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第二章 王国革命からの害虫貴族駆除編
155.ならば望み通りくれてやろう!!この魔王デルフリ様最強最大の奥義を……
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辺境の世紀末4兄弟……
最初に誰がこう呼んだかはわからない。
というか、なぜこう呼ばれるのかさえわからない。
ただ、アムル辺境家を支える私兵の多くがモヒカンでなおかつ『ヒャッハー!!』と叫ぶからという理由でいつの間にか定着していた。
わけがわからない……
だが、今ここでそんな論議する暇はない。
「おいおい、俺を無視して談話とはずいぶん余裕ではないか」
その通りである。
この4兄弟が登場して話込んでる最中でもクズは手を緩めなかったのだ。
一応それらは4兄弟が壁となる事で防いでいるも、クズの言葉は挑発と捉えたようだ。
「余裕なのは確かだ!第一、槍程度でアムル家長兄で“拳王”たるオウラが止められると思うたか!!!刮目せよ!!!これぞ、48の殺人技の一つであり、我がオウラ全身全霊の一撃ぃぃぃぃぃぃぃいい!!!!」
『マオウケン!!!』
長兄オウラの剛腕ともいえる拳から放たれた拳圧……なぜか馬の蹄を模した拳圧は飛来してきた闇の槍を霧散させつつ、そのままクズへと襲い掛かり……
どっごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!
命中と同時に爆音を響かせた。
通常であれば『やったか!?』と叫ぶところであるも、今この場にそんなフラグを立てる者はいない。
なにせ、これで終わったなんて誰も信じてないからだ。
その証拠に、煙が晴れた際にはクズの頭がえぐり取られようとも全く慌てない。
残された胴体からぼこっと頭が生えてきても動じない。
通常ならどうあがいても絶望と感じる場面であろうとも、オウラはあえてにやりと笑う。
「どうした?これで終わりではあるまい。なら次は槍ではなく闇そのものを放つがよい!!その全てを受け止めてやろうではないか!!!ふはははははは!!!」
余裕綽綽に笑うオウラだが、膝が笑ってる事に次男のトキバは目ざとく気付いていた。
「全く、相手が伝承通りの『魔王』ということは、『勇者』でもない私達の攻撃は全く効かないというのに、一撃放つだけで満身創痍になりかねない『マオウケン』をあえて全力で放つとは……また兄さんの悪い癖がでてしまいましたか」
「それでも伝承通りか改めて確認出来ただけでもいいじゃないか、トキバ兄者。それに、俺はオウラ兄者のあえて全力で試す姿勢は嫌いじゃないぜ」
「俺も同感する。ああいった悪党の伸びきった鼻面は無理してでも真正面から叩き潰すに限る」
「ジャッキーもシロウも……まぁ、これもアムル家の宿命。受け入れましょう」
「話がまとまったなら改めて気合入れなおしましょうか。ハイド殿も理解できてますか?」
「マイヤー殿。正直言ってよくわからん。だが、アーデルを守る事に全神経を集中すればいいぐらいはわかる」
「その通りです!!私達はアーデル様の盾……命尽きるまで……いえ、命尽きようとも倒れる事は許しません!!いいですか?!!!」
「愚問である!!“拳王”は退かぬ!!媚びぬ!!省みぬ!!さぁ打ってこい自称魔王とやらよ!!!どのような攻撃が来ようとも、我らは全てしのいでみせようぞ!!!!」
「いい度胸ではないか。ならば望み通りくれてやろう!!この魔王デルフリ様最強最大の奥義を……波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
宣言通り、クズは今まで矢や槍を形作っていた闇の炎を、両手で合わせた手のひらから直接放った。
それは氾濫を起こした濁流のごとき押し寄せてくる闇の波動であるも……
「「「「「「「ふんぬぅぅぅぽんぷあっぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」」」」」」」
7人同時に発動させた『M・B・S・B』を……
さりげなくマイヤーとメイも不完全ながら発動可能な『M・B・S・B』によって得た筋力を上乗せした『マッスルディフェンダー』で……
7人息ぴったしに合わせた事で発生した虹色の光の力で闇の波動を押し返していた。
「な、なん……だ……と?」
さすがにこれはクズも驚いた。
クズが放った一撃は宣言通りに本気だった。
全力を込めただけに耐えられたのは予想外だ。
その事実にクズは動揺し、逆に7人は余裕綽々と笑っていた。
「オノレ……オノレオノレオノレオノレ!!!!!!オノレェェェッェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!」
どれだけ力を得てもクズはクズ。よくみれば7人はやせ我慢してるだけという、まだ慌てるような段階ではないのにクズは焦った。
“おい!!もっとだ!!もっと力をよこせ!!!”
