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8章 高橋と朝日
+++++ 稲荷さん
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期末試験も終わり、夏休みに入った。
栄に言われたとおり、朝日は新百合ヶ丘の進学塾の夏期講習に毎日行く。
塾が終わり駅ビルの本屋に立ち寄って、そのあと図書館に借りていた本を返しに行った。本をまた借りて、図書館を出るとばったり高橋に会った。
おかっぱで、丈の長い麻のスカートをはいた高橋。図書館の冷房で肩が冷えるから薄手の白いカーディガンを着ている。
「今日は推理小説を借りたんだ」朝日は借りた本を見せる。
「私はカフカ短編集を借りた。推理小説なら横溝正史がおすすめ。今度読んでみてね」
「時間があるなら、ちょっと話ししようよ」
家に帰っても誰もいないので、朝日は時間をつぶしたかった。
それに高橋は物知りで話しているとおもしろい。
高橋と朝日は図書館の裏の狭い公園でベンチに座って話す。
学校のことや本のことを話しているうちに周囲は暗くなり始めていた。もう日が暮れかかって空はオレンジと黒が混じった夕焼け。
カナカナカナとひぐらしが鳴いている。
高橋がぽつりと言った。
「桐野先生のことだけど」
「栄がなにか?」
「桐野先生って、お稲荷さんっぽい雰囲気がする」
「こないだお稲荷さんを作ってもらったからかな?」
日曜日、二人でたくさんお稲荷さん作って思う存分食べたんだ。すごくおいしかった。幸せな気分を思い出して思わずにっこりした。
「寿司じゃなくて、神社のほうだよ」高橋は無表情の顔で冷たく言った。
「は?」
「うまく言えないけど、稲荷神社に行くとなんか変な気分にならない?」
「言ってる意味分からないんだけど」
「怖いというか、嫌な感じ」
「京都のお稲荷様はそんな嫌な感じしないけどなぁ」
朱色の千本鳥居があって観光客もたくさんいて、きれいなところなのにと朝日は思う。
高橋は京都には行ったことがなかった。
高橋が言うお稲荷さんとは、祖母と住んでいる家の近所にある小さな稲荷神社。
供養している人はいるらしいが、普段は誰もいなくて、うっそうと木が生い茂って暗い。境内の石の上に白い狐の置物がたくさん置いてあって、ろうそくもそえられている。あの場所の前を通らざるえないときは高橋はダッシュで通りすぎると言う。
「とても怖い。夕暮れ時が一番怖い。石の鳥居に誰かが座って私を見ている気配を感じる」
「気のせいじゃないの?」
「おばあちゃんが言っていた。お稲荷さんは怖いって」
先祖代々祭らないと祟るとか、祠の撤去をすると怪我人が出たり怖いことが起こるとか、お願いを叶えてもらったらお礼をしないと怒るからお稲荷さんで願い事をしてはいけないとか、高橋は祖母に聞いたことを朝日に教える。
「お稲荷さんは悪くない。全然悪くない」朝日は断言した。
「え?」きょとんとして高橋は首をかしげる。
「だって、我がまま言ってお願い叶えてもらいたい放題で、お礼しないとか、もう用なしだから祠をぽいしちゃう人たちのほうが薄情でひどいと思う」
「まあね。利用するだけ利用して撤去とか失礼だよね。自分がそんなことされたら、悲しいし頭くるよね」
「お稲荷さんは正義! 僕、寿司のほうのお稲荷さんも好き」
稲荷寿司は朝日の大好きな食べ物ベスト3にノミネートされている。
「うん、お稲荷さんを粗末に扱う自分勝手な人たちが絶対わるい」
「京都にはたくさん稲荷神社があるよ。お供えしたりしてみんな敬ってるよ」
「稲荷神社怖いって言ったの、ごめんなさい」
二人は顔を見合わせてクスクス笑う。
「でも、あの神社の鳥居の上にいる得体のしれない怖いモノはなんだろう」高橋は朝日に尋ね、身震いする。
「高橋、おばあちゃんと住んでるんだ?」
「そうだよ」
「理由は聞かないよ。僕も事情があって、じいちゃんとばあちゃんとずーっと暮らしていたから」
「私がおばあちゃんと住んでいる理由知りたい?」
「言いたくないなら聞かない」
高橋はしばらく黙っていたが、手を組んで空に向かって伸びをする。
「両親が自殺したから。練炭たいて自殺した」
「え?」重すぎる話に朝日は驚いた
おかっぱの少女は、ねっ?顔して口角をあげる。
「私には両親がいないの」
「ごめん」
「なんで朝日が謝るの? 関係ないじゃん」
「寂しいよね」
「別に。親なんてそのうち死ぬもんだし」軽い口調だった。
「そうだけど」
「勝手に死んだ親を恨んでる。借金抱えてたぐらいで死ぬことないじゃん。私を一人残して逝ってしまった自分勝手な人たち」
カナカナカナーとヒグラシが鳴く。
虫の鳴く声がジージージーと草むらから微かに聞こえる。ひぐらしの鳴き音とは対照的に低いトーン。
「もういいよ。その話は」
これ以上、踏み込みたくない朝日は話題を変えたい。
それを察してか高橋が栄のことを聞く。
「で、桐野先生だけど。あの人、いったい朝日のなんなの?」
「保護司。僕、去年、母親を刺して、警察に行って、それで栄が僕の保護司になってくれて」
親が自殺したって教えてくれた高橋に自分の不幸な境遇も話したほうがいいだろう。
高橋はベンチから立ち上がる。
「そう。朝日の闇がようやく分かった。虐待されてたんだ」
指摘されて、朝日は泣きそうになる。
(僕はいらない子)
目があつくなる。
「そんなひどいおばさんなら、刺してやって正解」高橋は無表情でそう言った。
「え?」朝日は驚いた。正解って?
