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7章 独占
ーーーーー 束縛(そくばく)
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***
桐野は車を運転しながら、昼間のことを思い出して嫌な気分になる。
あれは、ちょうど病院の食堂で同僚とお昼を食べているときだった。
ラインの着信音がズボンのポケットからして、慌てて白衣を捲り、スマホを取り出す。
『(`・ω・´)キリッ とうかっす! 先生!! ヤンキー二人が保健室の朝日に会いにきてます(;゚Д゚)』
『鶴見君たち?』
『真琴が!!∑(゚◇゚///)ドキュ→ン 朝日に抱き着いています( ̄◇ ̄;)』
『やめさせてください』
『ういっす(*ノω・*)テヘ』
(あの化粧のけばい金髪の少女。僕の朝日になに抱き着いてるんだよ。)
朝日を汚されたみたいで頭にくる。
「桐野先生、どうしました?なにか嫌な知らせでもきたの?」同僚の眼鏡をかけた医師に聞かれた。
「いや、ちょっと姪っ子からラインが来てて、トラブってるとかで」
適当な嘘をついて、何事もなかったかのようにつくろった。
***
「ただいま」
帰宅途中に寄ったドラッグストアーで買ったベルガモットのシャンプーとアロマオイル入りの石鹸を朝日に渡す。
「これでキレイに髪と体を洗ってきて」
「なんで? さっき風呂入ったよ」朝日は怪訝な顔する。
「化粧品の匂いがする」
「化粧なんてしてないよ」
「いいから洗ってきなさい」
朝日は、腑に落ちないと言った顔で新品のシャンプーと石鹸を持ってうなだれて風呂場に行く。
しばらくして洗面所からドライヤーの音がし、パジャマ姿の朝日がリビングにやってきた。
「もう匂わないと思うけど。そんな臭かった?」
桐野は何も答えない。
「なんか機嫌悪い? なにか僕、悪いことした?」
「朝日はなにも悪くないよ」
「やっぱり機嫌悪い」
「ちょっとね、嫌なことあって」
「どうしたの?」
「なんでもないよ」
「やっぱ、なにか怒ってるよね?」
「じゃあ、僕も風呂入ってくるから」
風呂から出てくると朝日はリビングで本を読んでいた。
「今日も一緒に寝よう」朝日の髪を撫でる。
「いいけど」
リビングの電気を消して自室に連れていく。
今日も蒸し暑くて寝苦しい。クーラーを入れてもいいが体を冷やすと具合が悪くなるからやめておいた。
朝日のパジャマの裾を掴むと桐野は言った。
「暑いからパジャマなんて脱いじゃったら」
「なんでそんなこと言うの?」
ベッドに座らせると、ストライプの半そでのパジャマのボタンを外す。
「変なことする気なんでしょ?ちょっとやめてよ」桐野の手を掴み拒否した。
朝日、いつもの普通の調子に戻ってるじゃないか。
何故か、寂しい気持ちになった。
「そんなことしないよ。暑くて寝苦しんじゃないかと思ったから」
「自分で脱ぐからいいよ」
パジャマの上だけ脱ぐと朝日はベッドにごろんと寝っ転がる。
桐野は身体を密着させ、やさしく抱きしめる。
「暑苦しーよ」朝日が文句を言うが、無視して、後ろからぎゅっと抱きしめる。
「暑いって!!」朝日がすこしキレ気味になって叫ぶ。
「ちょっとこうしてたいから黙って」
昼間、他の人に抱きしめられたって……おもしろくない。
「まこちゃんと鶴見君、元気そうだった?」
「全然普通だったよ」
「まこちゃんって子、君のこと好きなんだね。前よくヘアピンとかバレッタくれたよね」
髪の匂いを嗅ぐとベルガモットのいい匂いがした。やわらかい髪にキスをする。
「まこちゃんね、弟を事故で亡くしたんだって」
「ふーん、そうなの」
「僕、弟と似てるんだって」
「なんだ弟の代わりか」
少し安心したが、弟の代わりっていうのも嫌だと思う。
