殺し屋が異世界転移してもやっぱり職業は変わらないみたいです

クレハ

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二章

21.大規模召喚 デリーside

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デリーside

リョカが素顔を見せてくれた日の夜は皆んなで食べて笑ってと楽しい時間を過ごす事ができた。

特にレビア様もカル様がいた時の様に楽しげにしていたのが何より嬉しかった

リョカに感謝だな








あの日の夜から数日経った。

俺は今レビア様の所に報告に来ている

何の報告かと言うと以前話していた大規模召喚の儀式についてだ。

「レビア様、以前話していた王宮が密かに計画している大規模召喚の儀式についてなのですが...」

「んー?そう言えばそんな事言ってたねー、何か分かったのー?」

「はい、実は魔の森の瘴気が近年広がってきているみたいです。なので神子の浄化の力が必要でその為の大規模召喚の儀式の準備をしているらしいです。」

「ふぅーん、神子...ねぇー」

「その大規模召喚の儀式以外は特に怪しい動きはないかと。」

「仮にさぁー、その神子が召喚できたとしてー、デリーだったらこの世界の為に浄化の力を使って救ってあげるー?」

そう言ってつまらなさそうな顔をしながら俺を見るレビア様。

「いえ、俺なら自分たちの国の問題すら自分たちで解決できないならそんな国はいずれ滅ぶだろうなと思います。」

「だぁよねー、俺もねー、そう思うんだぁー。いつ頃召喚されそうなのぉー?」

「恐らくですが一ヶ月以内には召喚するかと」

「ふぅーん、なんか騒がしくなりそうだねぇー?」

「...そうですね」

何事も無く今の平和な日常が破られなければいいが...

そう思いながら窓の外を見る

あー、ギャルに早く会いてーなー



end







さて、皆さん。

俺は遊んでばかりではないんですよ?

今日は依頼書を適当に決めたりせず金額と内容が釣り合ってるかまできちんと確認して受けた仕事をする予定なのだ!

依頼書の人物は特に問題のある領主ではない

むしろ善良な方の人間だ。

別に善良な人間だろうが悪人だろうが殺し屋の仕事に何ら関係ないからな。

必要とあらば殺すまでだ。

今回はあんな適当な作戦で殺せる様な相手ではない

警備も厳重だし私兵の鍛えられ方もボンレスハムの比じゃないのだ。

作戦は探索で屋敷全体のマップを作り、それぞれの人の配置をマップ上に表示させる。

そして使用人と私兵とマーカーで色分け。

警備が薄くなった時に暗殺対象の部屋に闇魔法ので入り込んで一瞬で殺し、暗殺した証拠として暗殺対象者のピアスを片方持っていけば依頼達成だ。

善人を殺すのに多少心が痛むがそれを言っていては殺しの仕事はやっていけない。

最初は慣れなかったがもう慣れた事だ。

よし、日が暮れてきて夕飯前の時間帯になってきたので作戦を実行する。

「探索」

俺は暗殺対象の屋敷のすぐ近くにある木の上から探索の魔法をかけ、マップを作る。

因みに身体強化はすでにしている。

よし、いい感じに人が暗殺対象者の側から離れていくぞ。

丁度暗殺対象者の部屋の前にいる私兵が交代する為に一瞬離れた。

今しかない!

「シャドウダイヴ」

執務室で書類を捌いているこの屋敷の主人の背後に立つ俺。

すると予想外にも暗殺対象者は俺に気付き話しかけてきた

「君は何者かな?」

えー、こいつは面倒な事になったぞー

俺はその問いかけに答えずに愛用のナイフで喉元を狙う

キィィィーンッ

「顔は見せてくれないのかい?暗殺者君」

「...」

殺しの時に無駄口を叩かないのは俺のマイルール。

「私もね、守らなきゃいけないものが多いんだ、だから簡単に君達みたいな暗殺者に負けるわけにはいかないんだよ」

そう言って剣で攻撃を仕掛けてくる

ほぅ、剣の腕も立つのか

ま、それでも俺には止まって見えるな

やるか









キンキンキンッ

ガキンッ

俺はギリギリの所で剣をかわし反撃すると相手も同じ様に俺のナイフを剣で防いで追撃してくる

だが相手の息が上がってきた。

もうそろそろ終わらせるか

キィーンッ!

「遊んでくれてありがとう、お詫びに苦しまない様に殺してあげよう」

「何をっ、ガハッ!!」

俺は身体強化で一気に距離をつめると喉を切った

暗殺対象者は口から血を吐き倒れる。

「悪いな、これも仕事なんだ」

そう言って片方のピアスを取ると俺はその場からヒラリと姿を消した








闇ギルドの受付に行くと依頼書と証拠のピアスを渡す

「はい、確かに。こちら報酬の1000万リーンです」

「ん」

俺はそのままインベントリにお金を入れるとヒラヒラと手を振ってその場を後にした。

はぁ、疲れたなー

きっと違う出会い方をしていたら良い友達になれたかもしれないのになぁー

...このセリフ一度は言ってみたかった。

嘘です、友達になれたかもなんてそんな事思ってません

仕事だから淡々と殺してるだけです

そこに余計な感情は入っておりません。

それにしても今回はちゃんと暗殺依頼に見合った金額貰ったな

よかったー

別に今お金にそんなに困ってないから良いんだけど

人生何があるかわからないからお金は貯めておくに限るよねー!

そんなことを思いながら俺は自宅に向かっていると扉の前にレビアがいた

「あれれー?リョカいないのー?」

...扉の前でしょんぼりしているレビア

「レビア」

「あー!リョカだー!待ってたにゃー!」

そう言ってギュッと抱きつかれた

「アロール学園の事でお話があるから中にいーれーてー!」

「ああ」

そう言って俺はレビアを部屋の中に招き入れた。

さてと、紅茶とケーキでも準備するか




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