新☆何でも屋

小話詰め合わせ

ーーーーーーー盗まれたショッピングカートの行方ーーーーーー
ドラッグストアチューリップのカートが盗まれてからしばらく後、ついにドラッグストアチューリップへショッピングカートが返却される時がやって来た。

運ばれてきたカートをチューリップ店長立ち会いのもと、トラックから降ろされ返却される。
警察官が店長にむかい話しかける。
『こちらが盗まれたカートです。確認をお願い出来ますか？』

カートを受け取った店長がすぐに異変に気付く。
『おや？このカートは確かにうちの店の物のようですが・・・おかしいですね？本来の形と違うようなのですが・・・
こちらと見くらべてください。』
とカート置き場に置かれてるカートを引き出し返却されたカートの横へと並べられる。

『本来のカートのカゴはこの様に台形の形をしてるのですがこちらのカートは長方形になっています、そして下部の荷台は本来若干斜めになる様に取り付けられているのですがこちらのカートは平行に取り付けたられスペースも広くなってます。
そしてこの持ち手の部分に小さなお子様を乗せれる様になってるのですが、こちらのカートはその部分が無く長方形の箱になってますね。
他にも色々と不審な点が見受けられますね、このうちのロゴですが中央にＮのマークが入ってますがこれはいったい何を表すものなのか・・・、そして車輪も変更されてるのか本来のカートよりも静かでスムーズに運べますね・・・』

警察官と店長は形状の違いを不思議に思い首を捻っているが、真相は実に単純でカゴ部に子猫ちゃんのゲージを2個入れれるように、下部の荷台も猫ちゃんゲージを2個並べて置けるように、本来お子様用の部分も猫ちゃんのゲージを1つ置けるように改造されてただけなのである。
ロゴマークのＮは店主中村の頭文字のＮ、音が静かなのは子猫ちゃん達の為に高品質なタイヤに変えてただけなのである。
ー後日ー
その返却された改造済みなカート(中村仕様)は……チューリップ薬局の裏手に処分されていた。

それに抜け目なく気づいた店主中村が颯爽と新☆何でも屋に持ち帰ったのは言うまでもない。

ーーーーーーーーーー奥さん達の家庭菜園事情ーーーーーーーー
元店主の奥さんは家の裏で、奥さんとは別で近所の奥様方2人が共同で空き地を整地し横並びで家庭菜園をはじめた。
元店主の奥さんは趣味で様々な野菜を育てる一方、近所の奥様方は本格的に土を入れ肥を撒き水をたんまりと与え力を入れて育てている。

奥さんは毎日適度に水を撒き収穫時期を見極め野菜を次々と収穫して行く一方で、近所の奥様方は1人が朝水を撒くと夕方にはもう1人が水を撒き、奥さんのそろそろ収穫時だと思うよ？の忠告に耳傾けずに収穫時期を見誤って収穫している。

朝早くから近所の奥様方が毎日の様にキイキイ騒いでいる。ある日は雨で植えた手の種が流され全滅、またある時は種を植えじゅうぶんすぎる以上の肥や水を巻いたのにも関わらず1つも収穫出来ずに終わり、ある時は立派な葉を付けてるが肝心な食料の部分は小さく貧相と散々な結果に終わっている。無事収穫しても収穫時期を見誤っているが為に硬くなったり食べれなかったりで食用出来る部分が少ない。

ちなみに奥さんは手抜きながらも上手く出来、つい先日も中村夫妻に採れたての野菜を使い料理を 振舞ったのである。

『お前さんらは野菜作りの才能がないんだからもう止めておいた方がいいんじゃないの？』
と店主が言ったとか言わなかったとか。