“オイオイヨクバルナヨ。オレハマダホウシュウモラッテナインダゼ。コレイジョウハムリダナ”
“つべこべいわずにもっと力をよこせぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇっぇえっぇえぇ!!!!!”
“ハッハッハッハッハッハ……ダガコトワル!!”
クズは内に潜んでる悪魔の『オニオン』にさらなる力を求めるも、あっけなく拒否された。
一応彼目線で言えば、報酬をまだもらってないのだから断るのは当然。
だが、クズは全くそう思ってない。
例え相手が誰だろうと自分の言葉は絶対。従って当然という自分本位な考えは変わらなかった。
そんな心持だからこそ、“闇”に属する者から目をつけられたわけだが……
「クソ………クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクッソォォッォォォォッォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
圧倒的な力を得たというのに、思い通りとならない現実にクズはいら立つ。
圧倒的な力でアーデル達に『絶望』を与えるはずなのに、誰も『絶望』していない。
一時は周囲に『絶望』を与えても、クズの全力を前にして一歩も引かない7人に勇気付けられるかのごとく周囲の者達は『絶望』に抗い始めたのだ。
その代表格こそ……
「皆の者!!『希望』は捨てるな!!!我々には“聖女王”アーデル様が居るのだ!!!決して諦めるな!!」
かつてはお飾りにもならない無能とされていた元国王トビアスだった。
最初に誰がこう呼んだかはわからない。
というか、なぜこう呼ばれるのかさえわからない。
ただ、アムル辺境家を支える私兵の多くがモヒカンでなおかつ『ヒャッハー!!』と叫ぶからという理由でいつの間にか定着していた。
わけがわからない……
だが、今ここでそんな論議する暇はない。
「おいおい、俺を無視して談話とはずいぶん余裕ではないか」
その通りである。
この4兄弟が登場して話込んでる最中でもクズは手を緩めなかったのだ。
一応それらは4兄弟が壁となる事で防いでいるも、クズの言葉は挑発と捉えたようだ。
「余裕なのは確かだ!第一、槍程度でアムル家長兄で“拳王”たるオウラが止められると思うたか!!!刮目せよ!!!これぞ、48の殺人技の一つであり、我がオウラ全身全霊の一撃ぃぃぃぃぃぃぃいい!!!!」
『マオウケン!!!』
長兄オウラの剛腕ともいえる拳から放たれた拳圧……なぜか馬の蹄を模した拳圧は飛来してきた闇の槍を霧散させつつ、そのままクズへと襲い掛かり……
どっごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!