「栄、暑いから。マジで暑い。ぎゅーしなくていいから」
「朝日が学校で嫌がらせされたらって心配だったよ」
「鶴見っちがいるから、そういうのもうないよ」
桐野はますます面白くない。犬みたいに朝日にまとわりついている不良少年も大嫌い。可愛い子犬じゃなくてデカくて怖い犬。
「小五、六の時、朝日は友達から意地悪されてたって言ってたよね」
「友達でもなんでもない。ただのクラスの連中だよ」
「一人で給食食べてたって言ってたよね」
「うん、そうだよ」
「卒業式も参加させてもらえなくて」
「うん」
「水族館に一人で」
「やめてその話」
── 女の子なんかに抱きしめられた君が悪いんだよ。
わざとこの話題を続ける。
「品川水族館だっけ? こんど、行こうよ」
「昔のこと思い出すから、別のとこがいい。それに前住んでいたマンションも近いし」
「そうだね。前の学校の同級生やお母さんを見かけたりするかもしれないし」
「だから、もうその話やめて。お願い」
朝日は、精神的不安や極度の緊張で過呼吸の症状が出て、息がとぎれとぎれになっている。
「大丈夫?」
「息苦しいし、胸痛い」
完全に過呼吸になっている。胸が痛いのか、左手で胸を押さえている。
「嫌なこと思い出させてごめんね」
きついことを言いすぎたと桐野は思ったが何故か同情心は湧いてこなかった。
「栄のせいじゃないよ。前も、ときどき息が吸えなくて、苦しくなることあったし」
「なんで僕に教えてくれなかったの?」
「迷惑かけるかと思って」
過呼吸の発作がピークに達して、朝日はもう話すこともできない。
やっぱり、この子、少し壊れている。
「ゆっくり息吸って。大丈夫、きちんと酸素は吸えてるからね」
朝日の心は、まだ全然癒えていない、かわいそうにとさらに深く抱きしめる。
「これね。過呼吸っていって精神的にストレスを受けると出る病気。学校で起こると困るから、明日、お薬、もらってくるよ」
抱きしめていたいけど暑苦しそうなので身体を離した。
また、朝日はグスグス泣き出す。朝日は、とてもさびしがりやだ。
「水持ってきてあげるからね。ちょっと待ってて」桐野は立ち上がる。
「手」
救いを求めるように朝日が右手を伸ばす。
桐野は手をやさしく握る。
「水、いらないから、手、握っていて。こうしてないと見捨てられるんじゃないかって不安で」
「見捨てたりしないからね」
涙をキスでぬぐってあげる。
「朝日、大丈夫、僕がいるからね」深く抱きしめた。
「絶対離さないで……」と言い終わって、息をはっと吸って、さらに声を押し殺して泣く。
桐野の肩に顔を押し当てて、嗚咽をこらえながらボロボロ泣いている朝日がとてもいとおしくなる。
「朝日、ごめんね。こんなに君が悲しい辛い思いをしているのに、薬でしか解決してあげられなくて」
朝日は何も答えない。
胸が熱くなる。このままずっと朝まで、抱きしめていたい。悲しみが体越しに伝わってきて、桐野は自分も泣きそうになる。
「ばらばらになってしまった心の破片はガラスのようなんだね。僕の手が傷ついてボロボロになっても一つ一つ拾い上げて元通りにしてあげる」
ネグレクトの後遺症なのか、心無い人たちから受けた心の傷なのか。精神的にぐらつき始めると、朝日は桐野に甘えたがる。
「離さないで」と言われたとき、この子のためならなんでもすると強く思った。
──ああ、どうしよう。こんなに好きになるなんて。
それもまだ十三歳。
こんな胸が締め付けられるような激しい恋なんて今までしたことないよ。
君のこと、ぎゅっとするだけで、感極まって涙ぐんでしまう。
君が泣いてるのを見ると、いとおしくて僕の胸も痛くなるよ。
これは純愛なのだろうか? いつか渇愛に囚われてしまいそうな予感がする。
でもそれでもいい、きっとこんなに人を好きになることなんて一生に一度あるかないかだろう。
