制服の少年

東城

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9章 お母さん

+++++ オカン

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二学期が始まってそうそう朝日は栄に言い返した。
「最近、うるさいんだよ!!」

朝日の部屋は物でごちゃごちゃだった。発端は片づけしようと栄に少し叱られたこと。
ベッドの上は脱いだ服とか漫画やらお菓子の空き箱だらけだし、机は教科書やノートや関係ない本が山積みになって今にも崩れそう。靴下とかシャーペンが床に転がっている。
「でも、部屋ぐちゃぐちゃだよね」
「オカン、オカン!! まじで栄はオカンや」朝日は少しキレて言い返した。

栄もいい加減頭にきて言い返してきた。
「分かった。今日一日、君のおかあさんになる」
「え?」
「僕が勝ったらもう僕のことオカンとかおかあさんって呼ぶのやめること」
「言ってること分かんないんだけど」まあ、いつものことだけどねっと朝日は呆れる。
「今日一日、おかあさんとして朝日のお世話をするからね」
「中二VSオカン対決や。絶対負けへん」
強気で腕を組んで、生意気そうなドヤ顔して朝日だった。
「強がって、朝日ってかわいい。ふふふ」

栄は顔がいいから、ふふふって笑ってもさまになるけど、その意味ありげな笑いって何?と、朝日は心配になってきた。
「栄が負けたら、もう細かいことで干渉したり怒らないこと」
「いいよ」すごく自信ありそうな顔で栄は首を縦に振った。

わけわかんない自信が怖い、何考えてるんだろう。変なことされるのではと朝日は身構える。
お世話ってなにかエロいこと考えてるんじゃ……朝日は不安になる。
実際、夏休み、体をさわられたし。どこって……あまり思い出したくない。
くびちゅうとか、たまにされるし。首にきつくキスされて赤いキスマーク沢山つけられて、プールの授業に参加できなかった。
キスマーク隠しに包帯を巻いていたら、学校でとうかに「なんで首に包帯なんて巻いてるの?」って執拗に追及された。
変なことされないといいんだけど。
お世話ってなに? この人なに考えてるの……一緒にお風呂に入るとか身体洗われるとか……ものすごく不安になる。
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