神様！モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

51. 出発

『お兄様！…無事だったのですね』

東の魔女の家に、私を捜してお兄様がやって来た。
良かった…無事だったんだね。
森が大変な事になっていたからどうしてるかと思っていたけど…安心しました。

『どうして、ここにいることがわかったのですか？』

『西の魔女から話しを聞いたんだよ…』

西の魔女…クマナさんはお家に帰ったんだ。

『サファイアの無事な姿を確認できて嬉しいよ』

『お兄様…』

「あの～…猫と犬の兄妹…感動の再会をしている所を悪いけど、話しを聞かせてもらっても良いかな？」

エルナさんが不思議そうな顔をして、私達を見ている。

それはそうか…犬のお兄様に猫の妹が涙を流して抱きついているんだから…。

今、説明しますね。

『お兄様、この方は東の魔女でエルナさんです。今はここでお世話になっています』

『妹がお世話になっています。兄のクルシュナです』

「ご丁寧にどうも…それで、何故…犬と猫が兄と妹なの？」

兄は私達の事をエルナさんに話をした。

実は人間だということも。

たまたま、犬と猫になってしまったことも。

「そうだったんだ～。へぇ～」

エルナさんは納得してくれたみたいだ。

『そういえば、ホーさん達も元気なの？』

『ああ、サファイアの事を心配していたぞ』

会いたいな～。
会って思い切りモフモフさせてもらいたいよ…。

『サファイア…口、ヨダレ…』

へ？…しまった！よだれがでてた。
もう、ストレスが溜まりすぎててだめだね。
ルルさんにモフモフさせてもらったけど…まだ、足りないよー。
早く、お屋敷に帰りたい…。
ザジさんに会いたい…。
モフモフしたい…。

『俺と一緒に帰るか？』

『帰れるの？今、ここを出ると危ないんじゃ…』

『今日は新しい魔道具を持ってきたんだ。それを着けていれば魔力追跡できないから大丈夫だと思う』

そんな良い物があるんなら、もっと早くに欲しかったよ…とは言えないね…。

でも、これで帰れる…帰れるよ！

モフモフができるよ！

『エルナさん、申し訳ないが、これをサファイアの首につけてくれませんか？』

お兄様がエルナさんにチョーカーの形をした魔道具を渡した。

「わかったよ。えーと…これで大丈夫かな…苦しくない？」

『は…い』

「よく泣く猫だね…。そんなに嬉しいのかい？」

笑顔でエルナさんが見ている。

『はい。それはもう表現しきれないくらいの嬉しさです』

「そうかい…良かったね…」

エルナさんは少し寂しそうな顔になった。

「あんたとの生活は楽しかったよ、また遊びにおいで…」

『はい。絶対に来ます。エルナさん本当にありがとうございました』

私はお兄様と一緒にエルナさんの家を出た。

エルナさんは私達が見えなくなるまで見送ってくれた…。

さようならエルナさん…。
ありがとうございました。