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3. お母様登場
しおりを挟む「あなた達いい加減になさい!!!」
お父様達がお母様にお説教をされています。
「だって…いくら同性とは言え…あれは…。」
お父様…今言い訳はお勧めしませんわ。
だって…。
「あなた!」
ほら、お母様に怒られました。
「はい!すいません!」
冷血公爵と世間では言われていますが家ではお母様にかなう人はいません。普段はおっとりとしていて大きな声も出すことがない優しいお母様なのですが、怒らせると別人なんです。
「お母様…お言葉ですがあれは恋人同士がするもので…。」
あっ、ルルお兄様…それは…。
「あら?あなたは騎士として試合が終わった後に抱き合っているのではなくて?お相手は恋人でしたの?」
「……違います。」
もう、お母様に口でかなうはずが無いのですから黙っておくのが得策ですわ。
「……。」
さすが、ルアお兄様は黙っていますわ。お兄様は学園では一番の成績でしたものね。ルルお兄様はお勉強はお嫌いでしたから…。あっ、でも武術の腕、特に剣の腕は国一番と言われていますのよ。
「全く…何度言えば理解できるのですか?このままではルナに友人もできなければ、婚約者さえできない事態になってしまいますのよ!」
お母様は腰に手をあてて完全にお怒りモードに突入されています。
「いや、別に結婚などしなくても当家で面倒見れば…。なあ、ルア。」
お父様…お兄様に助け船を出してもらおうとしていますね。
「そうですよ。何もルナが嫌がる様な結婚をさせなくてもルナはこの家で幸せにしてやります。」
ルアお兄様…プラチナゴールドの髪に明るいグリーンの瞳でイケメンなのに、22歳になっても結婚できていないお兄様がそんなことをお母様に言っても大丈夫なのですか?
「ルア…。それは伴侶も迎えられず誰一人も幸せにできていない貴方が言うことではありません!」
ほら~。以前にも話しましたが、この国の結婚適齢期は男女共に18歳がピークなのです。そこから4年もすぎているお兄様は世間では問題あり人物と見られてしまうんですよ。
まあ、シスコンが問題だとは察しがつきますが…。
「母上落ち着いて下さい。」
ルルお兄様が間に入って諌めようとしていますがこれもダメですね。
「ルル…貴方もよ。20歳にもなって婚約者もいない!毎日トレーニングに明け暮れて…。これ以上脳筋になってどうするつもりなの?!」
うわぁ~、今日のお母様…毒づいていますね。可哀想にお兄様、魂が抜けてしまったような状態になっていますわ。
「とにかく、今日から3カ月の間はルナに接近禁止です!」
「「「えええーーー!!!」」」
お父様達の叫び声が屋敷に響いたのは言うまでもありません。
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