新☆何でも屋

みのる

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続・初詣〜アタシも初詣に行きたいだの巻〜 ※

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ーーー店主宅ーーー
『と、いう訳で青年と嬢ちゃんが一緒に初詣に行きたいから私を留守番に呼んだんだよ。』

『おや、それならアタシ達と一緒に初詣に行っても良かったのにねぇ、アタシも行きたいしもう一度一緒に行かないか誘ってみないかい?』

『う~ん、2人は今日行ったばかりだからね⋯⋯⋯取り敢えずRINEで聞いてみるよ。』

    帰宅するのが遅かった元店主が奥さんに経緯を話した所、奥さんも初詣に行きたいと言い出し中村夫婦を誘っみる事にした。

チャ~ン、チャンチャンチャンチャンチャンチャンチャンチャン♪
『おっと青年から返事が来たね、え~となになに⋯⋯3日の日に店休みにするから一緒に行こうっていってきたよ。』

『おやそうかい楽しみだねぇ~♪』

    どうやら一緒に初詣へ行く事に決まったようだ。
 

ーーー何でも屋ーーー
ピロリン♪
『ん?オッサンからか⋯⋯⋯⋯まい、オッサンからRINEが来たんだけど、奥さんが初詣に行きたいらしくて今日行ったばかりだけど良かったらまた一緒に行かないか?ってさ、どうする?』

『せっかくだから一緒に行きましょうよ♪』

『じゃあそうするか、明日だとまだ混むだろうし3日辺りにするか。
送信·····っと。』

ピロリン♪
『了解か、じゃあ3日に決定だな!』

ーーー3日の朝ーーー
『お~いまい、こっちは中村2号に猫のゲージを設置し終わったけど用意は終わったか?』

『ちょっと待って今行くわ(慌)』

ガラガラガラ、ガッシャーン‼←定番(笑)
う~ん、う~ん⋯⋯⋯⋯⋯⋯
    舞の返事と共に盛大に何かを引っくり返して割れた音が鳴り響いてきたと思うと、舞が呻いてる声が聞こえて来た。

『やれやれまたか⋯⋯⋯お~いまい、大丈夫か!?』

『え、えぇ⋯⋯大丈夫⋯よ⋯⋯』

    中村が舞に声をかけると、舞が涙目になりながら出てきた。

『よし、じゃあ子猫達をゲージに入れるか⋯⋯まいはとらにリードを付けてくれ。』

『⋯⋯えぇ分かったわ。』

『大丈夫かまい、まだ痛むのか?』

『大丈夫よ、まだ少し痛むだけだから·····(痛)』

    今日は店には誰も居なくなるから猫達も一緒にお出かけする様だ。

『よし、じゃあ行くか!』

『えぇ·····』

    中村夫婦ととらが店の外へ出ると本日休みと書かれた看板が置かれており、引き戸にはこれまた同じく本日休みの張り紙が貼り付けられていた。
    中村が引き戸に鍵をかけ終えると中村2号⋯⋯と命名されたショッピングカートを、ガラガラガラと盛大な音を鳴らしながら元店主宅へと向かって歩きはじめた。

『今日もまだ参拝客がチラホラと居るな。』

『本当ね、山手寺は混雑して居ないかしら?』

『う~ん·····どうだろうな?』

    暫く歩いて住宅街を通り抜け大通りへと出た中村夫婦は、山手寺の方へ歩いて行く参拝客や山手寺の方からやって来る参拝客がいるのを見て、山手寺が混雑して居ない心配そうにする舞。
    なぜ心配そうなのかと言うと、元日に着れなかった着物を来てお洒落をしているからである!

   山手寺へと通じる橋を渡り終えТ字路にたどり着いた中村夫婦ととらは元店主宅へ行く為に左折した、本来山手寺へ行くにはここのТ字路を右折する必要がある。
   店主宅まで後もう少しと言う所までやって来た中村夫婦ととら

『もうちょっとでオッサンの家だな?』

『店主さんの家に行くのも久しぶりね~☆』

『そうだな、夏以来かな?』

『にゃあん♪』

『とらも久しぶりにたまちゃんに会えるから嬉しそうね♪』


ーーー元店主宅ーーー

    元店主と奥さんがコタツに入ってテレビを見ながら元店主の地元から送られて来たミカンを食べている。
    たまはと言うと奥さんの足の上で気持ち良さように寝ている。

『もうそろそろ青年らが来てもいい頃だね。』

『おや本当だね、外は寒いだろうから何か温かいものでも用意しようかねぇ?』

    なんて事を元店主夫婦が話していると、たまが耳をピクピクと動かしたかと思うと立ち上がり襖の前へ行きニャーン、ニャーンと鳴き始めた。

ガラガラガラガラガラガラ!!

