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第37話 美々子再び…
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朝早くからガラガラガラっ!と元気よく引き戸が開かれ、ショートカットの可愛い高校生くらいの子が入ってきて元気に挨拶をした。
『今日は~♪』
珍しく新聞を読んでいた店主は顔を上げ
『いらっしゃい、まあゆっくりと見ていってよ』
と定番の挨拶をする。
ショートカットの女の子が恥ずかしそうに頬を染め、
『あの~、私の事…覚えてませんか?』
と尋ねる。店主は少女の顔を見ながら“う~ん”と考え込むがやがて思いだし、
『あ~、車椅子のお嬢ちゃんか!久しぶりだね、髪が短くなってるからわからなかったよ。で、どうだい調子は?』
とにこやかに話しかける店主だが、上手く行ってるのか気になるらしい。
美々子は笑顔で、
『覚えていてくれて良かった!それと陸上の方はおじさんが譲ってくれたこの義足のおかけで絶好調だよ、前と同じ・・・ううん寧ろ前よりも記録が良くなってるわ!』
と話している。少し間をおいて、
『・・・ねぇおじさん、この義足はいったいどうなってるの?これはもう義足では無くて私の足・・・だよね?』
店主はこの問いに困った顔をしながら、
『いや、それは義足だよ』
と答えるも美々子は思わず叫んでいた。
『嘘!!だって…毎日トレーニングをつんでたら、自分の足と同じように筋肉が付いてくるし、この間だってタンスの角に小指をぶつけて悶絶したんだよ?』
と言うも直ぐにハッとして
『急に大声だしてごめんなさい、でもねおじさん・・・
まるで自分の足の様に違和感が無かったから今まで気付けてなかったけど、悶絶してる内に義足なのに何で痛いんだろう?
って思って生活してる中で注意深く観察するようにしてみたらさ、お風呂に入ったら暖かみを感じるし、夏になると両足が同じように日焼けするし、秋になり肌寒くなってきたら両足同じように冷たくなるし寒いと感じるのよ鳥肌も立つし、そして義足を引っ張ったら無くなったはずの骨盤ごと骨も一緒に引っ張られるような感覚に為るの…』
とここまで言うと、店主は諦めた様に…
『もうわかったら、そのへんにしておいてよ。本当はそのまま気付かずに居て欲しかったんだけどね・・・
だけどいいかい?その義足は特別製だからって事で納得して、本当の事は心の奥底に納めて置いてくれないかな?
もしそんな事が世間に広まるとね、おじさんの命まで危なくなってしまうからね…』
と困り果てたように言う。
美々子は納得出来る返答が聞けたのか、涙を流しながらウンと頷き、その後は義足について何も言う事は無かった。
が、突然何かを思い出したように美々子が叫ぶ
『あ~、そう言えば今日は陸上用のシューズを買いに来たんだった!!
おじさん、こんどどうしても勝ちたい大会が有って…陸上用のシューズを新調しようと思ってるんだけど有るかな?』
店主は美々子に希望を聞く。
『おや、また大会が有るのかい?シューズはもちろん有るよ、お嬢ちゃんは何色のが欲しいんだい?』
『ピンク色はあるかな?それと足のサイ・・・』
と美々子が好きな色を言ってサイズを伝えようとするも、店主が早くもシューズを取り出す。
『これなんかどうかな?履いて確かめてみてよ』
美々子は言われるままに履いて確かめるも、
『少し大きい・・・あれ?大きいと思ったけど…足にピッタリと合ってるわ!』
と不思議そうにしつつ靴を脱ぐ。
『この靴はいくらかな?』
その問いかけに店主は、
『え~と、それは2万円だね』
美々子は顔がひきつりつつ、
『うっ、ちょっと高いわね・・・、メーカーはどこのかな?』
と買う予定にしてた金額より大幅に上回るのだが、有名メーカーのなら買っても良いかなと思うも、店主は
『悪いけどそれはメーカーのじゃ無くて…うちのオリジナルだよ、少し値段の安いメーカー品の方が良いかい?』
