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80. あれから…
しおりを挟むお母様と再会してから3ヶ月が経過した。
その間私の周りは激変した。
住んでいた家は解約し、皇居に引っ越してきた。
しかも凄い豪華な部屋。
服装も高級なシルクなどを使用した布で作られた肌触りの良い綺麗な服を着せられて、髪の毛も綺麗になるように椿油等を塗られ艶が出るようにお手入れされいる。
昔、男の子の様にしていたのが嘘のようだ。今の私を見て男だと思う人はいないわね。
茉央も私の侍女として毎日はりきって仕事をしている。前みたいに一緒にいる時間は少なくなってしまって寂しいけどね。前は狭い家だったから寂しいなんて思わなかったかも…。
お母様も食事を少しずつ食べられる様になり元気になってきたのよ。今ではリハビリもしていているの。前の骨と皮の様な容貌から今は昔の綺麗なお母様に近づいているわ。
ただ…髪の毛の色は戻らなかったけど。
お母様は「白髪も似合っているでしょ。」って言っているけど…複雑よね。
「星蘭様。入ってもよろしいですか?」
あっ…今日も来た。最近毎日私の部屋にやって来る人物がいる。
ガチャ…。
「ちょっ…、ちょっと、私が返事をする前に開けないでよ!」
「だって、待ちきれないよ。拒否するなんて考えられないしね。」
最近は顔を隠していた布をしない様になった曹操だ。結果から言えば曹操の狙い通りになりました。
あの後、皇帝からお見合いの話をされたのだけどその相手が曹操だったの。何でも后妃のしてきた事を暴き、私のお母様を探しだしたら私と結婚させても良いと約束していたらしい。
本人の意思は関係ないのね…。
まあ…曹操の事は嫌いではないのだけど。
だけど后妃はまだ捕まっていないから結婚はできず、婚約だけ許されたという中途半端な感じだけどね。
それから、皇女達は結局ここを出て国の外れで暮らすことになった。皇帝も自分と血の繋がりはないとしても今まで可愛がっていたので処刑するのは止めたみたい。臣下はかなり抵抗したみたいだけど…。大丈夫なのかしら。
皇女達に一目会いたいと思ったけどそれは叶わなかったわ。
救いは一人ではないことよね。姉妹お二人で力を合わせればなんとかやっていけるわ。
「星蘭…何を考えているのかな?」
気がつけば私のすぐ近くまできていた曹操が目の前まで来ていた。
「へ?」
そして私を捕まえて一緒にソファーに座らされた。何だか段々とスキンシップが激しくなってきているのよね。
「星蘭…やっと結婚式ができそうだよ。」
「え!それって…。」
「うん。后妃が見つかったんだ。」
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