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隼人さん
6. その為にお前を買ったんだ
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大学を出たところでいつも迎えに来ているはずの車が無いことに気づく。
時間通りだと思うけど… と腕時計に目を落とした時、すぐそばの駐車場から一台の高級車が出てきた。
左ハンドルの運転席の窓が開き、その姿に驚いた。
その車を運転していたのは社長だった。
「乗りなさい」
そう静かに声を掛けてきて、僕はびくっと身体を強張らせ、おずおずと助手席に乗り込んだ。
シートベルトもままならず、社長が自分のベルトを一旦外して僕のベルトを引っ張って装着してくれた。
近づいた社長にドキッとする。
タバコの匂いと、いつもの整髪剤の匂い、そして……独特の雄の匂い。
入院中、両肩を痛めていた僕はオナニーすら出来ずにいたのもあって、社長の匂いだけで身体が反応する。
肩はまだギブスで固定され、上着が肩からひっかけるだけになっていた。
その姿を見て社長は
「生活に不便はないか」
と聞いてきた。
「えっ……あっはい」
こんな僕を心配して言葉をかけてくれているのに、こんな事に反応している自分の身体が少し恥ずかしくなった。
それからはしばらく無言で社長は車を走らせた。
空は夕闇が迫り、街の明かりが際立ち始めたころ。
都内中心地から少し離れたベットタウンの大きな公園にたどり着いた。
芝生の広がる丘のある公園。
ここも住宅街からは高台にあったが、僕の育ったあの町の高台の公園とはまったく規模が違った。
社長は黙ってその丘の上を目指して歩く。その後に僕もついて行った。
「わぁーーー!!」
思わず声を上げた。
丘の頂上まで登ると眼下には都内の夜景が一面に広がっていた。
「マンハッタンの夜景を覚えているか?」
もちろん、忘れるわけがない。
社長がくれた最高の誕生日プレゼント。
そして、僕に新たな目標をくれた日。
「お前は私の奴隷だ。
私を満足させるためにいるんだ、そうだろう?」
「………はい…」
「私はもっともっと大きくなる。その夢にお前がいる。
正式な秘書として早く一人前になり常に私の側にいる必要がある」
「……はい。」
「それに立場が上になればなるほど、女性問題など起こすわけにはいかないしな」
「…………。」
「その為にお前を買ったんだ」
社長が何を言いたいのかわかった。
「あの……、隼人さんを危険な目に合わせてしまって申し訳ありません。
それに……勝手に警察に捕まろうとしたり……こんな、……社長の持ち物の、この……身体に、怪我を負わせて入院して、ご奉仕もできなくなってしまって……。
………ごめんなさい」
……社長はあれから怒っていたんだ。
僕が手引きしたのでないことは分かっていても、門の外に出ようとしている乳母と隼人さんを止めなかったし、事実、僕の両親は僕がこの家にいるのを利用するために隼人さんをターゲットにしたし、それにこの怪我。
この身体は社長の物だ。それなのに……。
そもそも、性奴隷として社長に仕えているはずの僕が、社長のご子息と遊んだり、立場のわきまえないことをしてはいけなかったんだ。
「…………お前はもう隼人に近づくな」
僕は俯いた。
僕の存在が隼人さんを危険な目に合わせた。
この社長の言葉は、至極当然なことだった。
しかし、僕があげたミルクを初めて飲んだ時の感動を、
僕の指を掴んだ小さな手を、
そしてそれからこの1年10か月、日に日に大きくなり、
ハイハイして、たっちして、
僕の後ろをついてくるようになったあの姿を……
もう、見ることができないと思うと、息が詰まる思いだった。
「………わかりました。申し訳ありませんでした。」
僕は絞り出すように返事をした。
時間通りだと思うけど… と腕時計に目を落とした時、すぐそばの駐車場から一台の高級車が出てきた。
左ハンドルの運転席の窓が開き、その姿に驚いた。
その車を運転していたのは社長だった。
「乗りなさい」
そう静かに声を掛けてきて、僕はびくっと身体を強張らせ、おずおずと助手席に乗り込んだ。
シートベルトもままならず、社長が自分のベルトを一旦外して僕のベルトを引っ張って装着してくれた。
近づいた社長にドキッとする。
タバコの匂いと、いつもの整髪剤の匂い、そして……独特の雄の匂い。
入院中、両肩を痛めていた僕はオナニーすら出来ずにいたのもあって、社長の匂いだけで身体が反応する。
肩はまだギブスで固定され、上着が肩からひっかけるだけになっていた。
その姿を見て社長は
「生活に不便はないか」
と聞いてきた。
「えっ……あっはい」
こんな僕を心配して言葉をかけてくれているのに、こんな事に反応している自分の身体が少し恥ずかしくなった。
それからはしばらく無言で社長は車を走らせた。
空は夕闇が迫り、街の明かりが際立ち始めたころ。
都内中心地から少し離れたベットタウンの大きな公園にたどり着いた。
芝生の広がる丘のある公園。
ここも住宅街からは高台にあったが、僕の育ったあの町の高台の公園とはまったく規模が違った。
社長は黙ってその丘の上を目指して歩く。その後に僕もついて行った。
「わぁーーー!!」
思わず声を上げた。
丘の頂上まで登ると眼下には都内の夜景が一面に広がっていた。
「マンハッタンの夜景を覚えているか?」
もちろん、忘れるわけがない。
社長がくれた最高の誕生日プレゼント。
そして、僕に新たな目標をくれた日。
「お前は私の奴隷だ。
私を満足させるためにいるんだ、そうだろう?」
「………はい…」
「私はもっともっと大きくなる。その夢にお前がいる。
正式な秘書として早く一人前になり常に私の側にいる必要がある」
「……はい。」
「それに立場が上になればなるほど、女性問題など起こすわけにはいかないしな」
「…………。」
「その為にお前を買ったんだ」
社長が何を言いたいのかわかった。
「あの……、隼人さんを危険な目に合わせてしまって申し訳ありません。
それに……勝手に警察に捕まろうとしたり……こんな、……社長の持ち物の、この……身体に、怪我を負わせて入院して、ご奉仕もできなくなってしまって……。
………ごめんなさい」
……社長はあれから怒っていたんだ。
僕が手引きしたのでないことは分かっていても、門の外に出ようとしている乳母と隼人さんを止めなかったし、事実、僕の両親は僕がこの家にいるのを利用するために隼人さんをターゲットにしたし、それにこの怪我。
この身体は社長の物だ。それなのに……。
そもそも、性奴隷として社長に仕えているはずの僕が、社長のご子息と遊んだり、立場のわきまえないことをしてはいけなかったんだ。
「…………お前はもう隼人に近づくな」
僕は俯いた。
僕の存在が隼人さんを危険な目に合わせた。
この社長の言葉は、至極当然なことだった。
しかし、僕があげたミルクを初めて飲んだ時の感動を、
僕の指を掴んだ小さな手を、
そしてそれからこの1年10か月、日に日に大きくなり、
ハイハイして、たっちして、
僕の後ろをついてくるようになったあの姿を……
もう、見ることができないと思うと、息が詰まる思いだった。
「………わかりました。申し訳ありませんでした。」
僕は絞り出すように返事をした。
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