何でも屋オリジナルと聞いたときに美々子の心は決まった。大事そうに抱き抱えながら目を閉じ、
『ううん、この靴で良いよ』
と言い、財布からお金を取りだし支払いを済ませる。
支払いが済むと店主が、
『お嬢ちゃん、全国大会で優勝したお祝いに…私の奢りだ!奥のCafeスペースで何か好きなのを食べて行ってよ』
美々子は笑顔になり、
『えっ、嬉しい!!おじさん本当にいいの?』
店主はにっこり笑って、
『ああいいよ、好きなのを食べて行ってよ。
飲み物と食べ物は何がいい?』
店主に何にするか聞かれ、美々子は悩みながら決めていく。
『う~ん、何にしようかな・・・そうだハンバーガーが良いな。飲み物はコーラでお願い!』
店主は注文を聞き終え、
『直ぐに持っていくから、席に座って待ってると良いよ』
と席に座ってるように勧められた美々子は“はい”と返事してcafeスペースへと移動して席につく。
注文の品をトレイに乗せながら、店主が店の奥に向かって声をかける。
『お~い、食べ物を運んでくれるかい?』
すると奥さんが“はいよ”と出てきた。トレイを受け取り美々子の元へと運び、
『いらっしゃい、全国大会で勝てて良かったねぇ♪』
と声をかけながら美々子の前へハンバーガー・フライドポテト・チキンナゲット・コーラを次々と置いてゆく。
美々子は、
『ありがとう、ここで良い義足を譲ってもらったからだよ』
と返事し奥さんを慌てて止める。
『こんなにたくさん…注文してないよ!』
奥さんはニタ~っと笑いながら答える。
『ハンバーガーについてるやつだから…遠慮せずにお食べ』
と言って戻ってゆく。美々子困り果てた顔をしながら、
『でもこんなに食べれるかな・・・』
と漏らし、ハンバーガーを一口食べる。
「美味しい!こんなに美味しいハンバーガー食べたのはじめてかも…」
と呟きながらポテトとナゲットも食べる。
『うわ~!これも揚げたてで美味しいなぁ、でもいつ揚げたんだろう?』
と不思議そうな顔をしながら黙々と食べていく。
全て食べ終えた美々子は、邪魔にならないように食器を全て重ねそれをテーブルの隅に寄せ、美々子はテーブルの上へうつ伏せになり苦しんでいる。
『う~!苦しい・・・美味しいからと思って食べすぎたわ…』
ウップとなり慌てて口を押さえる美々子は“ふ~、危なかった“と呟き、その場で暫く休息をしてからカウンターの方へと赴く。
『おじさんありがとう、とっても美味しかったよ!』
と美々子がお礼をのべると店主が小さな箱を取りだし美々子に渡し、
『ケーキが入ってるから、家で食べてよ』
と言う。ケーキまで貰って困る美々子は、
『おじさんありがとう、ケーキまで貰って悪いからお返ししたいんだけどお返しのしようがないし困ったな・・・あっ、そうだ!!おじさんちょっとこっちに来てくれるかな?』
言いながら手招きをする美々子。
店主が“なんだい”とカウンターから出てきて美々子の側へ近寄る。近寄ってきた店主に向かって美々子が…
『おじさん!色々とありがとう、何かお返しをと思っても私にはこれくらいしか出来ないから…』
と言って、店主の頬に“チュッ”とキスをする美々子。キスをされて顔を赤くしあたふたする店主にむかって頬を赤く染めた美々子は、
『ピチピチの女子高生のキスだよ♡ありがたく思ってよね!じゃあねおじさん』
と言い残し走り去る。
すると店の奥から
『見~た~わ~よ~!』
声と共に眼鏡をキラーンと光らせながら奥さんが現れ、
『若い子にキスされて嬉しそうだね?』
と冷たく言う。店主は慌てて奥さんの元へと近寄り、
『い、今のは不可抗力だよ、それに驚きはしても嬉しいなんてそんな事思わないよ!』
と真剣な顔をしながら必死に弁明する。
すると我慢出来なくなった奥さんは“プッ”と吹き出しながら、
『んなこたぁ最初からわかってるよ、お前さんは正直者だからねぇ』
と笑いながら言うも、店主は首をかしげ腑に落ちないような顔をしている。そんな様子を見て奥さんは呆れたように、
