新☆何でも屋

みのる

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元店主の携帯の着信音の謎

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とある一軒家の和室にたたずむ1つの人影、おもむろに尻を突き出すと辺りに鳴り響く軽快な音。
ブバッ、ブビビビビビ~
『ハァ~スッキリした♡
う~ん何ともかぐわしいカホリ・・・まるでフローラルの匂い♪』

一方何でも屋では中村夫妻と元店主がダベっていた。
『でさ、おっさんの着信音がめちゃめちゃ面白いんだよ!』

『まぁ、どのような曲なのかしら?』
会話の話題が元店主の携帯の着信音の話になり、店主中村がその着信音が実に面白い事を話すと中村奥さんがどの様な音なのか気にする。

『それがさぁ・・・』
プルルルル~、プルルルル~
『もしもし?』

『ちょっと、ごく普通の着信音じゃ無いのよどこ面白いのよ?』

『あれ~?オカシイナ、確かにこの間は違ったんだけどな・・・』
店主中村が説明しようとした所へ着信が入り元店主がでると、その着信音がありふれた音だった為に中村奥さんが直ぐに文句を言う。店主中村も着信が違うために不思議そうに首を捻っている。

『わかったよ、それじゃあまた。』
会話が終わった元店主が会話に混じって来る。
『いや~話の途中ですまんな、で何を話していたんだったかね?』

『おっさんの着信音が面白いって話だよ、けど今の着信音は違ったけど…いったいどう言うことなんだ?』

『な~に簡単な話だよ、うちの以外は全員変更してないんだよ。』
店主中村が着信音が違う事を尋ねたがいとも簡単な理由で、奥さん以外は変更していないだけだった。

そこへまた元店主の携帯に着信が入る。
ブバッ、ブビビビビビ~

『えっ・・・』

『アハハハこれだよこれ、面白いだろ?ゲラゲラゲラ!』
突然鳴り響いた軽快なオナラの音に、本当のオナラの音と勘違いして絶句する中村奥さんと爆笑する店主中村。

『もしもし、どうしたんだい?
えっ?今どこにいるのかって?今は青年の所にいるよ、うん、わかったよじゃあ待ってるよ。』

『お、奥さまからの電話ですか?』
電話を切った元店主に、話の内容から電話の相手は奥さんなのかと中村奥さんが引きつった顔で尋ねる。

『あぁそうだよ、これから来るってさ。』

『でさぁおっさん、あの着信音の屁の音はいったい誰の屁の音なんだ?』

『そいつは秘密だ。』

『別に教えてくれても良いだろ?
減るもんじゃ有るまいし・・・まさか奥さんの?ってそんなわけないよな・・・』
店主中村は、着信音のおならの音が誰の物か気になっているようだが、元店主は教えるはずもなくモヤモヤする店主中村であった。

ガラガラガラっ!と入り口の引き戸が開き店主奥さんが入ってくる。
『こんにちは~、あんたたち!久し振りだね元気にしてたかい?』

『あぁ相変わらずだよ。』
『奥様ご無沙汰しています、私達は元気ですよ♪』

『そうかい、今度また家に遊びにおいでよ。
家庭菜園で取れた野菜をお土産にあげるからね。』

『はい、近々お邪魔させてもらいますね。
久し振りにたまちゃんにも会いたいですし♪』
元店主の奥さんが店に来て、お互い挨拶を済ませ他愛ない会話が続いていく。

しばらく4人で談笑していたが、そろそろ帰るかと言う話になり元店主が立ち上がり、続いて店主奥さんも立ち上がり椅子を机の下にしまうと拍子にお尻から軽快な音が鳴り響く。
ブバッ、ブビビビビビ~

・・・
・・・
・・・

『おや、腰を曲げた拍子に屁が出てしまったねぇ、ご免なさいね。』
皆がシ~ンとする中、オナラをしてしまった奥さんが謝罪するが、追い打ちをかけるように辺り一面にオナラのニオイが漂う
「あら、良いカホリ♡まるでジャスミンの匂「うお、くせー!!」」
椅子を机の下にしまおうとした時にオナラが出たものだからちょうど店主中村に対してお尻を向けると言う体勢になってしまい、奥さんがいい匂いと言おうとするが直撃を食らった店主中村が、あまりもの悪臭に悲鳴をあげる。

『ゲホッゲホッゲホッ・・・思いっきり吸い込んでじまってヒューヒュー、ゲホゲホゲホゲホ呼吸器がやられたぜヒューヒュー苦しい・・・ゲホッゲホッゲホッ・・・ゼーゼータスケ・・・』
涙を浮かべながら苦しんでいた店主中村だったが、助けを求めようとするも力尽きついに泡を噴いて気絶する。中村奥さんも知らない間に白目を向いて痙攣している。
意識を失いながらも、元店主の着信音が誰のオナラの音だったか確信した中村夫妻であった。

『ゴホゴホゴホ、こ、こりゃいかん!参った・・・』
元店主が苦しみながらも震える手でガスマスクを3取り出し、1つを自分に装着し残る2個を中村夫妻の顔に付けてやり、身体を揺すったりして意識を取り戻させてやる。

『なんと失敬な・・・ほんとにまったくもう!』
3人の阿鼻叫喚な状態を見てぷりぷり怒る元店主奥さん。

『ゲホゲホおっさん、助かったぜ・・・しかしエグい臭いだったぜ・・・』

『私も知らない間に意識を失ってました。』

『すまなかったね、とりあえず私らは帰るよ。』
元店主夫婦が帰ってゆくのだが、奥さんが歩くと歩いた振動の拍子でオナラが一定のテンポでリズミカルに出続けながら、そのまま帰って行った。
プッ♪プッ♪プッ♪プッ♪プッ♪プッ♪

『奥さんもいい加減にして欲しいぜ、ほんとにまったく・・・』

入口の引き戸を開けておいてもしばらくの間臭いが取れず、いつまでもシツコク臭いが充満しているのであった
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