✕✕が弱い俺の社内事情

麟里(すずひ改め)

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5章

31話《間話》

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 __余談


 「雅斗さん、ひとつ聞いても?」

 「ん、何?」

 「あの薬っていつ効果切れるんですか?」

 雅斗さんはそれを聞くと悪そうな笑みを浮かべた。

 「いつだと思う?」

 「事が終わったらじゃないんですか?」

 俺は首を傾げ、適当にそう答えた。

 「違うんだなぁ、それが」

 「どういうことですか?」

 「真実の愛、らしいよ」 
 
 唐突にロマンチストのような言葉を出され、俺は驚いた。

 「えっと、それはどういう……」

 「そのまんま。自分のことを本当に愛してくれる人が見つかったら効果は出なくなるらしい」

 「そ、そんな……」

 「嫌?」

 「そうじゃなくて……こんなのいつも出られたら迷惑でしかないですよ」

 「いいじゃん、ローション要らないし」

 「違います、女になっちゃいますよ俺。興奮したら愛液が出るって……」

 「いいじゃん、毎日どれくらい自分が興奮しているか分かるんだから」

 「そんなの分からなくていいですって……」

 俺はその事を耳にして少しの期待を覚えた。
 この薬のおかげで俺を愛してくれるのが誰なのかを知ることが出来るかもしれないのだから。
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