『お前さんは心の底から喜んでたら、鼻の下が伸びてるけどねぇ。驚いてる時は挙動不審になってるからねぇ』
と言い“クックックッ”と笑ってる。イマイチわかってない店主は鼻の下を触ったりしてるが奥さんが怒ってない事がわかり、ほっとしたような顔をしている。
大会当日の夜、店主夫婦がニュース番組を見ていると陸上大会の話題が取り上げられていた。
「女子ハードルで大会記録を大幅更新、オリンピックの女子ハードルに期待が集まる!」
と、店主夫婦は美々子の事だと気づいておらず、“有能な選手が居るんだね”と呑気である。
後日何でも屋に一通の封筒が届いた。中には前回の様に写真と手紙が入っていた。
写真には、優勝トロフィーを持った美々子が引きつった笑顔であまり嬉しくないのか微妙そうな顔をしている、それを不思議そうに思いながら店主夫婦は手紙を読む。
「おじさんのお陰でまた優勝出来たよ・・・と言うより出来て当たり前だったよ、トレーニングで軽く走っただけなのにアッサリと自己記録を更新した時は目が点になったわよ。最初は大会で買ったシューズを履くか悩んだけど今度の大会はどうしても勝ちたいから結局履いたけどね(笑)
大会でも色々と苦労したわよ。50メートル走ではライバルの子より少しだけ早いように調整するの大変だったんだからね、ライバルの子も全力で走ってるのに手加減どころか速度の調整までされてたって夢にも思わないでしょうね。
ハードルでは最速で走れるように歩幅までも勝手に調整されたみたいで、一気に駆け抜けるものだから大会記録を大幅更新になって皆から囲まれひどい目にあったよ…
走り幅跳びと走り高跳びも加減してなかったらアッサリと記録更新してたと思うわ。
大会で勝てて良かったけど、今回は簡単過ぎて心の底からは喜べなかったよおじさん。 美々子より」
と締めくくられており店主は“少しやり過ぎたかね”と苦笑いしてた。
『今日は~♪』
珍しく新聞を読んでいた店主は顔を上げ
『いらっしゃい、まあゆっくりと見ていってよ』
と定番の挨拶をする。
ショートカットの女の子が恥ずかしそうに頬を染め、
『あの~、私の事…覚えてませんか?』
と尋ねる。店主は少女の顔を見ながら“う~ん”と考え込むがやがて思いだし、
『あ~、車椅子のお嬢ちゃんか!久しぶりだね、髪が短くなってるからわからなかったよ。で、どうだい調子は?』
とにこやかに話しかける店主だが、上手く行ってるのか気になるらしい。
美々子は笑顔で、
『覚えていてくれて良かった!それと陸上の方はおじさんが譲ってくれたこの義足のおかけで絶好調だよ、前と同じ・・・ううん寧ろ前よりも記録が良くなってるわ!』
と話している。少し間をおいて、
『・・・ねぇおじさん、この義足はいったいどうなってるの?これはもう義足では無くて私の足・・・だよね?』
店主はこの問いに困った顔をしながら、
『いや、それは義足だよ』
と答えるも美々子は思わず叫んでいた。
『嘘!!だって…毎日トレーニングをつんでたら、自分の足と同じように筋肉が付いてくるし、この間だってタンスの角に小指をぶつけて悶絶したんだよ?』
と言うも直ぐにハッとして
『急に大声だしてごめんなさい、でもねおじさん・・・
まるで自分の足の様に違和感が無かったから今まで気付けてなかったけど、悶絶してる内に義足なのに何で痛いんだろう?
って思って生活してる中で注意深く観察するようにしてみたらさ、お風呂に入ったら暖かみを感じるし、夏になると両足が同じように日焼けするし、秋になり肌寒くなってきたら両足同じように冷たくなるし寒いと感じるのよ鳥肌も立つし、そして義足を引っ張ったら無くなったはずの骨盤ごと骨も一緒に引っ張られるような感覚に為るの…』
とここまで言うと、店主は諦めた様に…
『もうわかったら、そのへんにしておいてよ。本当はそのまま気付かずに居て欲しかったんだけどね・・・
だけどいいかい?その義足は特別製だからって事で納得して、本当の事は心の奥底に納めて置いてくれないかな?