涙を手でぬぐってあげると、深く口づけをした。
桐野は車を運転しながら、昼間のことを思い出して嫌な気分になる。
あれは、ちょうど病院の食堂で同僚とお昼を食べているときだった。
ラインの着信音がズボンのポケットからして、慌てて白衣を捲り、スマホを取り出す。
『(`・ω・´)キリッ とうかっす! 先生!! ヤンキー二人が保健室の朝日に会いにきてます(;゚Д゚)』
『鶴見君たち?』
『真琴が!!∑(゚◇゚///)ドキュ→ン 朝日に抱き着いています( ̄◇ ̄;)』
『やめさせてください』
『ういっす(*ノω・*)テヘ』
(あの化粧のけばい金髪の少女。僕の朝日になに抱き着いてるんだよ。)
朝日を汚されたみたいで頭にくる。
「桐野先生、どうしました?なにか嫌な知らせでもきたの?」同僚の眼鏡をかけた医師に聞かれた。
「いや、ちょっと姪っ子からラインが来てて、トラブってるとかで」
適当な嘘をついて、何事もなかったかのようにつくろった。
***
「ただいま」
帰宅途中に寄ったドラッグストアーで買ったベルガモットのシャンプーとアロマオイル入りの石鹸を朝日に渡す。
「これでキレイに髪と体を洗ってきて」
「なんで? さっき風呂入ったよ」朝日は怪訝な顔する。
「化粧品の匂いがする」
「化粧なんてしてないよ」
「いいから洗ってきなさい」
朝日は、腑に落ちないと言った顔で新品のシャンプーと石鹸を持ってうなだれて風呂場に行く。
しばらくして洗面所からドライヤーの音がし、パジャマ姿の朝日がリビングにやってきた。
「もう匂わないと思うけど。そんな臭かった?」
桐野は何も答えない。
「なんか機嫌悪い? なにか僕、悪いことした?」
「朝日はなにも悪くないよ」
「やっぱり機嫌悪い」
「ちょっとね、嫌なことあって」
「どうしたの?」
「なんでもないよ」
「やっぱ、なにか怒ってるよね?」
「じゃあ、僕も風呂入ってくるから」
風呂から出てくると朝日はリビングで本を読んでいた。
「今日も一緒に寝よう」朝日の髪を撫でる。
「いいけど」
リビングの電気を消して自室に連れていく。
今日も蒸し暑くて寝苦しい。クーラーを入れてもいいが体を冷やすと具合が悪くなるからやめておいた。
朝日のパジャマの裾を掴むと桐野は言った。
「暑いからパジャマなんて脱いじゃったら」
「なんでそんなこと言うの?」
ベッドに座らせると、ストライプの半そでのパジャマのボタンを外す。
「変なことする気なんでしょ?ちょっとやめてよ」桐野の手を掴み拒否した。
朝日、いつもの普通の調子に戻ってるじゃないか。
何故か、寂しい気持ちになった。
「そんなことしないよ。暑くて寝苦しんじゃないかと思ったから」
「自分で脱ぐからいいよ」
パジャマの上だけ脱ぐと朝日はベッドにごろんと寝っ転がる。
桐野は身体を密着させ、やさしく抱きしめる。
「暑苦しーよ」朝日が文句を言うが、無視して、後ろからぎゅっと抱きしめる。
「暑いって!!」朝日がすこしキレ気味になって叫ぶ。
「ちょっとこうしてたいから黙って」
昼間、他の人に抱きしめられたって……おもしろくない。
「まこちゃんと鶴見君、元気そうだった?」
「全然普通だったよ」
「まこちゃんって子、君のこと好きなんだね。前よくヘアピンとかバレッタくれたよね」
髪の匂いを嗅ぐとベルガモットのいい匂いがした。やわらかい髪にキスをする。
「まこちゃんね、弟を事故で亡くしたんだって」
「ふーん、そうなの」
「僕、弟と似てるんだって」
「なんだ弟の代わりか」
少し安心したが、弟の代わりっていうのも嫌だと思う。
「栄、暑いから。マジで暑い。ぎゅーしなくていいから」
「朝日が学校で嫌がらせされたらって心配だったよ」
「鶴見っちがいるから、そういうのもうないよ」
