私の彼氏でもないのに随分偉そうな口聞くのね」不機嫌な口調になるベラ。しかしそれは事実のため言い返す事はできず「ごめんなさい……」謝るしかなかった。「まあいいわっ」再び明るくなるベラ、でもそれはどこかわざとらしく感じてアクセルの心はざわついていた。
(どうしてこんな事になったんだろう?)
そして放課後「あっアクセル、やっときた!」明るい声を上げて駆け寄ってくるエミリにアクセルは思わず後ずさりそうになる、というのも昨日の別れ際のジェシカの言葉が原因だったから……
「じゃあ私はこれで、また会いに行きますから」
そう言ってジェシカは自分の世界へと帰ってしまった。
その後アクセルは「アクセル君おそ~い、遅刻~」「ちょっとジェシカに呼ばれてて」「へぇー誰に呼ばれたの?」「えっとえっとえええ、エヴァ」「そうなんだ、ところでさっ今日の授業だけど……あれっ?アクセルはっ?」「あっ、忘れてた」「ちょっとひどい!」
こうしていつものように三人の少女たちは楽しく話していたのだが……それは突然起こった。
「アクセル君、私と結婚してくれないかなっ!?︎」「はいっ?」いきなりそう切り出してきたのだ。
でもそれは無理もないことで……アクセルはこの国一番の伯爵の一人息子だ。しかもイケメン、文武両道と来れば女の子たちからしたらまさに白馬の王子様。でもアクセルにとってはそれが重荷になっていたようで、ずっと一人っ子で過保護な両親の元で育ったためか、恋愛に関してはかなりの鈍感だったようだ。
もちろんエミリのことは好きだが、それは異性に対する好きで、ジェシカから告白されプロポーズされたのにも関わらず、どうせからかっているだけだろうと思ったのも無理はない。だからその時「冗談でしょ?」軽く流してしまったのだが……「ううんっ本気よ、ねぇアクセル……いいでしょう?私と結婚すれば一生贅沢させてあげるわっ」しかし、その反応が気に食わなかったようでさらに熱烈に迫ってくるベラ、「ご、ごめん無理だってっ!もう僕行かないと!」そんな二人から逃れようとアクセルはその場を離れようとしたのだが…… それは叶わない、なぜなら……いつのまに来ていたのかエミリとジェシカの手には魔法の杖がありアクセルに向けられていたから。「何すんだよっやめろってっ!」アクセルも応戦するが、二人の魔法の前では何もできないまま拘束されてしまう。「ふぅ……全く、アクセル君は相変わらずお馬鹿さんね」
すると、今まで黙っていたエメリアンが立ち上がって言う、その姿を見たジェシカとベラの顔に笑顔が広がり…… そして……
「ええぇっ!?」「はぁ?マジでっ!?」アクセルは驚きの声を上げ、目の前のテーブルに置いてある一枚の手紙を凝視する。それは今朝ジェシカから渡されたもので、中身はただ1文『あなたは選ばれました、アクセル』それだけが書かれている手紙だった。
それから数分後、朝食を食べ終え自室へ戻ったアクセルは机に置かれた便箋を手に取るとその封筒の裏表を確認してみる。
それはそうだ。何故なら……「ちょっと、何!?︎や、貴方、ジェシカ?」
そう、ジェシカは死んで幽霊になった。そして妖精たちが人間の一人の女の死なんか、どうでもいいと思ってる事、ベラが不倫を何とも思ってない事、など、とうとうと恨み言をまくしたてた。そしてアクセルとベラに最大級の霊障を放ったのである。
アクセルには、彼女を止める事ができなかった……そしてそれは彼女が死ぬまで続いたのだ。
だが今は違う。今この世に存在する彼女は……アクセルの隣にいた。そして「昨日はよく眠れましたか?ア、クセル様」「えっ?」思いもしなかった事に驚き声を上げるアクセルだったが「それでは行きましょう!ほら早くっ」「ちょっ待った!行くってどこに行くの!?︎」「学校に決まってるじゃないですか!」当然の事だというように答えたジェシカを見てアクセルはまたも驚く。
(だって今は平日の昼過ぎだよ?そんな時間に行って学校は開いてないと思うけど……)
そう思ったもののそれを口に出すことは無く、渋々ながらもついていくアクセルだった。ちなみに今日も白い子猫を連れていた。「でねー、でねー、その女が言うのよ、もう許してくれぇ、俺の体が欲しいんだったら、何でもするからぁ……なんてねっ」楽しそうな笑顔を見せてくるベラ。
そんな彼女にアクセルは「あ、あのさっ!」声を上げる。すると、今度はベラの眉間の間に少しシワができる。「……ど、どういう意味かしら」「いやっその、そういうの良くないっていうか……もうすぐ結婚とかあるんでしょ?」「あらっあなたは私の彼氏でもないのに随分偉そうな口聞くのね」不機嫌な口調になるベラ。しかしそれは事実のため言い返す事はできず「ごめんなさい……」謝るしかなかった。「まあいいわっ」再び明るくなるベラ、でもそれはどこかわざとらしく感じてアクセルの心はざわついていた。
(どうしてこんな事になったんだろう?)