    そうすると遠くの方からショッピングカートのガラガラ音が聞こえて来て段々とガラガラ音が大きくなってきた。

『来たみたいだねぇ。』

『さてと、じゃあ一旦中へ連れて来るよ。』

    元店主が立ち上がり襖を開けるとたまが玄関の方へと駆け出した。
    元店主も後を追うように玄関へと向かう。

ガラガラガラ!!
『こんにちは~、あらたまちゃんお出迎えしてくれたの?』

『ニャーン♡』

『にゃあん♡』

『やあいらっしゃい、寒かったろう?
初詣にはもう少し後で行くとして取り敢えず中へ入りたまえ。』

    舞が引き戸を開けるとたまが鳴きながら飛びついて来た、とらも負けじとご挨拶。
    遅れて元店主がやって来て家の中へと2人を招き入れる。

『オッサン、このカートだけどどこへ置いといたら良いかな?』

『う~んそうだね、取り敢えず玄関の中へ置いといたら良いよ。』

『了解!』

     中村が中村2号を玄関の隅へ置き、子猫達を降ろしてやってる横で舞がとらのリードを外してやるとたまととらはじゃれ合いながら真っ先に部屋の中へと駆け出した。
    子猫達も下ろしてもらった順に負けじと次々と二匹の後を追いかける。

『会えたのが余程嬉しかったみたいだね。』

『本当ですね♪』

『さて、我々も中に入ろうじゃないかね。』

『おっ邪魔しま~す!』
『お邪魔します♪』

 3人が廊下を通り抜け居間へ入ると、コタツの上には二人分の御雑煮と割り箸が用意されており、温かそうに湯気が立っている。

『おめっとうさん☆ようやく来たねぇ待ちわびたよ♪』

『今日は3日だけどまあ良いや、あけおめ~!』
『奥様、明けましておめでとうございます♪』

 相変わらず一言多い中村、まだ三日だし年明けて初対面だから良いんだよ愚か者め·····

『寒かっただろう、雑煮でも食べて暖まっておくれよ♪』

『おぉーありがてぇ、身体が冷えてたから助かるぜ!』

『やった~、私お雑煮がとても好きなんです♪』

『へぇ~、オッサン家の雑煮は味噌ベースなんだな、俺ん家はずっと醤油ベースだったから味噌ははじめてだぜ。』

『私はどちらも食べた事有りますけど、このお雑煮ってかなりトロミが有りますね?』

『実はこの人の好物でねぇ、餅が溶け出して汁にトロミが付かないと食べてくれないんだよ。』

『オッサンも贅沢だな、トロミなんか有ろうが無かろうがいっしょだ⋯⋯う、うめぇ⋯⋯
確かにこれはうめぇ♡』

『あら本当、美味しいわね♡』

『だろ?私はやはりこれでないと雑煮を食べた気にならないのだよ。』

 お雑煮は完全に作者の好みです
 二人が美味しそうにお雑煮を食べてると、猫達が2人の周囲に群がってきた。

ニャーン、ニャ~ン、ニャ、ニャース、フニャー♪

『だぁ~!!退いてくれ、これじゃあ食えねぇじゃねぇか!!』

『ほら、たま、とら、コトラ、チャトラ、コタマ、ミケ、タマミ、あんた達はこっちへおいで?』

『漸く退いてくれたか⋯⋯奥さんサンキュー、これでゆっくり食べれるぜ!』

    猫達に纏わりつかれて中村夫婦が食べれないでいると、奥さんが猫まっしぐらを取り出して猫達に与えてやった。
    その甲斐あって猫たちは猫まっしぐらへと我先にと駆け出し、2人は無事食事を再開する事が出来た。

『ふ~食った食った♪』

『ご馳走様でした☆とても美味しかったです♪』

『私の実家から送られて来たミカンだけど食べるかね?』

『おっ、気が利くなオッサン!コタツにはやはりミカンが付き物だぜ♪』

『私も1ついただきます♪』

    お雑煮を食べ終えた所で元店主がミカンが6個入った籠をコタツの上へ置いた。
    まいが1個だけ取ったのに対して流石は中村である残った5個をシッカリと取り込んだ。

