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79. やっと理解できたわ
しおりを挟むお母様はそれから食事に毒を盛られたり、誰かに監視される生活が始まったらしい。
いつかは殺されるかもしれないと命の危険を感じて皇居から逃げ出したそうだ。
なぜ皇帝に相談しなかったのかと聞くと、その時は后妃の事を追及できるだけの証拠もなく言うことができなかったみたい。
でも、皇居から逃げ出した事でお父様と出会い私が産まれたのだから複雑な気持ちだ。
もし、逃げ出すことがなければお母様はどこかの王族かこの国の権力者と結婚をしていただろう…。
私は…。
いや、タラレバを考えても仕方無いわね。今を考えないと。
お母様と生きて再び会うことが出来た喜びを噛み締めないとね。
口では生きていると信じているといいながらも心の奥底では死んでいるかもしれないとおもっていたんだから。
本当に…嬉しい。
だけど痩せ細っている今のお母様は健康とは言えない。かろうじて生きているような状態に見える。
お母様曰く「あの女は私を切り札に使おうと考えていたみたい。自分が逃げる時の足止め材料ね。その為にギリギリ殺さない程度に生かしていたのよ。」だそうだ。
実際、后妃はお母様の居場所を言うから命は助けてほしいと皇帝に手紙を送っていたらしい。
今も捜索中みたいだけど…どこに行ったのやら。
自分の息子は一緒に逃げたみたいだけど皇女達は置いて逃げた。炎華様ショックを受けているだろうな。
皇帝は皇女達をどうするかをまだ公にしていない。これからどうなるのかもきっと不安よね。
私はと言えば暫くはお母様と一緒に暮らせるみたい。まあ、離れろと言っても離れないけどね。もちろん、茉央も同じ意見だ。
お母様が元気になるまで介護をしたいとおもっている。…けど、それを許されるのかは疑問だ。
皇族が居なくなってしまった今は増やさないといけなくなる。そうすると私の結婚という問題も出てくるからだ。
皇帝が今から若い花嫁をもらい子供を作るというのもありだが…そんな気配はないのよね。あの后妃で女嫌いになっても不思議ではないしね。
本人に聞いたわけではないから分からないんだけど。
ん?でもそういえば…曹操が言っていた言葉が今更ながら気になってきたわ。
「人に聞かれたら婚約者だと言え」と言っていたわよね?
それってこれからの事を見越して言ってた?
あれ?じゃあ…。
曹操の言っていた言葉の意味がやっと理解できたわ。
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