そして放課後「あっアクセル、やっときた!」明るい声を上げて駆け寄ってくるエミリにアクセルは思わず後ずさりそうになる、というのも昨日の別れ際のジェシカの言葉が原因だったから……
「じゃあ私はこれで、また会いに行きますから」
そう言ってジェシカは自分の世界へと帰ってしまった。
その後アクセルは「アクセル君おそ~い、遅刻~」「ちょっとジェシカに呼ばれてて」「へぇー誰に呼ばれたの?」「えっとえっとえええ、エヴァ」「そうなんだ、ところでさっ今日の授業だけど……あれっ?アクセルはっ?」「あっ、忘れてた」「ちょっとひどい!」
こうしていつものように三人の少女たちは楽しく話していたのだが……それは突然起こった。
「アクセル君、私と結婚してくれないかなっ!?︎」「はいっ?」いきなりそう切り出してきたのだ。
でもそれは無理もないことで……アクセルはこの国一番の伯爵の一人息子だ。しかもイケメン、文武両道と来れば女の子たちからしたらまさに白馬の王子様。でもアクセルにとってはそれが重荷になっていたようで、ずっと一人っ子で過保護な両親の元で育ったためか、恋愛に関してはかなりの鈍感だったようだ。
もちろんエミリのことは好きだが、それは異性に対する好きで、ジェシカから告白されプロポーズされたのにも関わらず、どうせからかっているだけだろうと思ったのも無理はない。だからその時「冗談でしょ?」軽く流してしまったのだが……「ううんっ本気よ、ねぇアクセル……いいでしょう?私と結婚すれば一生贅沢させてあげるわっ」しかし、その反応が気に食わなかったようでさらに熱烈に迫ってくるベラ、「ご、ごめん無理だってっ!もう僕行かないと!」そんな二人から逃れようとアクセルはその場を離れようとしたのだが…… それは叶わない、なぜなら……いつのまに来ていたのかエミリとジェシカの手には魔法の杖がありアクセルに向けられていたから。「何すんだよっやめろってっ!」アクセルも応戦するが、二人の魔法の前では何もできないまま拘束されてしまう。「ふぅ……全く、アクセル君は相変わらずお馬鹿さんね」
すると、今まで黙っていたエメリアンが立ち上がって言う、その姿を見たジェシカとベラの顔に笑顔が広がり…… そして……
「ええぇっ!?」「はぁ?マジでっ!?」アクセルは驚きの声を上げ、目の前のテーブルに置いてある一枚の手紙を凝視する。それは今朝ジェシカから渡されたもので、中身はただ1文『あなたは選ばれました、アクセル』それだけが書かれている手紙だった。
それから数分後、朝食を食べ終え自室へ戻ったアクセルは机に置かれた便箋を手に取るとその封筒の裏表を確認してみる。
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