『甘いミカンね♪』

『うめぇ、うめぇ~♡』

『欲しけりゃまだまだ有るから遠慮せずに食べろ。』

『おっそうか、じゃあ遠慮無く~♪』

『アナタ食べ過ぎよ!?』

『俺ァ食べれる時にはシッカリと食べるのが主義なんだ!!』

『どうなっても知らないわよ!?』
 
    ミカンが無くなったので元店主が追加で籠へミカンを入れてやると、中村は更に5個取ったのでまいが注意するも聞く耳を持たず思うがままに食らう。
    後でどうなっても知らないぞ?

『ゲフ~、流石に腹がはち切れそうだぜ·····』

『食べ過ぎよアナタ、ほんとにもう·····』

『アッハッハッハ、相変わらずよく食べるな青年!』

『ねぇあんた達、そろそろ初詣に行かないかねぇ?』

『おっもうこんな時間かね、そろそろ行くとするかね 。』

『食うもんも食ったし、それじゃあ行きますか!』

『はい、それとあなた達はお留守番よ大人しく寝ててね☆』

『行く前に·····ちょっとトイレを貸してくれ。』

『ああいいよ、廊下を突き当たって右だよ。』

『分かった直ぐに後を追いかけるから先に行きかけてくれ!』

『そうかい、じゃあ鍵を預けるから家を出たら戸締りをしてくれかねぇ? 』

    餌を食べ終えてコタツの中でお昼寝タイムをしている猫達を残して元店主夫婦と中村夫婦は初詣へと出かける事にする。
    出かける前にトイレに行った中村は3人の後を追うべく大慌てで外へ出て戸締りをする。
    ふと横を見てみると来た時には気が付かなかった建物が有った。

『何だこれ、来た時には気付かなかったけど·····なんでこんな所に蔵が出来てるんだ?
まあいいや、急いで後を追いかけないと·····』

    中村はブツブツ言いながら3人の後を追ってかけだした。
    暫く走り続け山手寺と橋への曲がり角が有るТ字路の所で漸く3人に追いついた。

『お~い待ってくれ、漸く追い付いたぜ·····ゼェゼェ·····』

『やっと来たのかね待ちわびたよ。』

『もっとゆっくり進んでくれよゼェゼェ⋯⋯歩くの早すぎだっつ~のゼェゼェ』

    無事合流する事が出来た4人は再び山手寺へと向かい歩を進める。
    道中会話を弾ませながら進んで居ると遂に山手寺が見えて来た。

『やはりまだ参拝客がまだ多いようだねぇ、もう少し遅らせた方がよかったかねぇ?』

『まあ元日よりは人が少ないけどな。』

『私が呼び出されて店へ行くのにも人が多くて苦労したからね。』

    歩を進め山手寺に近付くに連れて参拝客の隙間から出店もチラホラと見えだしてきた。
    山手寺に辿り着いた4人は石段を登り山門を抜け境内を進み本堂で御参りを済ませた。

『さてと御参りも済ませたし、私達は御籤を引いてくるからちょっと待っててよ。』

『俺も引きたいから一緒にいくぜ!』

『アナタは私と一緒に引いたじゃないの、何回も引けば良いというものでも無いのよ!?』

『うるせぇ、俺ァこの間の結果が気に食わないんだ!!』

『1人じゃああれだしまいちゃも近くまで一緒に行く方が良くないかねぇ?』

『そうですね、私もついて行きます。』

    御籤が販売されている所まで4人で行き3人がそれぞれ購入する。
    御籤を見た3人が結果を口々に話し始めた。

『アタシは中吉だね♪』

『まぁ奥様もですか!?私も中吉でした!』

『おやまあ、奇遇だねぇ♪』

『私は吉だからまあまあだね。』

『⋯⋯』

『で、青年はどうだったんだね?』

『⋯⋯大凶だ!!
何で俺だけ大凶ばかり出るんだよ!!ほんとにまったく!(憤怒)』

『 『 『ブブォ⋯⋯ 』』』

    中村の結果が、まさかの2連続で大凶だった事を知った他の3人は思わず吹き出し、面白いのを誤魔化す為に大慌てで中村に背を向けるのだが、背を向けながらもその顔は梅干婆さんみたいにしながらも笑うのを必死で我慢している。