「母親なんかじゃないよ。その人は、ただの嫌な変なおばさんだよ」
くくくって高橋は笑う。たしかに高橋の言っていることは道理が通っている。子供を育てられない親なんて、親失格。親でも何でもない。
「高橋、ちょっと怖い」高橋の笑い方が不気味で朝日は言った。
「朝日、考え方ひとつでなんでも正義になったり悪になったりする。自分の都合の良い方に考えな。私からの忠告。で、桐野先生に話もどるけど」
無表情で淡々と話す高橋はとても中二の少女には見えなかった。実は中身は大人の女の人じゃないのか。
「怖いなー。栄は、お稲荷さんに憑依されているってこと?」
朝日は栄の顔を思い浮かべる。
やさしい目をしているけど、眉毛がきっとしているから性格がきつく見える。鼻も形が良くて、唇は薄目で、いつもきれいにひげをそっている。髪も今風なスタイルで、上品で頭よさそうな雰囲気。栄は全然狐っぽくないし、怖い人じゃない。
「霊とかオカルトとか、そういうのじゃなくて……あの人、心の闇が深そう」
「やさしい人だよ、栄は」
「私も最初は優しそうな人だと思った。でも話してみて、なにか違和感を感じた」
「違和感って?」
「闇。子供の私たちには分からない大人の闇。私たちのまだ分からない大人の心の淀み」繰り返して二回同じことを言う高橋。
「言ってること分からない」
のんきなこと言っている朝日に高橋はいらつくが、あえて簡単な言葉で言ってあげた。
「桐野先生は、かなり変な人だと私、思うの」
「闇なんてないよ。栄は、おかあさんだから、ちょっと変わってるけど」
「お母さんってなに? 母親って子供が知らない大人の女の闇とか秘密を抱えてるよね?」
「栄はそんなのないよ」
「あるよ、あの人。具体的には、私には分からないけど。闇が暗すぎて、私の感覚を研ぎ澄ましても見えない。私、勘だけは人一倍鋭いから、普通は人の抱えているものとか悩んでいるものならなんとなくわかるの」
高橋は次第に暗くなっていく空を眺めて静かに言う。
「ちょっと変わっているとこあるけど、きちんとした人だよ」
朝日は栄をかばう。
まっすぐ朝日の目を見て高橋は言った。黒目がちの霊媒少女みたいな瞳だった。
「あの人、おかしい」
感受性が強すぎる少女特有の癖で、高橋の左の瞼がぴくぴく動く。
精神的に動揺するとまぶたが無意識に痙攣する。
「気を付けた方がいいよ。朝日」
「変なこと言うなよ」朝日は、むっとして言い返した。
「コンコン」
高橋は手できつねを作る。
「骨の髄まで、しゃぶりつくされる。脳みそまで貪り食われる」
右手のきつねの口で朝日の腕を軽くつまんだ。
「こんこん」
朝日は鳥肌が立った。
(この子、すっごく怖いんですけど!!)