もしそんな事が世間に広まるとね、おじさんの命まで危なくなってしまうからね…』
と困り果てたように言う。
美々子は納得出来る返答が聞けたのか、涙を流しながらウンと頷き、その後は義足について何も言う事は無かった。
が、突然何かを思い出したように美々子が叫ぶ
『あ~、そう言えば今日は陸上用のシューズを買いに来たんだった!!
おじさん、こんどどうしても勝ちたい大会が有って…陸上用のシューズを新調しようと思ってるんだけど有るかな?』
店主は美々子に希望を聞く。
『おや、また大会が有るのかい?シューズはもちろん有るよ、お嬢ちゃんは何色のが欲しいんだい?』
『ピンク色はあるかな?それと足のサイ・・・』
と美々子が好きな色を言ってサイズを伝えようとするも、店主が早くもシューズを取り出す。
『これなんかどうかな?履いて確かめてみてよ』
美々子は言われるままに履いて確かめるも、
『少し大きい・・・あれ?大きいと思ったけど…足にピッタリと合ってるわ!』
と不思議そうにしつつ靴を脱ぐ。
『この靴はいくらかな?』
その問いかけに店主は、
『え~と、それは2万円だね』
美々子は顔がひきつりつつ、
『うっ、ちょっと高いわね・・・、メーカーはどこのかな?』
と買う予定にしてた金額より大幅に上回るのだが、有名メーカーのなら買っても良いかなと思うも、店主は
『悪いけどそれはメーカーのじゃ無くて…うちのオリジナルだよ、少し値段の安いメーカー品の方が良いかい?』
何でも屋オリジナルと聞いたときに美々子の心は決まった。大事そうに抱き抱えながら目を閉じ、
『ううん、この靴で良いよ』
と言い、財布からお金を取りだし支払いを済ませる。
支払いが済むと店主が、
『お嬢ちゃん、全国大会で優勝したお祝いに…私の奢りだ!奥のCafeスペースで何か好きなのを食べて行ってよ』
美々子は笑顔になり、
『えっ、嬉しい!!おじさん本当にいいの?』
店主はにっこり笑って、
『ああいいよ、好きなのを食べて行ってよ。
飲み物と食べ物は何がいい?』
店主に何にするか聞かれ、美々子は悩みながら決めていく。
『う~ん、何にしようかな・・・そうだハンバーガーが良いな。飲み物はコーラでお願い!』
店主は注文を聞き終え、
『直ぐに持っていくから、席に座って待ってると良いよ』
と席に座ってるように勧められた美々子は“はい”と返事してcafeスペースへと移動して席につく。
注文の品をトレイに乗せながら、店主が店の奥に向かって声をかける。
『お~い、食べ物を運んでくれるかい?』
すると奥さんが“はいよ”と出てきた。トレイを受け取り美々子の元へと運び、
『いらっしゃい、全国大会で勝てて良かったねぇ♪』
と声をかけながら美々子の前へハンバーガー・フライドポテト・チキンナゲット・コーラを次々と置いてゆく。
美々子は、
『ありがとう、ここで良い義足を譲ってもらったからだよ』
と返事し奥さんを慌てて止める。
『こんなにたくさん…注文してないよ!』
奥さんはニタ~っと笑いながら答える。
『ハンバーガーについてるやつだから…遠慮せずにお食べ』
と言って戻ってゆく。美々子困り果てた顔をしながら、
『でもこんなに食べれるかな・・・』
と漏らし、ハンバーガーを一口食べる。
「美味しい!こんなに美味しいハンバーガー食べたのはじめてかも…」
と呟きながらポテトとナゲットも食べる。
『うわ~!これも揚げたてで美味しいなぁ、でもいつ揚げたんだろう?』
と不思議そうな顔をしながら黙々と食べていく。
全て食べ終えた美々子は、邪魔にならないように食器を全て重ねそれをテーブルの隅に寄せ、美々子はテーブルの上へうつ伏せになり苦しんでいる。
『う~!苦しい・・・美味しいからと思って食べすぎたわ…』
