女王エリスと白き鬼
かつて、この国を支えた『鬼』の一族。
炎を操る力を持った人ならざる者達は、『緋の悪魔』と恐れられたと言う。
時代の流れと共に種が減り、その血は潰えたと噂されるようになって久しい。
鬼の姿が無くなっても、平和を願う王の手腕で慎ましく続いていたベストア大陸一の王国エリクシール。
王が病に倒れて亡くなると、幼い姫が成人を迎えて王位を継承する日まで、大臣に国政が任されることになった。
王位継承を間近に控えたエリクシールの姫エリスは、その亡き鬼を求めて、鬼が移り住んだと言われるニオノヒ山へ向かった。