ある夏の日に君と出会った

おとめ

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 大人しく、学校の成績も申し分ない安春は両親の信頼も早々と獲得し、素直で真っ直ぐな性格から正義感も強く、友人は多かった。
 木陰や、木の実のある景色を眺めるのは楽しかった。今の時期なら、青い栗の木がある。日の当たらない林から涼しげな風が運んでくる。
 先程の不審な場所へたどり着くと、安春は上を見上げたり周囲を確認するが、靄(もや)らしきものは見つからなかった。しかし木々の間から、なんとなく生き物が生きている気配がし、落ち着かない。お盆という事もあり霊でもいるのかと思った時、祖父を思い出す。もしかしたら祖父が来ているのか、そう思い安春は墓参りに行こうと決めた。

 家の中へ戻り、デスクトップのパソコンの電源を入れ、インターネットで墓参りに必要なものを調べる。供え物用の花や線香、火や他にも墓参りの仕方などが絵で載っているサイトなどをチェックする。安春はすぐに支度を始め、リュックを背負い家を出た。
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