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二回目の金曜日
10※
しおりを挟む少しずつ身体の中が広げられていく。熱いような痒いような痛みと、圧倒的な質量による息苦しさに晴香の息は乱れる。それでも初めの頃ほどではない。葛城が丹念に解してくれ、そしてこの瞬間でも気遣いながら行為に及んでくれているおかげで、段々と違う感覚を得始めている。
入り口の浅い所を擦り上げられると時折鼻にかかった声が漏れてしまう。指でされた時よりもまだ鈍いけれど、しかしその分重い感覚がして晴香は身を捩る。ここをそのまま擦られ続けるのがなんだか怖い。だがそれを葛城が見逃すはずが無かった。
「ここか?」
逃げる晴香の腰を掴み、浅瀬を擦る回数を増やす。
「ふぁッ!?」
「……イイ声」
奥を突いてはナカを刮げる様にゆっくりと引き抜く。抜けきる際までくると、晴香が薄く反応を示した箇所を数回擦ってはまた奥に進む。
けして乱暴にはされないけれど、じっくり慣らされていくのもそれはそれで辛いのだと晴香は思い知った。自分の身体がどう扱われて、どう感じているのかが如実に分かる。初めては猛烈に痛い、と散々聞いていたのに自分はそれほどまで痛みは感じなかった。それだけ葛城が上手いと言う事なのだろうが、それでも自分がまるで淫乱であるようで恥ずかしい。そう思ってしまうほどに、晴香の身体は快感に震えていた。
「んっ……ぅ、あッ、あ……は、あぁッ……」
啼く声に甘さが混じり始めると、葛城は抽挿のリズムを速める。グチュグチュとした粘り気のある音も大きくなり、部屋の空気の密度がより一層濃くなった。
「少しは気持ちいいか?」
「ッ……あ、……わ、かりま、せん、け、ど……ヤでは……ない、です」
この浅瀬を擦られる感覚が気持ちいいのかまではまだ分からない。気持ちよさで言うならば指と舌でされた時が断トツだ。今もきっと気持ちよくはあるのかもしれないが、それ以上に身体の疼きが募ってしまう。もっと欲しい、が、それが何を求めているのかが分からない。
「……せんぱいは……? きもちい、い、です?」
葛城からは与えられてばかりだ。軽く手でした事になるのかもしれないが、あれでは到底与えられた快楽の分には足りない。せめて自分にもっと技術、というか知識があれば先輩を気持ちよくできるのに。
「そんな顔しなくてもすげえ気持ちいいよ」
不安げな顔をしていたのだろう、葛城が優しく瞼にキスを落とす。
「挿れて止まってた……お前に応援された時だって気持ち良すぎて辛かったんだよ。動いてる今は今で、奥に挿れると熱くうねってくるし、抜こうとすると引き留めるみたいにまとわりついてたまんねえ……ココは擦るとキュッキュッて締め付けてくるからその度にイキそうになって、正直耐えるのが辛い」
「……実況と解説やめてください……っ!」
「お前が思ってる以上に俺もいっぱいっぱいなのがお分かりいただけただろうか」
実際葛城の忍耐も限界だった。ひたすら耐えに耐えたこの一週間、やっと手に入れた晴香の身体は想像以上に甘美で貪りたくて堪らない。思いのままに腰を打ち付け晴香のナカを自分で満たしたい。何度も繰り返して自分の形を覚え込ませたいし、快楽を拾う場所を見つけて徹底的に開発もしたい。すでに感じる場所となった胸と秘所もまだまだ味わい足りないしで、果たしてこの金曜の夜から土日の三日だけで足りるのだろうか。そういや有給かなり残ってんだよなあ、とそんな考えすら脳裏を掠めてしまう。盛りの付いた年でもないのに、と自嘲の笑みさえ浮かぶ。
こんな浅ましい想いを向けられていると知ったらどう思うだろうか。
欲望のままに行為に及んだらどうなってしまうだろうか。
逃がす気はさらさら無いけれど、それでも今までのような信頼と親愛に満ちた目を向けて来る事はなくなるかもしれない。恋愛感情を持たせようと必死であったが、それは信頼と親愛の情があった上での事だ。
晴香から向けられる感情は何一つ失いたくない。晴香を傷付けてまで優先する事など何も無い。
その一心で、葛城は今も己の欲が暴れそうになるのを必死で堪えていた。
「……お前は本当に俺をもう少し褒めろ」
ポタリと葛城の頬から落ちた汗が晴香の胸元を濡らす。その感触にまで晴香の肌は反応し、胎内にいる葛城に甘い責めを与える。
「わたしの先輩、は……ガラが悪くて口も、悪く、て、……ついでに、手も早いんですが」
「褒め言葉の羅列じゃねえなあ」
あと手が早いってやめろ、と葛城は独りごちる。現状が誤解を招くしかない。
「でも、とてもすごくやさしくて……お、お気遣いの人、で、……なので、先輩は、えらいです、し」
晴香は少しの間視線を彷徨わせるが、ん、と一度息を詰めて覚悟を決めるとゆっくりと言葉を続ける。
「わたしのはじめての人が、先輩で、ほんとうに嬉しいです」
