男装少女は復讐を誓う

縁 遊

文字の大きさ
80 / 86

80. あれから…

しおりを挟む


 お母様と再会してから3ヶ月が経過した。

 その間私の周りは激変した。

 住んでいた家は解約し、皇居に引っ越してきた。

 しかも凄い豪華な部屋。

 服装も高級なシルクなどを使用した布で作られた肌触りの良い綺麗な服を着せられて、髪の毛も綺麗になるように椿油等を塗られ艶が出るようにお手入れされいる。

 昔、男の子の様にしていたのが嘘のようだ。今の私を見て男だと思う人はいないわね。

 茉央も私の侍女として毎日はりきって仕事をしている。前みたいに一緒にいる時間は少なくなってしまって寂しいけどね。前は狭い家だったから寂しいなんて思わなかったかも…。

 お母様も食事を少しずつ食べられる様になり元気になってきたのよ。今ではリハビリもしていているの。前の骨と皮の様な容貌から今は昔の綺麗なお母様に近づいているわ。

 ただ…髪の毛の色は戻らなかったけど。

 お母様は「白髪も似合っているでしょ。」って言っているけど…複雑よね。

「星蘭様。入ってもよろしいですか?」

 あっ…今日も来た。最近毎日私の部屋にやって来る人物がいる。

 ガチャ…。

「ちょっ…、ちょっと、私が返事をする前に開けないでよ!」

「だって、待ちきれないよ。拒否するなんて考えられないしね。」

 最近は顔を隠していた布をしない様になった曹操だ。結果から言えば曹操の狙い通りになりました。

 あの後、皇帝からお見合いの話をされたのだけどその相手が曹操だったの。何でも后妃のしてきた事を暴き、私のお母様を探しだしたら私と結婚させても良いと約束していたらしい。

 本人の意思は関係ないのね…。

 まあ…曹操の事は嫌いではないのだけど。

 だけど后妃はまだ捕まっていないから結婚はできず、婚約だけ許されたという中途半端な感じだけどね。

 それから、皇女達は結局ここを出て国の外れで暮らすことになった。皇帝も自分と血の繋がりはないとしても今まで可愛がっていたので処刑するのは止めたみたい。臣下はかなり抵抗したみたいだけど…。大丈夫なのかしら。

 皇女達に一目会いたいと思ったけどそれは叶わなかったわ。

 救いは一人ではないことよね。姉妹お二人で力を合わせればなんとかやっていけるわ。

「星蘭…何を考えているのかな?」

 気がつけば私のすぐ近くまできていた曹操が目の前まで来ていた。

「へ?」

 そして私を捕まえて一緒にソファーに座らされた。何だか段々とスキンシップが激しくなってきているのよね。

「星蘭…やっと結婚式ができそうだよ。」

「え!それって…。」

「うん。后妃が見つかったんだ。」











 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

君を探す物語~転生したお姫様は王子様に気づかない

あきた
恋愛
昔からずっと探していた王子と姫のロマンス物語。 タイトルが思い出せずにどの本だったのかを毎日探し続ける朔(さく)。 図書委員を押し付けられた朔(さく)は同じく図書委員で学校一のモテ男、橘(たちばな)と過ごすことになる。 実は朔の探していた『お話』は、朔の前世で、現世に転生していたのだった。 同じく転生したのに、朔に全く気付いて貰えない、元王子の橘は困惑する。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...