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新☆何でも屋閉店(みのる版)
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『何でも!アナタののぞむモノが手に入ります!
~アナタのお口にジャストサイズの入れ歯からアナタの髪にピッタリ♪のシャンプーまで~』
ー真冬のある日ー
『今日も!本当にヒマだなーーー………(ふわぁあああああ~)』
いつもと同じようにポツリポツリな客足に、言い知れぬ"イラ立ち"のようなモノを感じた中村は遂に!!
『禁断の世界』に足を踏み入れようと決意した。
あれ程!元・店主には止められていたのをキレイに忘れ去って………
思い立ったら割とスグに行動派♡な中村は、
『まい~!ちょっくら店番頼むわ。』
舞がその言葉に返事するのも待たずにしっかりと防寒をすると、颯爽と引き戸を開けて外出したのであった。
ドン!ドン!ドン!ドン!
『うおぉ~~~い!開けてくれぇ~~~!?』
とある印刷所の閉ざされたドアが何者かによって激しく叩かれる。
「…………てか誰だよ…………(激怒)
今日は日曜日だぞ?」
ボサボサの頭のままで眉間に深い三本筋を刻ませた印刷所の店主が、ドアの音をうるさそうにしながらそちらを睨みつける。
ガチャ☆
『よぉ!印刷屋のオッサン、相変わらずのツマンネェツラだな♪』
この店は日曜日は定休日だと言うのに構わずと堂々たる姿で悪態づくのは当然!中村。
やはりお前か!とばかりに呆れた表情をみせる印刷所の店主。
『お前なぁ………
ツマンネェツラなのはお互い様だろうが……
てか、こちとら週に一度しかねぇ休みなんだからゆっくりさせてくれよ!』
どうやら二人は知らない仲でも無いらしい。
『まぁそういうなよ!
ところでお前に頼みがあるがあるんだ♪』
そういうと中村は暖房の効いた部屋に馴染んで来たのか、分厚いジャンパーを脱ぐと急に声をひそませる。
…………その翌日、地方新聞に挟まれた数々の広告の中でも一際人々の目を引いたのは、冒頭の言葉で始まる新☆何でも屋の宣伝だった。
ー何時もの時間ー
かったるそうに寒さに震えながら新☆何でも屋を開店させる中村を待っていたのは………
『うぉおっ!???
な、なんだこの長蛇の列は!!?(大仰天)』
店の引き戸を開けたそこには!どこまで続いているのか皆目見当も付かない程に果てしない行列であった。
人々は口々にこういうのである。
『こんな!何でも揃う夢のような店が俺の街にあるなんて知らなかったぜ!?』
『目には見えないモノでも手に入るのかしら?』
『あたしはぁ♪小山様と二人ッキリのおデェト♡がしたい!(憧)』
『私は飲んだことのないチューハイが飲みたいな♪♪』
『…………………………………!(以下省略)』
開店と共にみんなが我先にと狭い店の入口に集中してもうてんやわんや!
その時、その人群の向こうにチラリと元・店主の姿らしきモノを中村はその目に焼き付けた。
今まで見たことのないような元・店主の厳しい表情。
それでありながら、どこか寂しさも漂わせていた。
朝早くから夜店を閉めても引かない客の波が一週間程続いた。その今までに経験したことのないあまりの忙しさに舞共々、遂に寝込んでしまい
新☆何でも屋は閉店せざるを得なかったのであった。
『あんなに「宣伝をしてはいけない」と念押ししたのに、青年は私との約束を守らなかったね。』
新聞に目を通す元・店主の膝の上でたまが欠伸をする。
『良い青年だったのにねぇ。約束は守らないと、後で泣きを見るのは自分達なのにね。』
奥さんはたまの喉を撫でながら元・店主に茶を渡す。
今日も至って平和な元・店主の一日は始まろうとしていた。
~完結~
(みのるヴァージョン)
~アナタのお口にジャストサイズの入れ歯からアナタの髪にピッタリ♪のシャンプーまで~』
ー真冬のある日ー
『今日も!本当にヒマだなーーー………(ふわぁあああああ~)』
いつもと同じようにポツリポツリな客足に、言い知れぬ"イラ立ち"のようなモノを感じた中村は遂に!!
『禁断の世界』に足を踏み入れようと決意した。
あれ程!元・店主には止められていたのをキレイに忘れ去って………
思い立ったら割とスグに行動派♡な中村は、
『まい~!ちょっくら店番頼むわ。』
舞がその言葉に返事するのも待たずにしっかりと防寒をすると、颯爽と引き戸を開けて外出したのであった。
ドン!ドン!ドン!ドン!
『うおぉ~~~い!開けてくれぇ~~~!?』
とある印刷所の閉ざされたドアが何者かによって激しく叩かれる。
「…………てか誰だよ…………(激怒)
今日は日曜日だぞ?」
ボサボサの頭のままで眉間に深い三本筋を刻ませた印刷所の店主が、ドアの音をうるさそうにしながらそちらを睨みつける。
ガチャ☆
『よぉ!印刷屋のオッサン、相変わらずのツマンネェツラだな♪』
この店は日曜日は定休日だと言うのに構わずと堂々たる姿で悪態づくのは当然!中村。
やはりお前か!とばかりに呆れた表情をみせる印刷所の店主。
『お前なぁ………
ツマンネェツラなのはお互い様だろうが……
てか、こちとら週に一度しかねぇ休みなんだからゆっくりさせてくれよ!』
どうやら二人は知らない仲でも無いらしい。
『まぁそういうなよ!
ところでお前に頼みがあるがあるんだ♪』
そういうと中村は暖房の効いた部屋に馴染んで来たのか、分厚いジャンパーを脱ぐと急に声をひそませる。
…………その翌日、地方新聞に挟まれた数々の広告の中でも一際人々の目を引いたのは、冒頭の言葉で始まる新☆何でも屋の宣伝だった。
ー何時もの時間ー
かったるそうに寒さに震えながら新☆何でも屋を開店させる中村を待っていたのは………
『うぉおっ!???
な、なんだこの長蛇の列は!!?(大仰天)』
店の引き戸を開けたそこには!どこまで続いているのか皆目見当も付かない程に果てしない行列であった。
人々は口々にこういうのである。
『こんな!何でも揃う夢のような店が俺の街にあるなんて知らなかったぜ!?』
『目には見えないモノでも手に入るのかしら?』
『あたしはぁ♪小山様と二人ッキリのおデェト♡がしたい!(憧)』
『私は飲んだことのないチューハイが飲みたいな♪♪』
『…………………………………!(以下省略)』
開店と共にみんなが我先にと狭い店の入口に集中してもうてんやわんや!
その時、その人群の向こうにチラリと元・店主の姿らしきモノを中村はその目に焼き付けた。
今まで見たことのないような元・店主の厳しい表情。
それでありながら、どこか寂しさも漂わせていた。
朝早くから夜店を閉めても引かない客の波が一週間程続いた。その今までに経験したことのないあまりの忙しさに舞共々、遂に寝込んでしまい
新☆何でも屋は閉店せざるを得なかったのであった。
『あんなに「宣伝をしてはいけない」と念押ししたのに、青年は私との約束を守らなかったね。』
新聞に目を通す元・店主の膝の上でたまが欠伸をする。
『良い青年だったのにねぇ。約束は守らないと、後で泣きを見るのは自分達なのにね。』
奥さんはたまの喉を撫でながら元・店主に茶を渡す。
今日も至って平和な元・店主の一日は始まろうとしていた。
~完結~
(みのるヴァージョン)
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