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77 親子の対面
しおりを挟む「大丈夫か?」
マウル様に心配されています。
実は今…私のお父様に会う為に王宮に来ています。
緊張のあまり顔色が悪くなっているみたいです。
それにしても…メンバーが勢揃いなんですけど…。
王家の皆様…と私の家族…。
この前お会いした所ですが、慣れませんね…。
「ロンデール国王様が御到着です」
ファドさんが知らせに来てくれました。
いよいよです。
扉が開いて王様と目が合った瞬間…王様の動きが止まりました。
「シャリル…」
あ…私の実母の名前だ。
私の横に母さんが来て王様に向かってカーテシーをしています。
「王様お久しぶりでございます。長い間騙すような事になり申し訳ありませんでした…」
父さんも母さんの横に来て頭を下げています。
「お前は…騎士団長のカロムか…。そうか…お前達が守ってくれていたのか…」
「いつ王様に報告に行こうかと悩んだのですが、2人で話し合いシャルル様が成人したら…と思っておりました。まさか、こんな形でお会いする事になるなんて考えてもいませんでした…」
父さんは騎士らしく片膝をついて王様に話しかけている。
「いや…礼を言う…ここまで育ててくれて感謝する。もし、我が国にいたならば…シャリルに似すぎていて命の危険があったと思う…」
そんなに似ているんですね…。
「…シャルルよ、もっと近くに来て顔を見せてはくれないか…」
「…はい」
緊張する…。
私は王様のすぐ前に立った。
「触れても良いか?」
私は頷いた。
王様は私の髪を撫で…頬をに手を当てた。
「髪の毛の癖もよく似ているな…。色も…。瞳は私と同じ色なのだな…」
優しい瞳で私を見ている。
きっと亡くなったシャリル母さん思い出しているんだね…。
「私とシャリルの子供がいるとは…夢では何度も見たが…。本当に現実なのだろうか…」
「…はい。現実です…お父様…」
今日、お会いしたら絶対にお父様って呼ぶと決めていたのです…緊張してましたけど、噛まずに言えました。
お父様の目から涙が1粒落ちた…。
その涙が落ちる前に私はお父様に抱きしめられた。
「こんな幸せが待っていたとは…生きていてくれてありがとうシャルル…わが娘」
私も、しっかりとお父様に抱きつきました。
「私こそ…娘と認めて下さってありがとうございます」
部屋にいる全員が涙しているのか、すすり泣く声や鼻をすする音が聞こえている。
母さん達も抱きしめ合って泣いている…。
アロム…どさくさに紛れてサリア姫を抱きしめて慰めようとして、マウルに睨まれています。
後でお説教されるよ…。
感動の親子の再会は終わりです。
私のもう1つの願いを叶えられるかの勝負はここからです。
「あの…お父様にお願いがあるのですが…宜しいですか?」
「何だ?お願いとは…」
私…頑張ります。
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