『3人共笑ってんじゃねぇよ!?ほんとにまったく!!
背を向けていても肩が小刻みに揺れてるから笑ってるのがバレバレなんだよ、大人しくこっちを向きやがれってんだ!!ほんとにまったく·····』

『いや~すまんすまん、つい面白くてな·····(プルプル)』

『決して笑ってた訳じゃ無いのよ?(プルプル)』

『そうそう気のせいだよ、アタシャ向こうで売ってる甘酒を見てたんだよ ·····(プルプル)』

『嘘つけ!!我慢のしすぎで顔が真っ赤になり目が涙目になってるじゃねぇか!!ほんとにまったく!
オッサンは素直に認めただけまだマシだってんだ!(激怒MAX)』

『おや、バレてたのかねぇ!?』

『当たり前だ!!肩が小刻みに震えてるのを見たって言ったろ!?』

    誤魔化すように笑ってることに気付いた中村は物凄い剣幕で怒るのであった。
    参拝も済ませ御籤を買い後は帰るだけとなり、土産に出店で名物の蒸し餅を買って帰路に着くのであった。
    4人でワイワイ会話をしながら帰り、元店主宅が見えて来た所で思い出したように中村が口を開いた。

『そう言えばオッサン、オッサン家のすぐ横にデカい蔵が建てて有ったけど中には何が入ってんだ!?』

『あぁ、あれはだね⋯⋯』

『アタシの農具が入ってんだよ、家庭菜園をしてるからその道具さねぇ☆』

『農具を入れるから位なら小さな小屋でも良かったんじゃねぇのか?それにあんなにデカい蔵なんか建てたら空き巣に狙われるんじゃねぇのか!?』

『まさかそんなマヌケはおらんよ、家が小さいんだから金持ちには見えんよ。』

『そりゃそうか!?』

『 『 『 『 アハハハハハ!!』』』』

    まあ蔵がデカくても家が小さいので金持ちの家と間違う泥棒もいないだろう。

『家に着いたけどお前さんら夕飯を食ってくかね?』

『おっ、良いね!!』

『宜しいんですか?』

『大勢で食べる方が美味しからねぇ♪』

『それじゃあ決まりって事で、すき焼きが良いかね?カニ鍋が良いかね?』

『オッサン、そんなの聞くまでもなく肉に決まってるだろ?』

『じゃあ今日はすき焼きにするかね。』

    家の前に着き夕食の話をしながら玄関まで来た元店主が中村に鍵を請求する。

『さて青年よ、鍵を返したまえ。』

『おっと、スッカリ忘れてたぜ⋯⋯ほらよ☆』

『⋯⋯おい青年、戸締りをせずに出て来たのかね?』

『そんはずはねぇ、間違いなく戸締りをしたぜオッサン!』

『そんな事を言っても鍵が開いてるじゃないか。』

『本当だって、絶対に鍵は締めたんだ!!』

『·····となると、空き巣かね?』

    元店主が鍵を受け取り開けようとすると鍵が締まっておらず、どう言う事かと中村を問い詰めるのである。
    中村は間違いなく鍵は締めたと必死に訴えかけ店主も信じる事にする。
    引戸を開き家の中へと入ると中が物色された形跡がある。

『空き巣の仕業の様だね。』

『アタシは蔵を見てくるよ!』

『気を付けるんだよ?』

    家の中へ入った奥さんだが蔵が心配になり様子を見に飛び出していった。

『家に入っても盗る物なんて無いんだけどね。』

『店主さん私は警察に連絡しますね?』

『すまないけど頼むよ。』

    家の中の様子を見ながら舞が警察に連絡をしようとしているとどこからか悲鳴が聞こえて来た。

『ギャー、出たーーーーー!!』

『なんだね今の悲鳴は?』

『奥さんの声じゃ無いことは確かだな、男だったしまた熊でも出たのか!?』

『いや、前の騒ぎは熊じゃ無かった様だよ。』

    中村は、以前自分のイビキが熊と間違われ騒ぎなっていたとは露ほども知らず、熊が出たんだと信じていた。
    遠くの方からサイレンが聞こえて来て元店主宅に警察が到着した。
    これから長~い現場検証がはじまり、食事にあり付けるのはいつになるのやら、まる

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