桐野はますます面白くない。犬みたいに朝日にまとわりついている不良少年も大嫌い。可愛い子犬じゃなくてデカくて怖い犬。
「小五、六の時、朝日は友達から意地悪されてたって言ってたよね」
「友達でもなんでもない。ただのクラスの連中だよ」
「一人で給食食べてたって言ってたよね」
「うん、そうだよ」
「卒業式も参加させてもらえなくて」
「うん」
「水族館に一人で」
「やめてその話」
── 女の子なんかに抱きしめられた君が悪いんだよ。
わざとこの話題を続ける。
「品川水族館だっけ? こんど、行こうよ」
「昔のこと思い出すから、別のとこがいい。それに前住んでいたマンションも近いし」
「そうだね。前の学校の同級生やお母さんを見かけたりするかもしれないし」
「だから、もうその話やめて。お願い」
朝日は、精神的不安や極度の緊張で過呼吸の症状が出て、息がとぎれとぎれになっている。
「大丈夫?」
「息苦しいし、胸痛い」
完全に過呼吸になっている。胸が痛いのか、左手で胸を押さえている。
「嫌なこと思い出させてごめんね」
きついことを言いすぎたと桐野は思ったが何故か同情心は湧いてこなかった。
「栄のせいじゃないよ。前も、ときどき息が吸えなくて、苦しくなることあったし」
「なんで僕に教えてくれなかったの?」
「迷惑かけるかと思って」
過呼吸の発作がピークに達して、朝日はもう話すこともできない。
やっぱり、この子、少し壊れている。
「ゆっくり息吸って。大丈夫、きちんと酸素は吸えてるからね」
朝日の心は、まだ全然癒えていない、かわいそうにとさらに深く抱きしめる。
「これね。過呼吸っていって精神的にストレスを受けると出る病気。学校で起こると困るから、明日、お薬、もらってくるよ」
抱きしめていたいけど暑苦しそうなので身体を離した。
また、朝日はグスグス泣き出す。朝日は、とてもさびしがりやだ。
「水持ってきてあげるからね。ちょっと待ってて」桐野は立ち上がる。
「手」
救いを求めるように朝日が右手を伸ばす。
桐野は手をやさしく握る。
「水、いらないから、手、握っていて。こうしてないと見捨てられるんじゃないかって不安で」
「見捨てたりしないからね」
涙をキスでぬぐってあげる。
「朝日、大丈夫、僕がいるからね」深く抱きしめた。
「絶対離さないで……」と言い終わって、息をはっと吸って、さらに声を押し殺して泣く。
桐野の肩に顔を押し当てて、嗚咽をこらえながらボロボロ泣いている朝日がとてもいとおしくなる。
「朝日、ごめんね。こんなに君が悲しい辛い思いをしているのに、薬でしか解決してあげられなくて」
朝日は何も答えない。
胸が熱くなる。このままずっと朝まで、抱きしめていたい。悲しみが体越しに伝わってきて、桐野は自分も泣きそうになる。
「ばらばらになってしまった心の破片はガラスのようなんだね。僕の手が傷ついてボロボロになっても一つ一つ拾い上げて元通りにしてあげる」
ネグレクトの後遺症なのか、心無い人たちから受けた心の傷なのか。精神的にぐらつき始めると、朝日は桐野に甘えたがる。
「離さないで」と言われたとき、この子のためならなんでもすると強く思った。
──ああ、どうしよう。こんなに好きになるなんて。
それもまだ十三歳。
こんな胸が締め付けられるような激しい恋なんて今までしたことないよ。
君のこと、ぎゅっとするだけで、感極まって涙ぐんでしまう。
君が泣いてるのを見ると、いとおしくて僕の胸も痛くなるよ。
これは純愛なのだろうか? いつか渇愛に囚われてしまいそうな予感がする。
でもそれでもいい、きっとこんなに人を好きになることなんて一生に一度あるかないかだろう。
涙を手でぬぐってあげると、深く口づけをした。
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