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46 【番外編2】どうしてこうなった? 7
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翌朝、目が覚めた時には、リーランドに髪を撫でられていた。
私の喉はガラガラで声も出ず、指一本動かせない状態だった。
「あー、ゴメン。やり過ぎた」
ま、まさにそれな!
とは思ったが声が出ない。
「今日は休め。食べ物は持ってくるから、大人しく寝とけ」
そう言うと、リーランドは朝食の乗ったトレイと並々と水が入った水差しを指差した。
「‥‥‥」
私は頷き、そのまま目を閉じた。
すぐに寝てしまったらしい。
次に目が覚めた時には、だいぶ日が高くなっていた。
「あー、あー‥‥‥」ガラガラだが、声が出るようになった。
(あいつ、やり過ぎだろ)
私はそう思ったが、不思議と腹も立たず、寝転んだままリーランドが持ってきた朝食をぺろっと食べてしまった。
どうやら自分で思っていたよりも、体力を使っていたらしい。
しっかり食べてまたウトウトしていると、髪を撫でる気配に気がついた。
うっすら目を開けると心配そうな顔をしたリーランドが覗き込んでいた。
「目が覚めたか?」
「ん」そう言うとリーランドを見た。
「大丈夫か?」
「うーむ。あまり大丈夫ではないな」
「すまん」
「まあ、いいだろう」
「そっか」リーランドが微笑んだ。
「昼飯持ってきたぞ。一緒に食おう」
そうか、と私は体を起こす。
「イタタタ‥‥‥」腰が痛いわバカモンが。
「うわ、ゴメン」
黙ってリーランドを見る。
「いや、なんか歯止めが効かなくなっちゃってさー。だってお前なんかエロいんだもん」
そう思うのはお前だけではないか?と思ったがあえて黙っておいた。
まあ、そもそもだ、どうしてこうなった?
そこは聞かねばなるまい。
「ま、食えよ」
取り繕うようにリーランドがそう言うと、無理やりフォークを握らせてきた。
「ふむ」
うまいな。味のついたコメのようなものに白身魚が載っている、ガッツリしたメニューが多い軍にしてはシンプルな食べ物だった。
付け合わせのスープもあっさりしていて野菜中心で食べやすい。
(あー、もしかして、こいつ気を使ったのか?)
肉ばっかり食っているリーランドにしては珍しいチョイスだ。
お互い黙々と食べて食事が終わると、とうとう観念したのかリーランドが私に向き合った。
「いやー、どうも俺、お前に惚れちゃってたみたい?」
「はあ?」
「自覚なかったんだけどさあ、お前運動してる時やたらとエロくて困ってたんだよな?」
「は?」
「なんか、喘ぎ声とかさあ」
「馬鹿者、喘いでなどおらん」
「いやーエロくてほんと、俺もいろいろ隠すの大変だったわけよ。」
「一体何の話だ」
「だから俺がお前に惚れてるって話」
「意味がわからん」
「最初は迷惑だったんだけどさ、お前何もできないんだもん。なんか世話してるうちに情が移っちゃったっていうのかな。他の奴には任せたくないな、と思った時に少しやばいなとは思ったんだけどさぁ。だってお前なんでも俺にやらせてたじゃん?安心しきってさぁ。まあ、決定打は、あのエロさ?濡れたシャツに透ける乳首とかほんとにやばくて‥‥‥」
「理解できんが」
「だって、気になってるやつが超涙目で俺のこと見上げて縋ってきたら、抱いちゃうよね?」
「はああ?」
こいつは一体何を言っているのだ?泣いても縋ってもおらんぞ?
リーランドは俺の髪を一房掬うとキスをした。
「俺、お前に惚れてるみたい。好きだよ、レイモンド」
その時、俺の胸が大きく音を立てて跳ねるのと同時に、何かがすとんと落ちた。ああ、そうか、そういうことなのか、と。
私の喉はガラガラで声も出ず、指一本動かせない状態だった。
「あー、ゴメン。やり過ぎた」
ま、まさにそれな!
とは思ったが声が出ない。
「今日は休め。食べ物は持ってくるから、大人しく寝とけ」
そう言うと、リーランドは朝食の乗ったトレイと並々と水が入った水差しを指差した。
「‥‥‥」
私は頷き、そのまま目を閉じた。
すぐに寝てしまったらしい。
次に目が覚めた時には、だいぶ日が高くなっていた。
「あー、あー‥‥‥」ガラガラだが、声が出るようになった。
(あいつ、やり過ぎだろ)
私はそう思ったが、不思議と腹も立たず、寝転んだままリーランドが持ってきた朝食をぺろっと食べてしまった。
どうやら自分で思っていたよりも、体力を使っていたらしい。
しっかり食べてまたウトウトしていると、髪を撫でる気配に気がついた。
うっすら目を開けると心配そうな顔をしたリーランドが覗き込んでいた。
「目が覚めたか?」
「ん」そう言うとリーランドを見た。
「大丈夫か?」
「うーむ。あまり大丈夫ではないな」
「すまん」
「まあ、いいだろう」
「そっか」リーランドが微笑んだ。
「昼飯持ってきたぞ。一緒に食おう」
そうか、と私は体を起こす。
「イタタタ‥‥‥」腰が痛いわバカモンが。
「うわ、ゴメン」
黙ってリーランドを見る。
「いや、なんか歯止めが効かなくなっちゃってさー。だってお前なんかエロいんだもん」
そう思うのはお前だけではないか?と思ったがあえて黙っておいた。
まあ、そもそもだ、どうしてこうなった?
そこは聞かねばなるまい。
「ま、食えよ」
取り繕うようにリーランドがそう言うと、無理やりフォークを握らせてきた。
「ふむ」
うまいな。味のついたコメのようなものに白身魚が載っている、ガッツリしたメニューが多い軍にしてはシンプルな食べ物だった。
付け合わせのスープもあっさりしていて野菜中心で食べやすい。
(あー、もしかして、こいつ気を使ったのか?)
肉ばっかり食っているリーランドにしては珍しいチョイスだ。
お互い黙々と食べて食事が終わると、とうとう観念したのかリーランドが私に向き合った。
「いやー、どうも俺、お前に惚れちゃってたみたい?」
「はあ?」
「自覚なかったんだけどさあ、お前運動してる時やたらとエロくて困ってたんだよな?」
「は?」
「なんか、喘ぎ声とかさあ」
「馬鹿者、喘いでなどおらん」
「いやーエロくてほんと、俺もいろいろ隠すの大変だったわけよ。」
「一体何の話だ」
「だから俺がお前に惚れてるって話」
「意味がわからん」
「最初は迷惑だったんだけどさ、お前何もできないんだもん。なんか世話してるうちに情が移っちゃったっていうのかな。他の奴には任せたくないな、と思った時に少しやばいなとは思ったんだけどさぁ。だってお前なんでも俺にやらせてたじゃん?安心しきってさぁ。まあ、決定打は、あのエロさ?濡れたシャツに透ける乳首とかほんとにやばくて‥‥‥」
「理解できんが」
「だって、気になってるやつが超涙目で俺のこと見上げて縋ってきたら、抱いちゃうよね?」
「はああ?」
こいつは一体何を言っているのだ?泣いても縋ってもおらんぞ?
リーランドは俺の髪を一房掬うとキスをした。
「俺、お前に惚れてるみたい。好きだよ、レイモンド」
その時、俺の胸が大きく音を立てて跳ねるのと同時に、何かがすとんと落ちた。ああ、そうか、そういうことなのか、と。
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