心を求めて

hakurei

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変わらぬ日々と想い

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私が麗奈の家に泊まってから約半年以上が過ぎた。
学年があがり3年生になった私はまぁ変わらぬ日々を過ごしていた。
いじめを受け、家でも怒られ殴れが続く毎日。
けど麗奈が連絡してきたり遊びに誘ったりとしてくれたりしたので苦痛であった日々も楽しい日に変わる事が多かった。
本当に感謝しかない。
私の心の支えになってくれる麗奈。
今は3年生の12月23日。
明日になればクリスマスになるという日だ。
今年のクリスマスは麗奈から誘われている。
それもまた泊まりで。
私の誕生日以外で泊まった日は何度かあった。
だから正直泊まりにも慣れていた。
たが去年のクリスマスは泊まりどころか遊んですらない。
麗奈から誘われてはいたがあのおばさんが行かせてくれなかった。
だが今回は大丈夫だ、父親があのおばさんを説得してくれたらしい。
まぁその説得を頼んだのは母親なんだけど。
だって父親は私の頼みはほぼ聞かない。
だから母親が頼むしかなかったのだ。
家族で1番の味方は明らかに母親である。
父親は厳しい、そして私を甘やかさない。
私の状況を知っていても甘やかすことはなかった。
けど何故かそんな父親を嫌いにはならなかった。
何故かはわからないが。
ちなみに今回は2泊3日という事になった。
楽しみだが不安もあった。
だって泊まった日はほとんど確実と言っていいほど麗奈が布団に忍び込んでくる。
心臓に悪いから本当にやめてほしい。
しかも今回は2泊3日、2日連続で忍び込んでこられたら流石に心臓が止まる気がする。
まぁとりあえず麗奈の家に向かおう。
そう思って自室を出て階段を降りる。
「ちょっと零」
降りた先にあの人がいた。
「なに。」
「あんたまた泊まりに行くの?家でのやる事はどうするの?」
この人は何もしないくせに私には押し付けてこようとする。
「自分でやれよ…それと毎日何もせず家にいるだけの人に言われたくもない。」
そう言うとおばさんは近づいてきて。
「生意気な態度とるんじゃないよ!」
そう言うと同時に私の髪を掴み引っ張る。
私は抵抗し腕を振り払う。
だが繰り返し髪を引っ張ってくる、そして私の顔をひっかいた。
それもかなり強く、血もでた。
4つほどひっかき傷ができ、かなり顔がヒリヒリした。
「いってぇなぁ…」
私は何故か冷静だった。
この状況に慣れてしまったのかもしれない。
この程度ならまだ大丈夫だと、そう思うくらいにはなっていた。
「…」
そしてあの人が髪を離して何もしてこなくなった。
「気はすんだ?」
右頬を抑えながらそう言った。
冷静になったのか私の顔を見ながら黙るおばさん。
顔は流石にやりすぎたと思っているのだろうか。
私は正直こんな怪我よりもこの人の行動全てを見直してほしい。
そう考えると同時にめんどくさくなったので。
「用事あるからもういい?」
と言いながら玄関に向かう。
あの人は何も言わず自室に向かった。
「…はぁ。」
久々にため息が出た気がした。
最近は本当に麗奈に助けてもらっているためため息を出す事が結構少なくなっていた。
本当にありがたい。
「さっさと行こ。」
そう呟いて玄関を開けて麗奈の家に向かった。
「迎えが早いな。」
家を出て少し歩いたらそこに麗奈が待っていた。
「えへへ、1人よりかはいいでしょ!」
麗奈は笑いながら言った。
「あれ?はくくんその顔…」
私の顔の傷に気づいた麗奈が心配そうに見てくる。
「あぁ、まぁそんなたいしたもんじゃないよ、とりあえずいこ。」
「ダメ!早く家行って消毒するよ!血もまだ出てるでしょそれ!」
「いいよ…消毒染みるし…」
確かに結構なものだと思う、だからこの怪我に消毒なんかされたらくそ染みると思う。
「ダメ!早く行くよ!」
私の意見を聞かずに腕を引っ張って走らさせる。
そして麗奈の家に着いて、麗奈のお母さんに手当してもらった。
消毒した場所がくっそ染みる。叫びそうになるくらいにはマジで染みた。
無意識に涙が目尻にたまっていた。
「はい、終わり。」
「あ、ありがとうございます。」
「こんな怪我なんて可哀想に…傷痕として残っちゃうんじゃない?」
そう言われると残るとかなり最悪だ、
だって自分の顔を見る度にあの人を思い出すのはほぼ確実。
だから残っては欲しくはないが…まぁ残る気がした。
なんでって?理由はない、なんとなくだ…。
怪我の手当も終わり麗奈と部屋で遊んだり、雑談したりをして夜まで時間を潰した。
やっぱり思うのは麗奈といる時間は楽しい。
色んなことを忘れられる。
そんな麗奈に…私は…

_______________

はくくんが遊びに来てくれて。
気持ちが高まる。
本当に楽しい。
だからいじりたくもなるし、自由になってしまう。
何よりもテンションが上がってしまう。
けど…私の気持ちを伝える勇気が…まだ…出ない…
どうしたらいいんだろうか…それだけがわからない。
はくくんは私の事をどう思っているのだろう。
友達止まりなのだろうか…そんな気がしてならない。
はくくんは私に振り回されている。
普通ならめんどくさい、だから嫌々私の我儘に付き合ってくれているのかもしれない。
そう考えてしまうと…伝えずらい…。
時間は有限…だとは聞くけど沢山時間はある。
だったら私はゆっくり時間をかけていこう。
そして勇気が出たらちゃんと伝えよう。
必ず成功させるんだ。
この気持ちは変わらない…恐らく一生変わらない。
だから伝えたい、そして成功させたい…
私の告白を…。

夜になり私はママと一緒にご飯の用意をしている。
はくくんは遊び疲れたのかソファーで寝ている。
ご飯の用意をしながらはくくんの寝顔を眺めているとその顔が可愛くてついニヤついてしまう。
「麗奈さぁ~零くんの事好きだよねぇ。」
「へ!?ち、ちがうもん!友達だからだよ!」
「あらそう?」
ふふっと微笑みながらママが私の顔をみてくる。
「麗奈、零くんの心の支えになってあげて、あの子の闇を光に変えてあげて、それが出来るのはきっと麗奈だけ…」
突然の言葉に驚いた。
はくくんの事は話していないのに…
「え?ママはくくんの事知ってたの?」
疑問を聞いてみた。
「えぇ、彼の目を見てわかったわ、でもそれだけでは学校での事だけしかわからなかった、最初零くんが泊まりに来た時に様子がおかしくなったでしょ?あの時に零くんのお母さんに聞いたのよ…家での出来事もね。」
「そうだったんだ…でも大丈夫!はくくんは私が救う!」
私は必ずはくくんを救ってみせる、そしてその後に想いを告げる!
「うん、頑張ってね、麗奈!」
ママがそう言ってご飯の用意を再開する。
そして出来上がる頃にはくくんが起きてきてみんなでご飯を食べた。
その後お風呂を済ませて寝る事になった。
私ははくくんが泊まった日にはもはや恒例である。
はくくんの布団に潜り込んで寝る。
なぜ潜り込むのかは単純。
落ち着くからである!
「おやすみ、はくくん。」
既に寝ているはくくんに小声で呟いて私も睡眠に入った。
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