「怖いからやめてよ」
「それじゃ」高橋は借りた本をカバンに押し込むと早足で去っていった。
足音に驚いてか、公園のケヤキの木にとまっていた蝉がばたばた数匹、空に飛んでいった。
暗い夕暮れに飛ぶ蝉、走り去るおかっぱの少女の後ろ姿。
「高橋、気持ち悪いな」
朝日は独り言を言って、ベンチから立ち上がる。
もう友達やめようかと一瞬思ったが、両親を亡くした可哀そうな子だと考え直して、これからも友達でいようと思った。
同類の匂いがするし、きっとあの子も自分みたいに寂しいんだろう。
栄に言われたとおり、朝日は新百合ヶ丘の進学塾の夏期講習に毎日行く。
塾が終わり駅ビルの本屋に立ち寄って、そのあと図書館に借りていた本を返しに行った。本をまた借りて、図書館を出るとばったり高橋に会った。
おかっぱで、丈の長い麻のスカートをはいた高橋。図書館の冷房で肩が冷えるから薄手の白いカーディガンを着ている。
「今日は推理小説を借りたんだ」朝日は借りた本を見せる。
「私はカフカ短編集を借りた。推理小説なら横溝正史がおすすめ。今度読んでみてね」
「時間があるなら、ちょっと話ししようよ」
家に帰っても誰もいないので、朝日は時間をつぶしたかった。
それに高橋は物知りで話しているとおもしろい。
高橋と朝日は図書館の裏の狭い公園でベンチに座って話す。
学校のことや本のことを話しているうちに周囲は暗くなり始めていた。もう日が暮れかかって空はオレンジと黒が混じった夕焼け。
カナカナカナとひぐらしが鳴いている。
高橋がぽつりと言った。
「桐野先生のことだけど」
「栄がなにか?」
「桐野先生って、お稲荷さんっぽい雰囲気がする」
「こないだお稲荷さんを作ってもらったからかな?」
日曜日、二人でたくさんお稲荷さん作って思う存分食べたんだ。すごくおいしかった。幸せな気分を思い出して思わずにっこりした。
「寿司じゃなくて、神社のほうだよ」高橋は無表情の顔で冷たく言った。
「は?」
「うまく言えないけど、稲荷神社に行くとなんか変な気分にならない?」
「言ってる意味分からないんだけど」
「怖いというか、嫌な感じ」
「京都のお稲荷様はそんな嫌な感じしないけどなぁ」
朱色の千本鳥居があって観光客もたくさんいて、きれいなところなのにと朝日は思う。
高橋は京都には行ったことがなかった。
高橋が言うお稲荷さんとは、祖母と住んでいる家の近所にある小さな稲荷神社。
供養している人はいるらしいが、普段は誰もいなくて、うっそうと木が生い茂って暗い。境内の石の上に白い狐の置物がたくさん置いてあって、ろうそくもそえられている。あの場所の前を通らざるえないときは高橋はダッシュで通りすぎると言う。
「とても怖い。夕暮れ時が一番怖い。石の鳥居に誰かが座って私を見ている気配を感じる」
「気のせいじゃないの?」
「おばあちゃんが言っていた。お稲荷さんは怖いって」
先祖代々祭らないと祟るとか、祠の撤去をすると怪我人が出たり怖いことが起こるとか、お願いを叶えてもらったらお礼をしないと怒るからお稲荷さんで願い事をしてはいけないとか、高橋は祖母に聞いたことを朝日に教える。
「お稲荷さんは悪くない。全然悪くない」朝日は断言した。
「え?」きょとんとして高橋は首をかしげる。
「だって、我がまま言ってお願い叶えてもらいたい放題で、お礼しないとか、もう用なしだから祠をぽいしちゃう人たちのほうが薄情でひどいと思う」
「まあね。利用するだけ利用して撤去とか失礼だよね。自分がそんなことされたら、悲しいし頭くるよね」
「お稲荷さんは正義! 僕、寿司のほうのお稲荷さんも好き」
稲荷寿司は朝日の大好きな食べ物ベスト3にノミネートされている。
「うん、お稲荷さんを粗末に扱う自分勝手な人たちが絶対わるい」
「京都にはたくさん稲荷神社があるよ。お供えしたりしてみんな敬ってるよ」
「稲荷神社怖いって言ったの、ごめんなさい」
二人は顔を見合わせてクスクス笑う。
「でも、あの神社の鳥居の上にいる得体のしれない怖いモノはなんだろう」高橋は朝日に尋ね、身震いする。
「高橋、おばあちゃんと住んでるんだ?」
「そうだよ」
「理由は聞かないよ。僕も事情があって、じいちゃんとばあちゃんとずーっと暮らしていたから」
「私がおばあちゃんと住んでいる理由知りたい?」
「言いたくないなら聞かない」
高橋はしばらく黙っていたが、手を組んで空に向かって伸びをする。
「両親が自殺したから。練炭たいて自殺した」
「え?」重すぎる話に朝日は驚いた
おかっぱの少女は、ねっ?顔して口角をあげる。
「私には両親がいないの」
「ごめん」
「なんで朝日が謝るの? 関係ないじゃん」
「寂しいよね」
「別に。親なんてそのうち死ぬもんだし」軽い口調だった。
「そうだけど」
「勝手に死んだ親を恨んでる。借金抱えてたぐらいで死ぬことないじゃん。私を一人残して逝ってしまった自分勝手な人たち」
カナカナカナーとヒグラシが鳴く。
虫の鳴く声がジージージーと草むらから微かに聞こえる。ひぐらしの鳴き音とは対照的に低いトーン。
「もういいよ。その話は」
これ以上、踏み込みたくない朝日は話題を変えたい。
それを察してか高橋が栄のことを聞く。
「で、桐野先生だけど。あの人、いったい朝日のなんなの?」
「保護司。僕、去年、母親を刺して、警察に行って、それで栄が僕の保護司になってくれて」
親が自殺したって教えてくれた高橋に自分の不幸な境遇も話したほうがいいだろう。
高橋はベンチから立ち上がる。
「そう。朝日の闇がようやく分かった。虐待されてたんだ」
指摘されて、朝日は泣きそうになる。
(僕はいらない子)
目があつくなる。
「そんなひどいおばさんなら、刺してやって正解」高橋は無表情でそう言った。
「え?」朝日は驚いた。正解って?