ウップとなり慌てて口を押さえる美々子は“ふ~、危なかった“と呟き、その場で暫く休息をしてからカウンターの方へと赴く。
『おじさんありがとう、とっても美味しかったよ!』
と美々子がお礼をのべると店主が小さな箱を取りだし美々子に渡し、
『ケーキが入ってるから、家で食べてよ』
と言う。ケーキまで貰って困る美々子は、
『おじさんありがとう、ケーキまで貰って悪いからお返ししたいんだけどお返しのしようがないし困ったな・・・あっ、そうだ!!おじさんちょっとこっちに来てくれるかな?』
言いながら手招きをする美々子。
店主が“なんだい”とカウンターから出てきて美々子の側へ近寄る。近寄ってきた店主に向かって美々子が…
『おじさん!色々とありがとう、何かお返しをと思っても私にはこれくらいしか出来ないから…』
と言って、店主の頬に“チュッ”とキスをする美々子。キスをされて顔を赤くしあたふたする店主にむかって頬を赤く染めた美々子は、
『ピチピチの女子高生のキスだよ♡ありがたく思ってよね!じゃあねおじさん』
と言い残し走り去る。
すると店の奥から
『見~た~わ~よ~!』
声と共に眼鏡をキラーンと光らせながら奥さんが現れ、
『若い子にキスされて嬉しそうだね?』
と冷たく言う。店主は慌てて奥さんの元へと近寄り、
『い、今のは不可抗力だよ、それに驚きはしても嬉しいなんてそんな事思わないよ!』
と真剣な顔をしながら必死に弁明する。
すると我慢出来なくなった奥さんは“プッ”と吹き出しながら、
『んなこたぁ最初からわかってるよ、お前さんは正直者だからねぇ』
と笑いながら言うも、店主は首をかしげ腑に落ちないような顔をしている。そんな様子を見て奥さんは呆れたように、
『お前さんは心の底から喜んでたら、鼻の下が伸びてるけどねぇ。驚いてる時は挙動不審になってるからねぇ』
と言い“クックックッ”と笑ってる。イマイチわかってない店主は鼻の下を触ったりしてるが奥さんが怒ってない事がわかり、ほっとしたような顔をしている。
大会当日の夜、店主夫婦がニュース番組を見ていると陸上大会の話題が取り上げられていた。
「女子ハードルで大会記録を大幅更新、オリンピックの女子ハードルに期待が集まる!」
と、店主夫婦は美々子の事だと気づいておらず、“有能な選手が居るんだね”と呑気である。
後日何でも屋に一通の封筒が届いた。中には前回の様に写真と手紙が入っていた。
写真には、優勝トロフィーを持った美々子が引きつった笑顔であまり嬉しくないのか微妙そうな顔をしている、それを不思議そうに思いながら店主夫婦は手紙を読む。
「おじさんのお陰でまた優勝出来たよ・・・と言うより出来て当たり前だったよ、トレーニングで軽く走っただけなのにアッサリと自己記録を更新した時は目が点になったわよ。最初は大会で買ったシューズを履くか悩んだけど今度の大会はどうしても勝ちたいから結局履いたけどね(笑)
大会でも色々と苦労したわよ。50メートル走ではライバルの子より少しだけ早いように調整するの大変だったんだからね、ライバルの子も全力で走ってるのに手加減どころか速度の調整までされてたって夢にも思わないでしょうね。
ハードルでは最速で走れるように歩幅までも勝手に調整されたみたいで、一気に駆け抜けるものだから大会記録を大幅更新になって皆から囲まれひどい目にあったよ…
走り幅跳びと走り高跳びも加減してなかったらアッサリと記録更新してたと思うわ。
大会で勝てて良かったけど、今回は簡単過ぎて心の底からは喜べなかったよおじさん。 美々子より」
と締めくくられており店主は“少しやり過ぎたかね”と苦笑いしてた。
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