ふわりと笑う晴香の唇に葛城の唇が重なる。上唇と下唇をそれぞれ食まれ、舌も吸い出されては軽く歯を立てられる。その刺激に身体の奥からジワリと蜜が溢れたのか抽挿が速くなり、晴香は口付けを交わしたままくぐもった喘ぎを漏らす。
「俺もお前が貰えて本当に嬉しいよ」
ありがとう、と官能に満ちた声を耳から流し込まれると肌がざわめき、それによりまた蜜が溢れる。
「ナカで感じるのはまだ無理だろうから、コッチで気持ちよくしてやるな」
「ぇ……んァッ!?」
葛城は晴香の両足を大きく広げる。抽挿を繰り返し、蜜で濡れてテラテラと光る花心を親指の腹でぐ、と押した。
「ああッ! あっ、んッ、やっ、く……ッ、ふ……ぁんんッ!!」
指で押し込んだかと思えばゆるゆると左右に揺らし、円を描くようにクルリと回してみたりと、これまで何度も絶頂に押しやられた動きで責め立てられる。晴香は背中を反らし、それどころか腰まで浮かせて身体を震わせた。胎内もギュウギュウと葛城の熱を締め付け、その熱さに腹の中から全身に伝わり汗が吹き出る。
「うぁ……すげ……締まる……クソッ……!」
葛城は奥歯を噛み締めながら襲い来る快感に耐え、それでも晴香を責める手を止めない。それどころかさらに責め立てようとする。
花心を自らの昂りに押しつけるように指を動かし、スリスリと擦り合わせながらもう片方の手を胸へと伸ばす。可哀相なくらいに固く尖った先端を摘まみ捏ねると、晴香は高く啼きながら葛城の手を掴んだ。
「やッ、せんぱい、ッ、そ、れぇ……だめ、で……あっ、あああッ!!」
胎内を抉られる痛みと苦しみは外側から与えられる快楽と混ざり合い、最早どこで感じているのかも分からない。ナカで感じる葛城の熱さえ気持ちよく、締め付ける度にその形を感じ、改めて葛城と繋がっているのだと頭と身体で理解する。
「晴香……気持ちいいか?」
恥じらう余裕はすでに無い。晴香は涙を零しながらコクコクと頷く。その素直な反応に葛城は獰猛な笑みを抑えきれず、それでも乱暴にだけはしないようにと優しい手付きのまま晴香を高みまで追い込んだ。
「あッ、あッ、ふ、……あああーッ!!」
胎内を満たされたままの絶頂はこれまでの比ではない。目を閉じているのか開いているのかも分からず、しかしチカチカと星が散る。身体は熱で壊れてしまったのかと思うほど熱く動かない。このまま死ぬのではないかと、本気でそんな心配をしてしまうがふとした瞬間、今度は逆に全身から力が抜けて崩れ落ちる。
脚も腕も、指一本すら動かせない。どこにも力が入らない中、唯一固さを保っているのは晴香の胎内にある熱の塊だけだった。
え、と晴香はどうにか視線を動かす。葛城は快楽の波をどうにかやり過ごし、今もまだ欲に満ちた眼差しで晴香を見ていた。
「やっぱ……お前のイク顔たまんねえな……」
乾いた唇を舐めるその姿にすら晴香は反応してしまう。視覚からでも快楽を与えてこられるだなんて、どう対処したらいいのか。そんな方法がはたしてあるのか。
「悪い、もちょい付き合え」
「……むりで、す……」
もう本当に無理だ。口を動かすのすら億劫なのに、と晴香は涙目で訴えるが葛城は「何もしなくていいから」と晴香を抱き締める。
「わたし……」
「うん」
「もとから……なにもしてませんけどおおお……」
「お前は俺に抱かれて気持ちいいって啼くのが仕事だから」
そんな仕事は全力でお断りしたい。あとそれももう無理です。そうも伝えるが「悪い」とちっともそうは思っていない笑みと共に唇を塞がれた。
クタクタになった身体を抱き締められたまま抽挿が再開する。労うように頭を撫でられ、キスも舌を絡めながらも優しいもので、それだけなら晴香は穏やかな気持ちよさにうっとりとした気持ちになった、はずなのに。
隙間無く抱き締められているおかげで葛城の固い胸に自分の胸が擦り合い、敏感な先端がずっと快楽を拾い続ける。花心にも腰が擦り付けられているので、晴香はいつまでたっても甘い責めから逃げられない。
「俺も……イキそう……」
葛城の声が余裕を無くしている。打ち付けてくる腰の勢いもすでに優しさはなく、ひたすら自分の快楽を得るためだけの様に動いている。しかし晴香はそれが嬉しい。常に気遣ってくれるのはとても嬉しいが、それと同じくらいその気遣いを忘れて夢中になってくれている。 晴香は途切れそうになる意識と力を振り絞って葛城に抱きついた。自らも舌を絡め、夢中で唾液を啜る。
葛城の熱が晴香の奥を突く。そこで一際大きく震えたかと思うと、薄い皮膜越しに欲が吐き出された。
晴香は葛城に舌をきつく吸われた状態でその熱の迸りを感じる。
身体の外も中も快楽に支配されたまま何度も全身を震わせ、それは晴香が意識を失うまで続いた。
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