命中と同時に爆音を響かせた。
通常であれば『やったか!?』と叫ぶところであるも、今この場にそんなフラグを立てる者はいない。
なにせ、これで終わったなんて誰も信じてないからだ。
その証拠に、煙が晴れた際にはクズの頭がえぐり取られようとも全く慌てない。
残された胴体からぼこっと頭が生えてきても動じない。
通常ならどうあがいても絶望と感じる場面であろうとも、オウラはあえてにやりと笑う。
「どうした?これで終わりではあるまい。なら次は槍ではなく闇そのものを放つがよい!!その全てを受け止めてやろうではないか!!!ふはははははは!!!」
余裕綽綽に笑うオウラだが、膝が笑ってる事に次男のトキバは目ざとく気付いていた。
「全く、相手が伝承通りの『魔王』ということは、『勇者』でもない私達の攻撃は全く効かないというのに、一撃放つだけで満身創痍になりかねない『マオウケン』をあえて全力で放つとは……また兄さんの悪い癖がでてしまいましたか」
「それでも伝承通りか改めて確認出来ただけでもいいじゃないか、トキバ兄者。それに、俺はオウラ兄者のあえて全力で試す姿勢は嫌いじゃないぜ」
「俺も同感する。ああいった悪党の伸びきった鼻面は無理してでも真正面から叩き潰すに限る」
「ジャッキーもシロウも……まぁ、これもアムル家の宿命。受け入れましょう」
「話がまとまったなら改めて気合入れなおしましょうか。ハイド殿も理解できてますか?」
「マイヤー殿。正直言ってよくわからん。だが、アーデルを守る事に全神経を集中すればいいぐらいはわかる」
「その通りです!!私達はアーデル様の盾……命尽きるまで……いえ、命尽きようとも倒れる事は許しません!!いいですか?!!!」
「愚問である!!“拳王”は退かぬ!!媚びぬ!!省みぬ!!さぁ打ってこい自称魔王とやらよ!!!どのような攻撃が来ようとも、我らは全てしのいでみせようぞ!!!!」
「いい度胸ではないか。ならば望み通りくれてやろう!!この魔王デルフリ様最強最大の奥義を……波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
宣言通り、クズは今まで矢や槍を形作っていた闇の炎を、両手で合わせた手のひらから直接放った。
それは氾濫を起こした濁流のごとき押し寄せてくる闇の波動であるも……
「「「「「「「ふんぬぅぅぅぽんぷあっぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」」」」」」」
7人同時に発動させた『M・B・S・B』を……
さりげなくマイヤーとメイも不完全ながら発動可能な『M・B・S・B』によって得た筋力を上乗せした『マッスルディフェンダー』で……
7人息ぴったしに合わせた事で発生した虹色の光の力で闇の波動を押し返していた。
「な、なん……だ……と?」
さすがにこれはクズも驚いた。
クズが放った一撃は宣言通りに本気だった。
全力を込めただけに耐えられたのは予想外だ。
その事実にクズは動揺し、逆に7人は余裕綽々と笑っていた。
「オノレ……オノレオノレオノレオノレ!!!!!!オノレェェェッェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!」
どれだけ力を得てもクズはクズ。よくみれば7人はやせ我慢してるだけという、まだ慌てるような段階ではないのにクズは焦った。
“おい!!もっとだ!!もっと力をよこせ!!!”
“オイオイヨクバルナヨ。オレハマダホウシュウモラッテナインダゼ。コレイジョウハムリダナ”
“つべこべいわずにもっと力をよこせぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇっぇえっぇえぇ!!!!!”
“ハッハッハッハッハッハ……ダガコトワル!!”
クズは内に潜んでる悪魔の『オニオン』にさらなる力を求めるも、あっけなく拒否された。
一応彼目線で言えば、報酬をまだもらってないのだから断るのは当然。
だが、クズは全くそう思ってない。
例え相手が誰だろうと自分の言葉は絶対。従って当然という自分本位な考えは変わらなかった。
そんな心持だからこそ、“闇”に属する者から目をつけられたわけだが……
「クソ………クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクッソォォッォォォォッォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
圧倒的な力を得たというのに、思い通りとならない現実にクズはいら立つ。
圧倒的な力でアーデル達に『絶望』を与えるはずなのに、誰も『絶望』していない。
一時は周囲に『絶望』を与えても、クズの全力を前にして一歩も引かない7人に勇気付けられるかのごとく周囲の者達は『絶望』に抗い始めたのだ。
その代表格こそ……
「皆の者!!『希望』は捨てるな!!!我々には“聖女王”アーデル様が居るのだ!!!決して諦めるな!!」
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