「母親なんかじゃないよ。その人は、ただの嫌な変なおばさんだよ」
くくくって高橋は笑う。たしかに高橋の言っていることは道理が通っている。子供を育てられない親なんて、親失格。親でも何でもない。
「高橋、ちょっと怖い」高橋の笑い方が不気味で朝日は言った。
「朝日、考え方ひとつでなんでも正義になったり悪になったりする。自分の都合の良い方に考えな。私からの忠告。で、桐野先生に話もどるけど」
無表情で淡々と話す高橋はとても中二の少女には見えなかった。実は中身は大人の女の人じゃないのか。
「怖いなー。栄は、お稲荷さんに憑依されているってこと?」
朝日は栄の顔を思い浮かべる。
やさしい目をしているけど、眉毛がきっとしているから性格がきつく見える。鼻も形が良くて、唇は薄目で、いつもきれいにひげをそっている。髪も今風なスタイルで、上品で頭よさそうな雰囲気。栄は全然狐っぽくないし、怖い人じゃない。
「霊とかオカルトとか、そういうのじゃなくて……あの人、心の闇が深そう」
「やさしい人だよ、栄は」
「私も最初は優しそうな人だと思った。でも話してみて、なにか違和感を感じた」
「違和感って?」
「闇。子供の私たちには分からない大人の闇。私たちのまだ分からない大人の心の淀み」繰り返して二回同じことを言う高橋。
「言ってること分からない」
のんきなこと言っている朝日に高橋はいらつくが、あえて簡単な言葉で言ってあげた。
「桐野先生は、かなり変な人だと私、思うの」
「闇なんてないよ。栄は、おかあさんだから、ちょっと変わってるけど」
「お母さんってなに? 母親って子供が知らない大人の女の闇とか秘密を抱えてるよね?」
「栄はそんなのないよ」
「あるよ、あの人。具体的には、私には分からないけど。闇が暗すぎて、私の感覚を研ぎ澄ましても見えない。私、勘だけは人一倍鋭いから、普通は人の抱えているものとか悩んでいるものならなんとなくわかるの」
高橋は次第に暗くなっていく空を眺めて静かに言う。
「ちょっと変わっているとこあるけど、きちんとした人だよ」
朝日は栄をかばう。
まっすぐ朝日の目を見て高橋は言った。黒目がちの霊媒少女みたいな瞳だった。
「あの人、おかしい」
感受性が強すぎる少女特有の癖で、高橋の左の瞼がぴくぴく動く。
精神的に動揺するとまぶたが無意識に痙攣する。
「気を付けた方がいいよ。朝日」
「変なこと言うなよ」朝日は、むっとして言い返した。
「コンコン」
高橋は手できつねを作る。
「骨の髄まで、しゃぶりつくされる。脳みそまで貪り食われる」
右手のきつねの口で朝日の腕を軽くつまんだ。
「こんこん」
朝日は鳥肌が立った。
(この子、すっごく怖いんですけど!!)
「怖いからやめてよ」
「それじゃ」高橋は借りた本をカバンに押し込むと早足で去っていった。
足音に驚いてか、公園のケヤキの木にとまっていた蝉がばたばた数匹、空に飛んでいった。
暗い夕暮れに飛ぶ蝉、走り去るおかっぱの少女の後ろ姿。
「高橋、気持ち悪いな」
朝日は独り言を言って、ベンチから立ち上がる。
もう友達やめようかと一瞬思ったが、両親を亡くした可哀そうな子だと考え直して、これからも友達でいようと思った。
同類の匂いがするし、きっとあの子も自分みたいに寂しいんだろう。
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